低価格で高性能!植物育成ライト「BRIM PANEL A」の強みと発熱対策

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玉石混交の植物育成ライト界において、PSE認証を取得し植物育成における効果と高い実用性、そして製品サポート兼ね備えた「まとも」と呼べる製品のなかで特に低価格なのがBRIMのベーシックモデルであるPANEL Aです。

IR(赤外線)、UV(紫外線)を含めむ5種類・252個のLEDチップを搭載した30cm四方の正方形のパネル型LEDライトで、価格は1つあたり3700円程度、2つセットで7000円程度でセール時に少し安くなることがあります。

本体の高い実用性と放熱性

本体は1mm厚のアルミ板にLEDチップが搭載された極めて薄いパネル上で、パネル上には一切の凹凸がありません。更に四隅には長孔があいており、標準付属のワイヤーやフック類のほかにも本格的な植物の屋内栽培ではビス止めなど幅広い固定方法に対応しています。

アルミパネルで構成されているだけあって放熱性に優れており室温20度程度では長時間の連続点灯でも40度を上回ることはありません。私の場合は植物のためにサーキュレーターを一番風量を弱くして稼働していますが、この風のお陰もあって30度を超えることもありません。手で触れてもほんのり暖かいか熱を感じない程度です。

昨今ではこうした使い勝手の良いパネル設計も珍しくなくなってきましたが、普通に吊るすにも専用の棚に固定するにもとにかく幅広い扱い方に対応できる形状をしています。最初はお試しで適当な場所に吊るして使って、感触が良ければメタルラックや自作の棚を使って本格的に植物育成を始めたいという場合にも適しているといえます。

LEDドライバーの発熱と対策

LEDライトの宿命としてLEDドライバーの発熱は避けては通れません。パネル部分と一体化しているものに比べてBRIM PANEL Aは電源コードの途中にLEDドライバーがあるため比較的発熱しづらい設計ではありますが無風状態では約70度、サーキュレーターの最小風量の風が当たる状況でも50度を超えてしまいます。

これはLEDドライバーが格納されている樹脂製のボックスの温度であり、その中身は更に発熱しています。ボックスは簡単に開けられるような構造をしており基盤自体も固定されていません。最も発熱するのは下図でいう左側の黄色い部品の上にある黒い部品と、中央やや右の大きな青い部品です。

とはいえ70度程度では大きな問題もありませんが、これは室温20度の話です。30度を超えるような屋内や植物育成メインの狭い空間で室温が高い場合は注意が必要です。最近の高気密高断熱の家であっても、外気温が高ければ室温はそれに応じて上昇し続けます。特に都心部では地方と違って日が沈んでも気温が下がりませんから都心部の一般家庭の一室で屋内栽培を楽しむという場合にはLEDドライバーの発熱対策を講じたいところです。(もちろん換気や送風、常時冷暖房などで管理していれば問題ナシ)

LEDドライバーの発熱対策

LEDドライバーの発熱対策はいくつか考えられますが、大きく分けると純正のボックスから取り出して直接冷却する方法とボックスに手を加えず外から冷却する簡易的な方法に分かれます。このBRIM PANEL Aの発熱量はそれほど大きくなく、更にパソコンなどと違って急激に負荷が高まって瞬間的に発熱量が上がることもありませんから熱伝導性の低い樹脂ボックス越しの冷却も十分に有効です。

対策1.基盤をボックスから取り出す

1つはLEDドライバーのボックスを取り外して基盤をむき出しにすることです。BRIM PANEL AのLEDドライバーのボックスは工具不要で手で簡単に開けられるうえ、基盤も固定されていないので非常に簡単です。基本的にまともな既製品は特段の対策がなくとも故障や過熱の心配はありません。ですからボックスから取り出すだけでも十分な冷却効果が得られます。

我が家のように植物のために弱くサーキュレーターで風を送っているような環境であれば、ボックスから取り出すだけでも高温部でも40度程度まで温度が低下しました。

例えばPANEL Aを複数台並べたやや本格的~本格的な運用を検討している場合には、むき出しにしたLEDドライバーを板などに固定してPC用ケースファンなどで冷却すると十分な冷却効果が得られます。一方でPANEL Aを1つだけ使用しているような小規模なケースでは基盤を宙ぶらりんで使うわけにもいきませんし、1つのためにわざわざ基盤を固定する板を用意するのも面倒ですからやや不向きな対策です。

対策2.ヒートシンクを取り付ける

次の対策は冷却の定番であるヒートシンクの使用です。

LEDドライバーはありがたいことにM.2SSD用のヒートシンクがぴったりなサイズ感をしています。これをLEDドライバーの樹脂製のボックスのうえから取り付けるだけでも十分な効果が得られます。詳しくは実際に取り付けて温度を計測している様子を後述します。

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また、更なる冷却効果を求めたい場合にはヒートシンクにサーキュレーターやPC用ケースファンで送風する方法も有効ですし、ヒートシンクと冷却ファンが一体になった製品も存在します。価格も2000円以下で安価に手に入るため室温が高い場合には有効です。

ただし、植物の生育のためにも過湿や部分的な蒸れを押さえて温度・湿度を均一にするためにサーキュレーター等で部屋全体の送風をしたり、窓を少し開けて換気をする方法をおすすめします。

ちなみにLEDドライバーの発熱部は白いボックスの印字がある面で、特に熱が伝わりやすいのは50/60Hzなど記載があるあたりです。指で触れて確かめるとわかりやすいです。もちろんヒートシンクは一番熱い部分に貼り付けます。

ヒートシンクを使用したLEDドライバーの発熱対策

さて、今回はBRIM PANEL Aを1台だけ使用した小規模な環境です。今後拡大する可能性はありますが、現在はお試し期間ということでどの程度の生育スピードが得られるか検証している段階です。

そのためヒートシンクを使用した簡易的な発熱対策を行うことにしました。実際に使用したヒートシンクはこちらです。ヒートシンクは厚さと表面積が重要ですが、今回は発熱と言っても微々たるものなので価格重視で選択しました。熱伝導性が高い接着シートがついたものがおすすめです。

また、LEDドライバーの基盤はボックスとしっかりと接触しているわけではありません。それでも十分に熱を伝えてくれますが、ただでさえ樹脂製のボックス越しですから、発熱部とボックス内面をしっかりと密着させるためにも熱伝導性が高い接着シートも別に購入しました。

この接着シートを発熱部のなかでも平面な部分に貼り付け、ボックスの内面に密着するように基盤を収め直します。

そしてボックスにヒートシンクを取り付ければ完成です。

今回は4個入りのヒートシンクを購入したので、せっかくなので両面に取り付けても良いですが発熱のある印字面だけで十分です。簡易的な対策ですが効果ははっきりと出ました。

送風あり送風なし
ヒートシンクなし約55度約70度
ヒートシンクあり約35度約40度
室温23℃。LEDドライバーの白い樹脂製ボックスの最も高温な場所を放射温度計で測定。

送風ありの場合でもLEDドライバーに強い風を直接当てるようなことはなく、育成スペースの温度・湿度差をなくすためにサーキュレーターを全体に弱く当てて空気を動かしている程度です。

またこの結果に準じて内部の部品温度もしっかりと低下しています。計測後すぐにボックスを開けて計測したところ、50度を超えている部品はなくボックス内面と密着していない整流ダイオードの冷却性も向上しているようです。元々LEDドライバー内の発熱部品は限られており、ボックス表面の温度だけ見ても高い場所は70度あっても低い場所は40度台でした。こうした発熱にムラがある状況でボックス全体にヒートシンクを貼り付けたことでずいぶんと余裕が生まれたことがわかります。

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