クレマチスの育て方 春にやることまとめ | 3月~5月の作業

栽培

クレマチスは人気の園芸植物でフェンスや支柱につるを伸ばしながら成長し美しい花を咲かせます。つる性であることを利用して様々なスタイルのお庭にマッチさせやすく、花や葉の付け方まで異なる様々な品種がある点が大きな魅力です。また病害虫や寒さにも強く手入れを怠っても早々枯れてしまうことはありません。

そんなクレマチスも適切に手入れすることでたくさんの美しい花をつけてくれます。本記事では特に暖かくなってきた「春」のあいだに必要な手入れについて解説します。

春はクレマチスの急成長シーズン

寒さに強いクレマチスも寒い冬のあいだは成長を止めます。成長を止めているということは栄養や水をあまり必要としませんが、暖かくなる春には急激に成長を始めるため適切な肥料、水やり、そして何より日光が必要になります。

特にクレマチスの場合は鉢植えで育てるケースも多いですが忘れずに日当たりの良い場所へ移動させましょう。また地植えの場合には寒さ対策に寒冷紗を巻いたりビニールの風よけをしている場合には外しておきます。春は強い風や雨が降ることも多いため風よけがあった方が安心ではありますが、それ以上に日当たりを遮ったり加湿や日光による極端な高温に晒される方がクレマチスへのダメージが大きいです。

肥料と水やり

春はクレマチスが急激に成長を開始する時期です。これまでの冬とは打って変わってこまめな水やりや施肥が重要になります。既にクレマチス歴が長い方ならご存じの通り、品種によっては1日に10cm以上成長することもあります。

鉢植えの場合は乾燥具合を確認して水やりをします。目安としては水はけの良い土や通気性のある素焼きの鉢では毎日、そうでなくても2日に1回はたっぷりを水を与えてください。これはすべての植物に共通する特徴ですが成長には多くの水を必要とします。これに加えて成長により葉の枚数が増えれば増えるだけ葉から蒸散する水分量が増えるため成長期の植物は想像以上に水分を必要とします。

春は降水量も増える時期です。鉢植えを雨水を受けられる場所に設置している場合には雨に降られた翌日は水やりをスキップするなど乾燥具合を確認しながら水を与えてください。

地植えの場合も同様に雨により十分な水分を確保できます。鉢植えのように用土の量が限られているわけでもないので連日晴天が続くようなことがなければ水やりは不要です。

水やりの際には液体肥料を一緒に与えます。緩効性の固形肥料でも構いませんが肥料が適度に効き続けるように肥料を与えるのは難易度が高いためリン酸の比率が高めの液体肥料がおすすめです。定番はハイポネックスで500倍に薄めて週に1回程度与えます。

ただし手軽に扱うことができるクレマチス専用肥料もあるため水で薄める作業が必要な液体肥料が面倒くさい場合には検討してみても良いでしょう。土の上に1カ月~2カ月ごとに置くだけで、使い方や肥料を与える時期もパッケージ裏に詳しく説明があって扱いやすいです。

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誘引

クレマチスがぐんぐん成長するこの時期は誘引の時期でもあります。クレマチス栽培の醍醐味であり難しいポイントでもある誘引です。

誘引の方法は多種多様あります。フェンス一面にクレマチスを咲かせたい場合やオベリスクに巻き付かせたい場合、アーチに巻き付かせたりバスケットから垂らしたりと好みに応じて平面的あるいは立体的に造形できるのがクレマチスを始めとしたつる性植物の魅力です。

誘引は基本的に支柱やフェンスにつるを固定する作業です。ビニールタイなどを使いますが、適当なヒモでもなんでも構いません。軽くつるの位置を固定してやればあとは勝手につるが巻き付いて自身を支えてくれます。誘引の方法も最初は深く考えすぎずに、自分の好きな形にクレマチスが育つように誘導してあげれば良いでしょう。

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クレマチスは品種によって花をつける位置が微妙に異なるためコレと言った正解の誘引方法はありません。花は密集しすぎずに分散させ、逆に枝葉は分散させ過ぎて隙間を作りすぎないよう意識するのがポイントです。クレマチスの若い枝は木質化しておらず柔軟性がありますが無理に曲げて折らないように気を付けてください。

可能であれば苗を購入する時に花をつける位置や誘引、剪定に関する説明を店員さんから聞くのがベストな選択です。クレマチスは園芸品種があまりに多いため苗についてくるラベルに記載された品種で検索しても情報が見つからないことが多々あります。早咲き、遅咲き、常緑、強剪定、弱剪定などおおよそ特徴を理解するためのキーワードはラベルにも記載がありますが、クレマチスをうまく育てるには1年目で様子を見て花の咲き方を観察し、2年目以降にそれを活かして誘引や剪定を行うと良いです。

少し気の長い話ですがクレマチス栽培では焦りは禁物です。クレマチス自体は強い植物で多少誘引や剪定、施肥などが悪くても枯れることはありません。庭造りとあわせてじっくりと育てていくと良いでしょう。

開花と花がら摘み

冬に咲く品種もあるクレマチスですが、多くの品種では早咲きのもので春先に、遅咲きのものでも春の後半には花や蕾をつけはじめます。

多くの草花に共通する重要なポイントですが花が終わったら早めに枯れた花は取り除きます。多くの草花と同様に花が終わると種をつけ、種を育てるために栄養を割いてしまいます。クレマチスは次から次へと花を咲かせてくれる点が大きな魅力なので、萎れ始めた花は早々に取り払うのが良いでしょう。

開花が一段落したら剪定を行います。遅咲きの品種は春の終わりころから花を咲かせるのでまだ剪定は不要です。剪定は品種によって様々ですが購入時のラベルに「強剪定」あるいは「弱剪定」の記載があります。どちらの剪定方法でもよく育つタイプも存在します。強剪定の場合は、花をつけた枝の根元を2節か3節くらい残して剪定します。弱剪定の場合には花の2節か3節前くらいを選定します。

この剪定はどのタイミングで行うか悩ましいと思いますが、弱剪定であれば花が終わって花がらを摘んだらその場で弱剪定してしまって構いません。同じタイミングですべての剪定を終える必要はないからです。強剪定の場合も、1本の枝に付く花が減ってきたと感じたタイミングで大丈夫です。

剪定後は切断した個所から勢いの良い枝が伸びてまた花をつけてくれます。また花をつけるまで少し空白期間ができるため、あえて剪定するタイミングをずらすことで花を絶やさずに咲かせ続けることもできます。剪定を多少失敗したところで枯らしてしまう心配はないので試行錯誤してみるのがクレマチス栽培の醍醐味かもしれません。

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