【解説】5シリーズ(F10)の維持費や難易度を徹底解説!100万円台も当たり前の5シリーズは買いか?

カーライフ

今回は、100万円台も当たり前の5シリーズ(F10/2009年~2016年)に注目してみたいと思います。

安く買って安く維持することに着目して各部をチェックしていこうと思います。

5シリーズ(F10)の概要

5シリーズ(F10)は、2009年に登場し、2013年のマイナーチェンジを経て2016年まで販売されていたミドルアッパーセダンおよびワゴンです。

モデルコードは、セダンがF10、ワゴンがF11、ハッチバックがF07です。BMWにおいてはワゴンは「ツーリング」、ハッチバックは「グランツーリスモ」と呼ばれています。

エンジンは、一部グレードを除いてエンジンがターボ化されました。2Lの4気筒ターボエンジンを搭載する528i、3Lの6気筒ターボエンジンを搭載する535i、2Lのディーゼルエンジンを搭載する523dなどがラインナップされました。特別なグレードや流通量の少ないグレードは割愛しています。

トランスミッションは、8速ATが搭載されています。

先代から比べると、昔の保守的なデザインに回帰したような印象を受ける控えめなデザインで登場した5シリーズです。ターボと自然吸気のガソリンエンジンや、ディーゼルエンジン、ハイブリットなど様々なグレードが存在しました。まだまだ新しく見えるこの5シリーズも、モデル初期の車両は100万円台が当たり前に存在します。

維持費で考える狙い目のグレード

オススメのグレードは523iもしくは528iです。

100万円台であれば、ディーゼルの523dも選択することができますが、部品点数や価格が高くなる傾向があります。

523iと528iはいずれでもモデル初期では6気筒エンジン、2011年からは4気筒ターボエンジンへ置き換わっています。

100万円台ではいずれも選択することができます。

ポイントはエンジンですから、「エンジン」の項目で細かく解説します。

維持の観点から各部をチェック

エンジン

2011年までの523iおよび528iに搭載される6気筒エンジンはN52型の信頼と実績の自然吸気エンジンです。

2011年以降の523iおよび528iに搭載される4気筒ターボエンジンはN20型の新しいエンジンです。

部品点数はいずれも変わらないのですが、排気量と環境性能、加速感では4気筒ターボエンジンが上です。しかし、ターボエンジンは良い状態を維持することが少しだけ難しいです。

維持費に関しては大きく変わりませんので、単純にフィーリングの良い自然吸気6気筒か、実用性の高いターボ4気筒かを好みで選ぶと良いでしょう。

4気筒ターボは2L、6気筒の523iは2.5L、6気筒の528iは3Lですから税制上の違いもあります。

いずれのエンジンも今のところ目立った不具合も見つかっておらず、多くの車種に採用されているエンジンです。1シリーズや3シリーズにも採用されており、5シリーズだから特別維持費が高くなるということはありません。

トランスミッション

トランスミッションはZF社の8速AT(8HP45)が搭載されています。

この時期のBMWは、ほぼすべての車種に8速ATを導入しています。この8HP45は、1シリーズ、2シリーズ、3シリーズ、5シリーズ、X3、X4、X5などほぼすべてのBMWに採用されたトランスミッションです。

最大許容トルクはこの5シリーズの2倍近い450Nmで、余裕のキャパシティです。

単純に多くの車種に採用されていることが信頼性の証にはなりませんが、これだけ多く採用されながら目立った不具合も報告されていないためトランスミッションについて不安になる必要はないでしょう。

また、上記エンジンと組み合わされることによりターボエンジンの力強さの恩恵を常に受けて走ることが出来ます。

タイヤ

タイヤは523i、528i共にスタンダードなモデルであれば17インチです。

非常に経済的で、よくBMWオーナーに選ばれている高いコストパフォーマンスを誇るピレリ社のCinturato P1で見ると、1本あたり僅か1万円程度です。

ブレーキ

ブレーキはシンプルな片押しの1ポッドキャリパーです。

社外品の定番のDIXCEL社製で見てみると、ブレーキディスクが6万円ほど、ブレーキパッドが2万円ほどで揃います。

滅多に交換するものではありませんが、これだけ安価に流通しているのは嬉しいポイントです。

乗り方によりますが、4~5万km程度でパッドを、8~9万km程度でディスクを交換することになるでしょう。

サスペンション

まだ新しいモデルと言うこともあり、選択肢はそれほど多くありません。

純正部品相当のビルシュタイン製であれば1台分で10万円ほどで揃います。

ショックアブソーバーは気にならなければ交換する必要がない部品ですが、信頼できるメーカーの商品がこれだけ安価に手に入るのは嬉しいです。

その他

ここまでまとめたように、5シリーズの維持費は特別高額ではありません。

しかし、唯一高額といえるのがインテリアの高級装備の類です。例えば電動シートやブラインド、ナビやオーディオ、クルーズコントロールや車線変更のセンサー、パーキングセンサーなどです。こうした装備は、総じて高額です。なかなか故障する部品ではありませんし、壊れても車は走りますから無視して乗り続けることは可能です。

