在宅勤務歴10年以上。コロナ禍の影響を受けて在宅勤務が広く普及しましたが、私は2008年ころから在宅勤務を始め、ここ5年ほどは出勤という概念自体存在しません。
そんな在宅勤務で気になるのが体型が崩れて体重が増加すること。原因はもちろん運動不足です。運動不足は単に体型を崩すだけでなくホルモンバランスや筋力低下を引き起こします。昨年、思い切って電動昇降デスク(電動スタンディングデスク)を導入しましたが、いまやほとんど出番もなく、椅子にどっかりと座り続ける日々です。
流石に危機感を覚え、せっかくなので在宅勤務をしながら運動できるエクササイズ用品がないか探しまわり、試して回ったのでその結果を紹介します。
結論はステッパー、その理由は?
先に結論を述べると、在宅勤務をしながら運動するのに最適なのが「ステッパー」と呼ばれるエクササイズ用品です。ステッパーとは以下のような運動器具のことです。
ご覧の通りの器具で、ステップに足を乗せて右、左、右、左と踏み込みます。お年寄り向けのライトなエクササイズ用かな?と思われそうですが、これが結構負荷があります。
①体が揺れずにパソコン作業しながら使える
在宅勤務で「ながら作業」をするために最も重要なのが体が揺れ動かないということです。
体が不必要に動けば、モニターを眺めたりキーボードをタイプするのに不都合が生じます。特にながら作業に適していると思われがちな、自発的に動く必要がない用品のなかには体がぐらぐら動いてキーボードの入力に差し支えるものも少なくありません。
そんななかでステッパーであれば単純な足の上下運動であり、そのペースも自由に制御できるのでパソコン作業の邪魔になりません。
②動きに慣れが不要
エクササイズ用品のなかに、ある程度動きに慣れないとパソコン作業が難しいものがあります。エクササイズ用品の動きに集中して、肝心の仕事の効率が下がっては目も当てられません。典型的なのはバランスボールで、慣れればただの椅子のように座り続けられますが、慣れるまではぐらぐらして仕事が手につかなかったり、ふいにバランスを崩すことを危惧して動きが遅くなってしまいます。
この点、ステッパーであれば足場はどっしりと安定していて、バランスを崩すことはありません。また、動き自体も単純な足の上下なので慣れるまでもなく足を動かすことができます。
③弱すぎず強すぎない負荷
ながらエクササイズとはいえ、負荷が小さすぎて効果が少なくては意味がありません。また、負荷が一部に集中する用品も不適当でしょう。適度に息が上がるくらいの全身運動ができて、なおかつ自分でペース配分ができ、さらに仕事に差し支えない程度に負荷を抑える必要があります。
例えばながらエクササイズの定番とも呼べるエアロバイクの場合、特に数万円で購入可能なリーズナブルなものでは負荷を最大にしても一般的な成人男性には負荷が小さすぎます。最大連続使用時間を守っていてはロクな運動になりません。リーズナブルなエアロバイクは調整幅が少ないため、身長が高めの方は無理な姿勢で関節を痛める可能性もあります。また、負荷が小さすぎると長時間使用する必要がありますが、在宅勤務中とはいえ常にながらエクササイズができるわけではありません。やはり適度に負荷は必要です。
そんななかでステッパーは見た目のコンパクトさとは裏腹に意外なほど負荷があります。少しペースを上げて足を動かせば、明らかに疲労を感じて息が切れ始めます。
ステッパーに及ばなかったながらエクササイズ用品
ながらエクササイズに最適かと思いきや問題があって候補から脱落した器具たちを紹介します。パソコン作業をしながら使うには不向きだっただけで、これらの器具自体に難があったわけではありません。
候補①ウォーキングマシン
ながら作業ができるエクササイズ用品で始めに思いついたのがウォーキングマシンです。
先に挙げたようなながらエクササイズの条件を一見して満たしている気がするウォーキングマシンですが、大問題がありました。
それは、持ち手やコントローラー部が邪魔でパソコン作業ができないという点です。広めのデスクであればデスク下に差し込むことはできるのですが、このコントローラー部があるせいでパソコンを理想的な位置に配置できません。ここが取り外せる製品も存在しますが、万が一転倒した際には安全上問題がありそうなことや、歩きによる体の揺れでとてもパソコン作業には向かないことに気が付いて候補から外れました。
候補②エアロバイク
エアロバイクもながら作業に一見して適していそうな器具です。しかし、いくつものエアロバイクを試乗した限りでは負荷が低すぎます。それに反して連続使用時間は短いです。また、ハンドル位置が近く、サドルの調整幅が小さいため身長がある人には理想的な姿勢で使用することができません。
こちらもウォーキングマシン同様に手元に持ち手とコントローラーがあるのですが、多くの製品は調整することができます。持ち手は取り外すことができる製品も多く、コントローラーの位置もデスクとギリギリ干渉しないものも多いです。特に我が家のように電動式の昇降デスクを採用していて、小柄な方であればおすすめできる方法です。
