【修理】水槽用エアポンプを修理しよう!【構造を知ると面白い】

アクアリウム

ちょうど手持ちのエアポンプが故障したため、メーカーの補修パーツを使わずに修理してみたいと思います。

今回は、GEX e-AIR 6000WBを使用しています。

なお、エアポンプの構造はメーカーや製品を問わず基本的に同じですので、あらゆるモデルに流用可能です。

エアポンプの構造を知る

始めにエアポンプを開けるとこのような構造になっています。

※エアポンプを開けるには、裏面から確認できるネジを4本程度外すことになります。これはモデルによる異なるため割愛しています。

拡大して解説を入れてみました。

簡単に説明します。

電気がコイルに流れ込むと、コイルが磁性を持ち磁石のようになります。

ここに流れ込む電流は、家庭用の交流電源です。

交流電源がコイルに流れ込むと、S極とN極が変化し続けます。

このS極とN極の変化に釣られて、コイルの向かいの磁石が左右に動き続けます。

S極とN極が反転し続けるわけですから、磁石は引き寄せられたり反発したりを繰り返すわけです。

磁石が左右に動くと、磁石が取り付けられている鉄板が釣られて左右に動きます。

鉄板にはポンプが接続されていて、ポンプを左右に押すことで空気を吐き出すわけです。

要するに、浮き輪の空気を入れるとき、足でしゅこしゅこ踏むやつの小さい版がここにあるポンプなわけです。

GEX e-AIR 6000WBのように、吐出口が2つあるエアポンプの場合には、エアを生み出すポンプと吐出口が1対1になっています。

吐出口が1つのエアポンプであれば、ポンプは1つしかありません。

つまり、1口を閉じてももう1口から2倍のエアが出ることはありません。

私は初めてこのポンプを買った時、余った口を塞いだら、もう片方から2倍の空気が出るのではないか?と考えてしまったのですが、そんなことはないわけです。

逆に2つの吐出口をコネクターなどで接続すれば、2倍に近いエア吐出量を得ることができます。

そもそも、口を閉じてしまうと、そこにつながるポンプに強い負荷がかかります。

行き場のない空気がポンプの中で溜まってしまうからです。

このエアポンプ本体そのものがスペアパーツとして販売されています。今回はスペアパーツを使わずに修理しますが、この商品写真を見ると、更に構造が分かりやすいと思います。

更に内部構造を探る

更に内部構造を見ていきます。

エアポンプ本体が、中央の固定ビス1本で固定されています。

固定ビスを外すとエアポンプ本体が外れました。

基本的にこのエアポンプは消耗品とされ、補修部品が販売されています。着脱も容易にできるように設計されています。

これがエアポンプ本体です。

メーカーが販売する市販のスペアパーツで修理する場合にはこれを交換します。

更に側面を見るとボルトがあります。

これが電磁石により振動する鉄板とエアを生み出すポンプ部を接続しています。

取り外します。

黒いポンプ部は嵌め込まれているだけなので、ぐいっと力を込めると外れます。

外れました。ただのカップ状のゴムです。

よくある故障は、このゴムに亀裂が入ってエアが漏れてしまう故障です。

電源を入れても「ブーン」と音がなるのに空気が出ない/弱弱しいという場合には十中八九この亀裂が原因です。

参考までに更に分解します。

ゴムのカップを動かして生まれたエアを、吐出口まで導く経路です。GEX e-AIR 6000WBは吐出口が2個あるエアポンプなので、黒いゴムで左右に隔たれています。

これが実際のエアの流れです。

このベロのような部品は、簡易な逆止弁のようなものです。

ぺろりとめくりあげると穴が開いています。

裏返すと、両面にそれぞれこの逆止弁があることがわかります。一方は、外から空気を吸い、もう一方はエアを吐き出して吐出口から吐き出します。外から空気を吸う穴にはフィルターがあります。汚れています。

普通、空気のフィルターって、エアポンプの筐体底面などにこういう風にありますよね?つまり内部フィルターと外部フィルターの2重構造というわけです。

出来れば分解に合わせて内部のフィルターを交換する方が良いのですが、こちらはパーツが出ていない場合がほとんどなので、上下逆さにするなどしておくと良いでしょう。

エアポンプを修理する

さて、ここまでエアポンプの構造を説明しました。

その中で、故障の大半はポンプ本体のゴムの亀裂だと説明しました。

▼これがゴムに亀裂ができた実例です。

エアポンプの故障の原因

こうした亀裂の原因はいくつか考えられますが、使い方で予防することもできます。

  • 経年劣化
  • エアポンプの吐出口を塞ぐ
  • エアストーンの詰まりなどでエアの吐出が阻害される

よほど長く使わない限り経年劣化による亀裂は少なく、ほとんどのケースはエアの吐出が阻害されたり、吐出口をふさいだことによる亀裂です。

エアストーンを定期的に交換したり、吐出口を塞がないように注意しましょう。

修理方法

修理方法を解説しますが、非常に単純です。

接着剤を使用して亀裂を接着すればOKです。

なお、ここは常にぐにぐにと高速に動き続ける場所です。

接着剤は必ず硬化後も柔軟性を保つ「弾性接着剤」を使用しましょう。

亀裂面だけでなく、周囲も亀裂跡を覆うように接着剤を塗ってやると良いでしょう。

修理自体はとっても簡単です。

亀裂を接着剤でくっつけて塞ぐだけ。

くれぐれも十分に接着剤が硬化してから組み立てなおすようにしましょう。

なお、亀裂が大きくない場合には普通のカチカチに硬化する接着剤でも問題ないです。

ただし、今回検証したGEX e-AIR 6000WBのスペアパーツ(本体一式)が500円ちょいであることを考えると、素直にスペアパーツを買っても良いのかなとも思います。

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