鉢植えの柑橘類(みかんやレモン)は定期的な植え替えが必要です。植え替えをしないと正常に生育できないばかりか、枯れて木が死んでしまうことになります。一般的に2~3年と言われていますが、3年も経つと遅すぎることが多いです。
遅すぎると何が起こるかというと「根詰まり」です。
鉢のなかで根がぎゅうぎゅうに詰まって、ガチガチに固まってしまうことを言います。一度根詰まりを起こすと、軽症であればほぐすことができますが、重症ではほぐすことができません。ほぐすことが出来ない場合、大きな鉢に植え替えるしか選択肢がなくなってしまいます。鉢の大きさには限りがあり、無限に大きくできるわけではありません。
もし今の木の大きさに満足しているのであれば、意味もなく大きな鉢に植え替えしない方が無難です。
植え替えの時期と手順
植え替えの手順は至ってシンプルで、3ステップで完了します。
難しいことはありません。
作業もあまり神経質になる必要はありませんから安心してください。
なお、植え替えの時期は一般的に3月が適していると言われます。
これは全国で一律3月という訳ではなく「寒さが残るが気温が上がり始める時期」と言い換えることができます。
そのため暖かい地域ではもう少し早くても構いませんし、寒い地域ではもう少し遅い方が良いでしょう。
①鉢から木を抜き取る
始めに植木鉢から木を抜き取ります。
大きさ的に逆さに出来るのであれば良いのですが、多くの場合は逆さにすることはできないでしょう。鉢の縁にシャベルを差し込み、てこの原理で持ち上げるようにしてみてください。1周ぐるりとシャベルを差し込めば大体抜き取ることができます。抜き取る時は木の根元をもってぐっと思い切り持ち上げてください。
心配かもしれませんが、果樹の幹はそれほど弱くありません。根や土をまとめて持ち上げても全く問題ない程度の強度はありますから安心してください。
②根をほぐして長い根を切る
2年も経過すれば間違いなく根は鉢のなかでいっぱいになっています。手で揉んだり叩いて根をほぐしていってください。
次に長い根をハサミで切りましょう。大体全体の長さの3分の1くらいにカットしてください。太い根はハサミでは太刀打ちできないと思うのでそのままでOKです。細くて長い根や傷んで黒くなった根をカットします。もし大きな鉢に植え替えるのであれば、根のカットは省略しても構いません。
③新しい鉢に植える
新しい鉢に木を植えます。もちろん同じ鉢を使い続けても構いません。古い土は出来るだけ落とし代わりに新しい土を入れてあげてください。
市販の培養土で構いませんが、数割の腐葉土を入れてあげると柑橘類には良いです。この際に、特別元肥として肥料を入れてあげる必要はありません。培養土には元肥が入っていますし、植え替えであれば元肥を入れる必要はないからです。
また、新しい土を入れると鉢の中に空洞ができることがあります。棒で突いたり手で軽く押してなかの空洞を潰していくと良いでしょう。植え替え後はたっぷりと水を与えます。
根詰まりを起こしている場合
根詰まりを起こしている場合には、こちらの記事で解決方法を紹介しています。
また、大きな鉢へ植え替えるのであれば根詰まりを起こしたまま新しい鉢に植えてしまっても問題ありません。大きな鉢に植えれば周囲に新しい土が入りますから、自然とほぐれていきます。
このほかにも、一般家庭における自家栽培レモン(鉢植え/地植え)の育て方や栽培手法など、様々な知見をまとめています。
なお、レモン以外にもミカンやユズなど柑橘類全般に適用できる育て方のポイントとなっています。