また上の写真にあるようにながら作業用に小さなデスク付きの製品も存在します。残念ながら私はデスクトップPCを使用していることや複数台のモニターを使用したガッツリ系のデスクワークのため候補から外れました。
候補③バランスボール・ボード
ながらエクササイズの定番であるバランスボールや、バランスボールを立位で行うバランスボードですが、これは仕事の効率を下げるためおすすめできません。
確かに慣れればほぼ無意識にバランスをとって座り続けることができるのですが、常識的な大きさの市販のバランスボールでは着座位置が低すぎて理想的な姿勢をとれません。また、常に同じ姿勢を保つならともかく、仕事中は狭い範囲ながらなにかと手足を動かして視線を動かすものです。こうした動きにいちいち遅れがでるうえ、ある程度意識して体を動かさないと同じ姿勢を保ちすぎて体がガチガチに凝ってしまいます。
もしかすると短時間使用なら健康に良いのかもしれませんが、ながら作業・ながらエクササイズという観点では全くダメでした。
候補④振動マシン
ボード状の器具に乗ってスイッチを入れると、ボードがぐらぐら動いて、バランスを取るために体が反射で動いて姿勢を保つ。自発的に体を動かす必要がない完璧なながらエクササイズ用品。なのですが、ダラダラと運動をしたいなら最適ですが、運動をしながら仕事をするにはあまりには不適当でした。
どうしても視線までぐらぐら動き、デスクに触れた手も落ち着かず、キーボード操作に支障がでます。
エクササイズ用品の難点、まとめなメーカーがない
こうして最終的にステッパーという結論に至ったのですが、さまざまなエクササイズ用品を見る中で感じた大きな問題点が「まともなメーカーがない」という点です。世の中、安ければ安い方が良いと思う人もおられるかと思いますが、私なんかは多少高くても壊れず長く使えるものが欲しいと思ってしまいます。
そんな時にエクササイズ用品に目を向けると、通販でも店舗でもまともなメーカーの製品がないのです。もしかすると安全性を担保できないなどの理由で一流メーカーは安価な製品を販売しないか、ジムなどの正しく運用できる者にしか販売していないのかもしれません。そのせいか、エクササイズ用品のレビューを見ると、そのほとんどの製品に無視できないような低評価レビューが散見されます。それこそ有名なスポーツ用品店や、エクササイズ用品を販売している大型の電気店で販売されている製品ですら、ネットのレビューを見ると不安を感じざるを得ない製品ばかりです。
最終的に選んだのは「東急スポーツオアシス・ツイストステッパー Premium 」
私が最終的に選んだのは「東急スポーツオアシス・ツイストステッパー Premium」です。
ステッパーのなかでベストセラーといえばショップジャパンの販売するステッパーですが、耐久性に難がある点から候補を外れました。連続使用時間が10分という短さですから話になりません。その点で、東急スポーツオアシス(聞いたことない)のステッパーは連続使用時間60分と6倍も長いです。価格も3割増ほどですが、その価値はあると判断しました。
ステッパーの耐久性の肝はダンパーにあるのですが、連続使用時間の長さはこのダンパーの寿命の長さとイコールと言っても過言ではありません。メーカーが異なるため連続使用時間を決める基準が異なるでしょうから単純比較はできませんが、既存の判断材料から考えるなら東急スポーツオアシスのステッパーの方が多少は耐久性があるはずです。ダンパーの配置や負荷のかかり方、方向も異なるため損傷しづらい可能性もあります。
ただし、ショップジャパンと東急スポーツオアシスのステッパーには大きな違いがあります。
今回私が購入した東急スポーツオアシスのステッパーは「ツイスト」と名前がある通り体をひねりながらステップを踏みます。そのため体が上下するだけのショップジャパンのステッパーより体が大きく動いてしまいます。(慣れれば問題ない)
そのため、最初はパソコン作業をしながらステップを踏むのに慣れが必要です。特にひねりが加わる特性上、素足や靴下ではうまく動けません。最初はスニーカー等を履いて使うと感覚が掴みやすいです。
またショップジャパンの方が上下の動きが少ないため、体全体の動きが抑えられてながら作業には向いています。上下の動きが少ないということは、ステップに乗った時の高さも低いので多くのスタンディングデスクで対応できるでしょう。連続使用時間が短いことが本当に残念でなりません。
体力や筋力に自信のない方はショップジャパン、ある程度普段から運動をされていた方であれば東急スポーツオアシスを選ぶと良いと思います。
ちなみにステッパーの上に立つとデスクが低すぎると思われそうですが、私が購入した電動スタンディングデスク脚であれば、身長179cmの筆者がステッパーの上に載っても問題ない高さまでデスク面を上げることができます。