ハンドルーターの定番ドレメル社のハイスピードロータリーツールに設定されている多数のアクセサリーを徹底解説していきます。
既に十分な知識がある方には不要な説明ですが、趣味でドレメル社のハイスピードロータリーツールなどハンドルーターを購入された方にとっては、たくさんあるビットやマンドレル、オプションの使い分け・選択が難しいものです。
ここでは各種アクセサリーの用途を簡単に解説していきます。
軟質な材料向けのアクセサリー
軟質な材料とは、集成材や木材や樹脂、ゴム、一部の柔らかい金属を指します。
ハイスピードカッター
ハンドルーターで使用するごく一般的なアクセサリーです。
木材を中心に、樹脂や柔らかい金属など比較的軟質な素材に対して使用します。
球状、円柱形、円錐形など多様な形状が存在し、削りたい場所や曲面などに合わせて選択します。
極めて荒いヤスリのようなもので、木材等を回転の力で粗く削り取っていきます。
粗く削り取るという特性からわかる通り、細かな彫刻や文字彫りには向きません。溝を彫ったり、くり抜いたりすることを目的に使用します。
ドレメル社の純正オプションとしては、以下の「115」が最も粗削りに適しています。
エングレービングカッター
ハンドルーターで使用するごく一般的なアクセサリーです。
木材を中心に、樹脂や柔らかい金属など比較的軟質な素材に対して使用します。
先ほど紹介したハイスピードカッターに比べると、先端がかなり小振りです。しかし、先端の形状や構造はハイスピードカッターと同様です。
木材等と触れる先端部が小さいため、ハイスピードカッターに比べて細かな作業に適しています。彫刻や文字彫りに最適なアクセサリーです。
ドレメル社の純正オプションとしては、以下の「105」が最も細かな作業に適しています。
構成刃超硬カッター
木材を中心に、樹脂や柔らかい金属など比較的軟質な素材に対して使用します。
次に紹介する「超硬カッター」は硬質な材料に対してよく使われますが、構成刃超硬カッターは、軟質な材料を削るために使用されます。
構成刃超硬カッターという名前はドレメル社の公式カタログ上の記載ですが、英語サイトではStructured Toothとなっており、鋭利な金属を砥石のように押し固めたものと言う意味合いだと思います。
要するに非常に粗いヤスリ(砥石)のようなアクセサリーです。
後程紹介するドレメル社製の砥石を含めて一般的な砥石は金属などの硬質な材料に適しており、木材などの軟質な材料に使うとすぐに目詰まりして削れなくなってしまいます。しかし、この構成刃超硬カッターであれば軟質な材料でも目詰まりしづらくなっているという訳です。
硬質な材料向きのアクセサリー
硬質な材料とは、鉄やセラミック、一部硬質な樹脂や木材を指します。
超硬カッター
ハンドルーターで使用するごく一般的なアクセサリーです。
鉄やセラミックなど硬質な材料と、一部の硬い樹脂や木材にも適しています。特に木材の場合には、同じ樹種であっても木や部位によって硬軟の差があるため、これまで紹介した軟質な材料向きのアクセサリーが適している場合もあります。
適さないアクセサリーを使うと、切削性が悪くなります。
超硬カッターは、角を落とす面取りや研磨に使用します。軟質な材料向きのアクセサリーで言うと、ハイスピードカッターや構成刃超硬カッターに近いアクセサリーです。形を大きく整えるような成形には切削力が不足することがあります。
ダイヤモンドホイールポイント
ハンドルーターで使用するごく一般的なアクセサリーです。
鉄やセラミックなど硬質な材料に適しています。
先端部が小さいため、ハイスピードカッターに比べて細かな作業に適しています。彫刻や文字彫りに最適なアクセサリーです。
軟質な材料向きのアクセサリーで言うところのエングレービングカッターに相当します。
ドレメル社の純正オプションのなかでは、以下の7103が最も細かな作業に適しています。
酸化アルミ砥石
ハンドルーターで使用するごく一般的なアクセサリーです。
鉄やセラミックなど硬質な材料に適しています。
見ての通り砥石が先端にあるビットで、バリ取りや手作業でヤスリ掛けを行う際などに使用します。
軟質な材料を削るとすぐに目詰まりして、切削性が著しく低下します。
多様な形状があるため、対象となる材料の形状にあわせて選択します。
お得なセット販売
ドレメル社はこうした多数のアクセサリーをお得にセット販売しています。
例えば各種アクセサリーを一通りそろえた多目的セット。
更に多くのアクセサリーを詰め込んだ110ピースセットなども販売されています。
国内代理店が正規に取り扱っているのは1万円を超える160ピースセットのみで、並行輸入品の110ピースセットはかなりお買い得です。
もっとお得な社外品
ドレメル社の純正品は高品質である反面、価格もやや高価です。
例えばハイスピードカッターは1本あたり定価で1000円~2000円もします。実売価格では1000円を切っているものも多いですが、平均すると1000円前後します。
一方で品質は劣る(と思われる)ものの、安価なノーブランド製品も多数存在します。
例えば以下の商品はハイスピードカッターを含めた20本のビットが入って2000円少々で販売されています。
ハンドルーターはドレメル社のハイスピードロータリーツール以外にも多くのメーカーが販売しており、ドレメル社のオプションは他社のハンドルーターでも使用できますし、その逆も同じです。
こうした安価な製品も状況に応じて使っていくことで、お得に道具をそろえることができます。
さいごに
ハンドルーターは高速回転するハンドツールと言うシンプルな道具故、アイディア次第で様々な用途に使用することができます。
そのためアクセサリーの種類も膨大で、ここでは比較的一般的なアクセサリーに限って紹介しました。
用途に合わせたアクセサリーを使うことで、効率も仕上がりもグッと良いものになります。
ドレメル社の製品は、電動工具などで有名なボッシュ社が日本の正規代理店となっています。不明な点がある場合には問い合わせも受け付けてくれますので、どんなアクセサリーを使えば良いか悩んだ時には問い合わせてみると良いでしょう。