真夏に被災してもエアコンを使い続けられるポータブル電源とは

アウトドアシーンのみならず災害備蓄として評価が高まっているポータブル電源。緊急時のスマートフォンの充電やちょっとした家電の使用が主な目的と思いきや、実はエアコンを常時稼動させることもできるだけのパワーがあります。

特に2台体制で1台を使用中にもう1台を日当たりの良い場所でソーラーパネルを使った充電をすることで24時間エアコンを稼働させ続けることさえ可能です。

ポータブル電源といってもそのバッテリー容量は1kWhから5kWhほどまで幅広いですが、いざというときにエアコンを使いたい。真夏に被災して汗だくで過ごすなんて想像もしたくない。そんな方にとっておすすめできるバッテリー容量は2kWhクラスのポータブル電源の2台体制です。

エアコンの消費電力

エアコンの消費電力は機種や適用畳数によって差がありますが、実は一度部屋が冷えてしまえば以降の消費電力はさほど変わりありません。

今回は検証のため8畳の部屋に取り付けられた日立製の2020年モデルのエアコンで試しました。いざという時にエアコンを使う場合は部屋を限定し、できるだけ狭い部屋を選ぶと良いでしょう。

消費電力は暑い部屋を冷やす段階では600W程度でしたが、一度冷えると0W付近まで消費電力は落ちてほぼ消費電力はゼロに近づきます。しかし、そのままでは屋外の暑さにより室温はジワジワと上がっていきますから、室温が上がるとエアコンは即座に反応して室温を下げます。この時の消費電力は100~200W程度です。

実際に検証をした結果は、真夏の昼間に2kWhのポータブル電源で約10時間エアコンを稼働させ続けることができました。一度冷えた部屋を継続して冷やす場合や夜~朝など外気温が低い場合には最大で16時間稼働させることができました。

暑い時間帯は1kWhあたり5時間ほど、涼しい時間帯は1kWhあたり8時間ほどと考えれば良いでしょう。我が家は築20年の木造一戸建てですから、家の断熱性や気密性が高い場合には更に稼働可能時間は伸びるはずです。

エアコンの制限

エアコンは適用畳数が大きくなっていくと使用電圧が通常の100Vから200Vに変わります。

コンセントの形状が違うため一目瞭然ですがエアコンをポータブル電源で動かす前に取扱説明書なども含めてよく確認する必要があります。また、消費電力を確認してポータブル電源の定格出力以内に収まっていることを確認しましょう。

昨今の有名メーカー製のポータブル電源であれば1kWhクラスのポータブル電源であれば1000W、2kWhクラスのポータブル電源であれば2000W程度の定格出力が確保されています。1kWhクラス以上のポータブル電源を選べばエアコンは問題なく動かすことができるでしょう。

エアコンをポータブル電源に接続する場合は延長コードを使用する必要があります。エアコンは大きな電流が流れるため電子レンジやIHコンロなどと同じく専用回路が必要で延長コードの使用は禁止されています。

しかし、被災時などの緊急時であればやむ負えません。ポータブル電源を天井付近にあるエアコン近くまで持ち上げておいておける場所があれば理想的ですが、やむ負えず延長ケーブルを使う場合には2sq以上の太さの電線を使用した太い延長ケーブルを用意すると良いでしょう。

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ソーラーパネルによる充電

ポータブル電源にはオプションとしてソーラーパネルが用意されています。100W~400W程度が一般的ですが、エアコンを駆動させる場合には200W以上のソーラーパネルがあると安心です。

ざっくりと快晴時に日当たりの良い場所に200Wのソーラーパネルを設置した場合、朝から夕方までたっぷり充電すると1kWhのポータブル電源は0%から100%までフル充電することができます。2kWhのポータブル電源の場合は、条件が良くても60%~70%ほどまでしか充電できませんでした。

300W以上のソーラーパネルがあれば2kWhクラスのポータブル電源を1日でフル充電できますが、雲が出ていたり日当たりが確保できないことも考えると400Wクラスのソーラーパネルが理想的です。

しかし、ソーラーパネル自体の重さや大きさもあるため、自宅のソーラーパネルが広げられるスペースなどを鑑みて選択する必要があります。

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