しかし、走るために必要なもの以外は高額になる傾向があることは覚えておきましょう。

ただし、もしあなたがDIY好きであれば、海外での流通量が多い5シリーズですからeBayなどで中古部品を仕入れて安価に修理することも可能です。

購入後の維持費と注意点

この5シリーズは、登場からまだ10年と経たない新しいモデルです。

それまでの使われ方や維持の仕方によっては状態の悪い個体もあるでしょう。

車選びの際には是非以下の記事も参考にして、「アタリ」の個体を探してみましょう。

【中古BMW選び】車選びのコツとチェックポイント 

ポイントは走行距離に捉われないことです。

近所の買い物に使われていた車より、高速道路ばかり乗っていた車の方が車の状態は間違いなく良いです。

少なくとも「ハズレ」の個体を選ばない限りは、まだまだ故障知らずで維持にお金もかけずに乗ることができるでしょう。

不安があれば、当サイトでも相談をお受けしています。このままページを下にスクロールしていただくと連絡方法が記載されているので、困った時には是非ご活用ください。

BMWにおいて故障と言った場合には主に以下の4パターンです。

  • オイル漏れ
  • 水漏れ
  • センサー類の故障
  • 点火装置の故障

これら以外の故障は、耐久性や頻度をとっても国産車とそう変わらず、あえて心配することはありません。もちろんいずれ故障するでしょう。例えば国産車でも20年経った車でエアコンが故障しているのは珍しくありませんね。

上記4パターンを簡単に説明していきます。

先述の通りこの5シリーズを購入するのであれば、これらの故障を心配するのはまだ早いでしょう。参考までにご覧ください。

オイル漏れについて

オイル漏れについては、以下の記事で細かく解説しています。

BMWのオイル漏れが発覚!修理が必要?緊急度や添加剤、安価な修理方法をご紹介 

結論から言ってしまうと、オイル漏れと言っても基本的に緊急度が低いケースが多いです。修理を年単位で先送りにすることもできますし、そのまま乗り続けることもできます。

予算と相談しながら、修理するのであれば車検やその他の修理とセットにすることで工賃を節約すると良いでしょう。

水漏れについて

2000年台後半以降のBMWは、信頼性が向上しているように感じます。

例えば今から10年前の車両を見ても、ほとんど故障知らずで今なお走っている車が多数見られます。昔からBMWのゴムや樹脂パーツが弱いとは言われていますが、段々と改善が重ねられ、品質も向上しているようです。

水漏れに関してはオイル漏れと違って先送りするのは賢明ではありません。

しかし、一般的なホース類やタンクの交換であれば、せいぜい3~4万円程度です。DIYであれば1万円もあれば十分に部品が手に入るでしょう。

決して怯えるようなものではありません。

10年経っても壊れないことも珍しくない部品が、せいぜい3~4万円で直るわけです。

センサー類の故障について

センサー類の故障は症状が多種多様で偏には語れません。

20年近く壊れないものもあれば、5年で壊れるものもあり、運の要素が強いです。

主要なセンサーの部品代は数千円~1万円程度のことが多いです。詳細は以下の記事で解説しています。

【BMWの維持】センサー故障の事例と緊急度一覧 

点火装置の故障について

エンジンの燃焼のキッカケとなる点火装置については、不思議と昔からイグニッションコイルの故障が多いです。細菌の車両でも、整備記録を眺めると新車から数年のうちにイグニッションコイルを新車保証で交換しているケースがしばしば見られます。

残念ながらイグニッションコイルの故障は運の世界です。20年近く壊れないものもありますし、3年で壊れることもあります。故障しても不調は出るものの走行不能にはなりません。詳細は以下の記事で予防法と合わせて紹介しています。

【BMWの故障】イグニッションコイルの故障を予防しよう!

まとめ

一見するとまだまだ新しく高級感のある5シリーズが、もう既に100万円台で手に入るというのは魅力的です。

年式は新しく、まだまだ良い状態の車両が多いです。

維持費をかけずに数年乗ってもヨシ、状態が良い個体が多い今のうちに買っておいて、長年乗り続けるのもヨシでしょう。注意点があるとすれば、基本的に純正部品は高額な傾向があります。

BMWに強いショップなども検討することで、ここで紹介した社外部品などを使って安く維持することが可能です。

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