GeForce RTXと迎える初めての夏。想像以上の発熱に四苦八苦して、こんな記事や、こんな記事であれこれと対策をしてきました。出来ることはやりきった感はありますが、それでも発熱が激しくゲームなど負荷のかかる処理をすると80度を超えてしまいます。なによりファンがうるさい!
私の使う「MSI GeForce RTX2060 AERO ITX 6GB OC」はOCというキーワードが示す通りオーバークロックモデルです。これまでの対策で、MSI Afterburnerというツールを使用してGPU温度をモニタリングしたり、ファンの速度を調整しました。
今回はこのツールを使用してダウンクロックと消費電力の制限を行うことにします。
ダウンクロックと消費電力制限でもパフォーマンスへの影響は軽微
これまでダウンクロックや消費電力制限を積極的に行わなかった理由は、単純にパフォーマンス低下の心配があったためです。元よりパフォーマンスに余裕のないRTX2060を使用していますから、更にそこからダウンクロックと消費電力制限を行えば、パフォーマンスが十全に発揮できなくなるだろうと考えていたのです。
しかし、夏の暑さも本格化した今。もちろんエアコンは使いますが、やっぱり温度の高さとそれに付随するファンの音が気になります。
そこで、改めてダウンクロックや消費電力制限について調べたところ意外な事実が判明しました。
プレイするゲームや使用するソフトウェアにもよりますが、ダウンクロックや消費電力をしてもパフォーマンス低下は軽微であることが多いそうです。例えば電力を80%に制限したとしても、パフォーマンスまで80%になるわけではありません。ほぼ変わらないか、数%の低下に収まるケースが多いようです。
なぜならゲームやソフトウェア使用においてGPUのパフォーマンスをフル活用するケースはほとんど存在しないからです。例外はGPUを意図的にフル活用しようとするベンチマークソフトくらいのものです。そのため多くのゲームやソフトウェアにおいては、極端にダウンクロックしたり消費電力制限をかけない限りは体感できる影響はほとんどないのです。
そこで、早速試してみることにしました。
MSI Afterburnerでダウンクロックと電力制限
Afterburnerを使ったダウンクロックと電力制限はとっても簡単です。
ダウンクロックは「CORE CLOCK」の項目を下げます。
私は少しずつ下げて試した結果、-200MHzに落ち着きました。最大限下げてもパフォーマンスへの影響は感じませんでしたが、標準のブーストクロックの1680MHzに近くてキリの良い-200MHzとしました。

同様に「POWER LIMIT」の項目を下げることで電力を制限することができます。
私は最も低い78%まで電力を制限しています。こちらもパフォーマンスへの影響は全く感じませんでした。なお、変更後はフロッピーディスクマークの保存ボタンだけでなく、その右にあるチェックマーク(適用ボタン)を押下して設定を反映させる必要があります。

スクリーンショット上では65度という値を示しています。
これは4Kモニターを2枚接続し、片方の画面でゲーム(ロストアーク・4K)をプレイしつつ、もう片方の画面でGoogle Chromeを起動してYoutubeで動画を見たりあれこれしている時の値です。これまで、ゲームを起動しているだけで75度以上をキープしていたものが、容易に70度を下回るようになりました。
更にファンの回転数も80%(静かではないけどうるさくないギリギリライン)に抑えることに成功しています。これまではファンが100%回転することも間々ある状況でしたから、劇的な改善と言えます。
GPU温度に悩むならクロック数と電力制限
これまでいくつかのお金のかかる対策をしてきましたが、結果的にお金のかからないMSI Afterburnerを使ったダウンクロックと電力制限が最も効果的と言う結果がでました。
MSI AfterburnerはMSI社以外のグラフィックボードにも使用できます。もちろんこれまでの対策も全くの無駄ではありませんから、気になる方は試してみてください。
【GPU冷却強化】グラフィックボードの温度を下げるための4つの対策 – ドリリウム
しかし、限界ギリギリのパフォーマンスを求めない方にとってはこのダウンクロックと電力制限という2つの対策が温度対策の最有力候補となりそうです。