1Lを超える大容量濾過槽を持ちつつも、スリムな形状が特徴のGEX スリムフィルターLを改造して、ろ材を詰めて生物濾過能力を高めてみます。
GEX スリムフィルターLについて
GEX スリムフィルターLは、その名の通りスリムな外掛けフィルターです。
見た目が悪いのが当たり前の外掛けフィルターのなかで、群を抜いて見た目が良いと感じています。
詳しくはこちらでレビューしています → レビュー:「GEX スリムフィルターL」をサブフィルターとして導入しました。
定番の騒音問題への対処はこちら → GEX スリムフィルターLの初期不良?騒音について
サイズはS・M・Lの三種類で、GEX純正のカートリッジ式フィルター「スリムマット」を使用します。
このスリムマットは、活性炭タイプやバクテリアタイプなどがありますが、基本的には2週間程度での交換が推奨されており、生物濾過の観点ではお世辞にも良いとは言えません。
また、多くの外掛けフィルターに見られるように、そのままろ材を入れると水の流れにムラができます。
しっかりとろ材全体を水が通過することなく、ろ材がただ浸かっているだけの場所や、やたらゴミが溜まる場所などが出来てしまいます。
ろ材を詰めるのであれば、改造が必要です。
▼未改造でろ材を詰めていた頃は、汚れがかなり偏って詰まっていました。
未改造でろ材を詰めていた頃 → 「GEX スリムフィルターL」のメンテナンスと改造計画
外掛けフィルターにしては良い見た目と、Lサイズであれば1リットルを超える濾過槽容量は魅力的です。
GEXの底面フィルターとも簡単に連結できます。
改造
早速改造します。
ネットで「GEX スリムフィルター 改造」などと検索するとたくさんの検索結果や前例を確認できます。
手法としては大きく分けて以下の2通りです。
- 濾過槽に仕切り板を入れる
- 濾過槽底面から均等に給水する
1番の仕切り板を入れる方法は、外掛けフィルターの改造では定番です。
箱型の濾過槽内に仕切り板を追加することで、ろ材を詰めやすくしながら、水流をコントロールします。
イメージとしては下図のようになります。
青い仕切り板を入れることで、水の流れを制御します。
この方法の欠点は、正確かつ強固に仕切り板を設置することが難しいことと、
メンテナンスが面倒くさいという点です。
2番の底面から給水する方法は、スリムフィルターの独特の細長い形状だからこそできる方法です。
シャワーパイプのようなものを濾過槽底面に設置し、水槽から吸い上げた水を、濾過槽の底面から吹き上げます。
イメージは下図です。
ろ材は空いたスペースにただ詰めれば良いわけですから、非常に簡単です。
1番は意外と面倒な上、必ず見た目が悪くなります。そこで、2番の方法を試すことにしました。以下のようなイメージです。
- 吸水パイプにホースを接続する
- ホースを濾過槽底面に這わせる
- ホースに上向きの穴を空けて排水する
材料
きちんとしたシャワーパイプや塩ビパイプなどで工作しても良いのですが、誰もが手持ちの道具でできる方法を思いついたので、その方法を実践してみます。
小奇麗に作りたい方はアクリルパイプや塩ビパイプなどを購入し、穴を空けて使用すると良いでしょう。
今回の材料は内径10mmのホース1本です。
50cmもあれば十分で、ホームセンターで数十円で購入できるはずです。
ホースは内径10mm、外形12mmのビニールホースで、50cmで50円でした。
改造作業
まずは、GEX スリムフィルターLの給水パイプとホースを接続します。購入した内径10mm外形12mmのホースがやや緩いもののぴったりで、特に加工は不要で取り付け可能です。不安であれば軽くバスコークを塗って接着しても良いですが、そのままでも実用上問題ありません。
ホースは吸水パイプを取り付けた状態で、濾過槽の底面を這わせられる長さにカットします。なお、直角に折れ曲がる部分はホースをそのまま折り曲げてもOKです。
このようなL字ジョイントを使ってもかまいませんが、ホースを折り曲げても問題ありませんでした。
また、GEX スリムフィルターLの底面は狭いため、ジョイントを入れると窮屈になってしまいます。
GEX コーナーパワーフィルターなどに付属する小さなジョイントを使うと綺麗に曲げることができます。ただ、繰り返しになりますがそのままホースを折り曲げても支障はないのでわざわざ買うほどではありません。
続いてホースの先端を閉じます。
方法はなんでも構いませんが、このように水槽用のピンセットで口を閉じて、ライターで炙ると綺麗に閉じることができます。
こんな風に閉じることができました。
そして、濾過槽底面から上方向に水が噴き出すように穴を開けます。
ドリルを使った方が良いのですが、なにせ引っ越し前で道具がないのでハサミで穴を開けました。
これを濾過槽に設置します。
この後、試しに水を流しましたがきちんと吸水した水がホースを通ってそれぞれの穴から出てくれます。
バッチリです。材料費50円。
とっても雑な工作に見えますが、これが面白いほど機能するんです。
番外編:仕切り板を作る
今回は、仕切り板を使う必要はありませんでしたが、材料を買ってしまったので、試しに仕切り板を作ってみました。
寸法は、幅63mm高さ140mmです。
スリムマットの設置場所に差し込んで設置しますが、水を出来るだけ漏れ出さないように反らせて差し込みます。63mmだとかなりきつくなりますから、あとは微調整して現物あわせが必要です。
こんな感じで反った状態で収まります。
底面に凸部がありますが、このように反らせることで、凸部を避けることができます。
ただし、この方法では濾過槽が狭くなるため入れられるろ材も限られ、メンテナンスも面倒くさいです。
やはり底面から給水する方式がベストだと思います。