我が家のキッチンには使い道のない勝手口があります。
寒さが厳しいこの時期は、料理をしているとこの勝手口からの冷気を強く感じます。我が家のキッチンはリビング・ダイニングとつながったLDKで、人がいることが多いためほぼ常時冷暖房を使用しています。夏はこの勝手口から熱い熱気が入り込み、冬は冷たい冷気が入り込んでいます。
体感できる冷気や熱気だけでなく、冷暖房費用の節約や結露対策にもなるだろうと見込んでこの勝手口を塞いでみることにしました。また、今回はあわせて脱衣所の窓も塞ぐことにしました。
脱衣所は単純に寒すぎてお風呂から出た時に辛い&脱衣所の窓を開けることはないためです。
窓の塞ぎ方
窓の塞ぎ方について調べると、大きく分けて2つの方法があることがわかります。
方法1:サッシを撤去し内・外壁工事を行う
1つ目の方法はDIYでは難しい方法です。
窓のサッシ(窓枠や周辺部品)をすべて撤去する方法です。当然、撤去した後は壁を塞ぐ必要があり、適切な施工をするには技術や一般人には入手性の悪い建材を調達する必要があります。リフォームとしてプロの業者に頼んだ場合でも内窓設置や二重窓等へのサッシの入れ替え非常に高額な費用が発生するため基本的に勧められることはありません。
方法2:サッシの内側に壁を作って塞ぐ
2つ目の方法は今回紹介する方法であり、DIY向けの方法です。
窓の内側を塞いで、壁にしたり棚(ニッチ)にしたりする方法です。いくつかの注意点を守れば比較的簡単かつ安価に窓を塞ぐことができます。なお、居室には採光のために必要な窓面積が定められています。一般的に窓は多めに設計されていることが多く、LDKなどの広い空間の窓を1つ塞ぐ程度であれば問題はありません。また居室以外のトイレやお風呂場も問題ありません。それ以外の場合には不動産屋さんに確認したり、法規をよく確認する必要があります。
もちろん光を遮らない内窓のDIYや開閉や着脱可能な簡易的な方法で窓を塞ぐのであれば問題ありません。
窓を塞ぐ前に
窓を塞ぐ前に注意しなければならないのは結露を防ぐことです。
単純に板を窓枠の中に嵌め込んだ場合、その板と窓の間で結露が起こり知らぬ間にカビが生えたり腐食が進んでしまうかもしれません。そのため窓を塞ぐ前に窓の結露を防ぐための「断熱」処理を行う必要があります。
断熱の処理は2つのステップがあります。
ステップ1 隙間を塞ぐ
まず始めに断熱の大敵である「隙間」を塞ぎます。
窓を閉めてしまえば一見すると隙間なんてないように思うかもしれません。しかし、窓を手で動かすと小さなガタツキがあったり、窓のスライド部や開閉機構には目に見えない程度の隙間があります。そこで、窓のつなぎ目や隙間をテープやビニールを使って覆い隠してしまいます。
テープには断熱性を持たせた製品も存在しますが、高額かつ重要なのは隙間を塞ぐことなので市販の粘着力の強いテープで十分です。
ステップ1.5 不要な部品を取り除く
もし窓を塞いで棚(ニッチ)にする場合、出来るだけ奥行を確保したいものです。
今回、私は勝手口を棚にしたのですが、勝手口には「ドアレバー」や「クローザー」などの出っ張りがあって、そのまま窓を塞いだのではほとんど奥行きが残らないことがわかりました。
そのため、作業の前に不要な部品をすべて外しておきました。
ステップ2 断熱材を貼り付ける
次に窓やサッシに断熱材を貼り付けます。
安価な断熱材といえばホームセンターなどで手に入る「スタイロフォーム」が有名です。しかし、先ほど説明したように断熱に隙間は大敵です。スタイロフォームは凹凸に対応できないためスタイロフォームを取り付けるための枠を作ったり、隙間をシール材などで塞いでしっかりと気密を確保する必要があります。
こうした手順が面倒な場合にはフォーム状の粘着付きの断熱マットがおすすめです。
この手の製品を使うと、窓の凹凸に合わせて貼り付けることができるため隙間が生まれづらく高い断熱性を確保することができます。
実際に断熱材を窓に貼り付けた様子がこちらです。
勝手口はこんな具合に。
脱衣所の窓はこんな風に断熱マット(今回はエプトシーラーを使用)を使って窓を埋めました。
実際のところ、しっかりと隙間なく窓を塞げばそう簡単に結露しません。窓を塞いだ場合や内窓を取り付けた場合の中間層の結露についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
板の取り付け
窓の断熱が終わったので、板で窓を塞ぎます。
もし元の状態に復元する必要がないのであれば接着剤を積極的に使用すると隙間が生まれづらく効果的ですが、将来的に元の状態に戻す可能性があるのであればネジを使って固定する方法がオススメです。
今回は窓枠内にこのように角材を固定しました。
角材の取り付けが終われば、後は板を嵌め込んでネジ止めすれば完成です。
強度が必要なわけでもありませんから、フローリング用のビスなど細いビスを使うと下穴をあける手間も省けて効率的です。
最後に必要に応じてサンドペーパーをかけたり、ニスやオイルステインを塗って仕上げればより完成度が高まります。