最近のBMWはバッテリーを交換した際に登録(Battery Registration)が必要です。
この作業は何のためあって、この作業をしないとどんな弊害が生じるのでしょうか?
なぜバッテリー登録が必要なのか
バッテリーの登録作業が必要な最近のBMWは「充電制御」を行っています。
その名の通り、バッテリーの状況に応じて充電する量を制御しています。
基本的な考え方はスマートフォンなどでも見かける技術である「急速充電」と同じことです。
最近の車にはアイドリングストップ機構を始めとしてバッテリーをたくさん消費する機構が多く備わっています。
そのため、従来のバッテリー充電速度では充電が追い付かず、バッテリーが上がってしまうのです。
そこで車のバッテリーにも「急速充電」の考え方が取り入れられるようになりました。
しかし、単に「急速充電」をするだけではいけません。
なぜなら満タンになったバッテリーに「急速充電」をしても意味がないどころか無駄になった電力が熱に変わって過熱してしまいます。
そこで、バッテリーが満タンに近づいたら充電スピードを落とし、逆にバッテリーが空に近づいたら充電スピードを上げる制御をECUで行っています。
バッテリーを新品に交換した場合、ECUは古いバッテリーの充電量を認識したままなのに、実際には満タンに充電された容量も違う可能性がある新しいバッテリーに置き換えられてしまうわけです。
つまり、ECUの制御と実際のバッテリー容量に齟齬が生じてしまいます。
この齟齬を解消するためにバッテリーの登録作業が必要になります。
バッテリーを登録しない弊害
バッテリーを登録しない場合には、ECUの充電制御とバッテリーの実残量に差が生じます。
つまり、満充電しているにもかかわらず急速充電してしまったり、バッテリーが空に近いのに充電が始まらなかったりする可能性があるわけです。
いずれの場合でもバッテリーの寿命を著しく縮めることになります。
充電制御車に充電制御非対応のバッテリーを搭載するのと同じような弊害が生じるわけです。
バッテリー登録を怠ったところで車が故障する可能性は極めて低いです。
しかし、バッテリー寿命を確実に縮め、無駄な維持コストがかかってしまいます。
多少の出費があったとしても、バッテリー登録はしておくことをオススメします。
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