クレマチスの育て方 夏にやることまとめ | 6月~8月の作業

栽培

クレマチスは人気の園芸植物でフェンスや支柱につるを伸ばしながら成長し美しい花を咲かせます。つる性であることを利用して様々なスタイルのお庭にマッチさせやすく、花や葉の付け方まで異なる様々な品種がある点が大きな魅力です。また病害虫や寒さにも強く手入れを怠っても早々枯れてしまうことはありません。

そんなクレマチスも適切に手入れすることでたくさんの美しい花をつけてくれます。本記事では特に暖かくなってきた「夏」のあいだに必要な手入れについて解説します。

夏はクレマチスにとってちょっと暑すぎる要注意シーズン

春~秋といえば多くの植物にとっては急成長のシーズンです。クレマチスも同様に夏のあいだもよく成長し花を咲かせますが 高温多湿を少し苦手とする 点に注意が必要です。

高温対策や多湿対策が必要になると同時に、多湿による病害虫の発生にも気を付けなければなりません。また暖かいからよく成長するだろうと春と同じペースで肥料を与えると肥料過多に陥り生育が悪化する可能性があります。植物は寒すぎても成長を止めますが暑すぎても成長が遅くなります。そのため肥料も控えめにして暑さのピークが過ぎるのを待つ必要があります。

肥料と水やり

春に続いて重要な肥料と水やりですが30度を超えるような真夏日が出始めたら肥料の量を減らします。春のあいだはハイポネックスなどの液体肥料であれば500倍に薄めたものを週に1回与えていましたが、肥料を与える周期を週1回から隔週に変更しましょう。特に暑さの厳しい時期は3週間に1回程度でも構いません。

専用の固形肥料の場合には特に暑い月は肥料を与えません。専用肥料であればこうした施肥のタイミングもパッケージに詳しく記載されているので施肥を簡単にしたい場合にはおすすめです。

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水やりは水を絶やさないことに注意しますが、特に梅雨の時期など雨が多くなると土の中に水分量が多すぎる過湿状態になることがあります。このため雨が多い時期や強い雨が降る際には鉢植えの場合、軒下に移動するなど「雨よけ」の対策が望ましいです。地植えの場合には対処不要ですが、土の水はけが悪い場合にはすだれを苗の上に屋根のように広げて雨を防ぐのも1つの対策ですが、見栄えが悪いうえクレマチスの周辺にそこまでスペースがない場合も多いと思いますのでやはり対処は不要です。

鉢植え・地植えのいずれも土の乾燥状態を確認して水やりをしてください。特に雨が多い時期は土が乾いていないのに水やりをして水分過多になってしまうことがあるので注意が必要です。逆に雨が少ない時期や真夏日の晴天時には朝・夕の2度水やりが必要になることもあります。いずれの場合でも日中の日差しが強い時間帯に水やりをするのは避けてください。

高温対策

真夏日が続くような特に暑い時期には高温対策が必要です。

クレマチスは多少の暑さにやられても枯れてしまうことはないのですが、株が弱って次の春まであまり花をつけてくれなくなることがあります。高温対策は大きく分けて2通りあり、枝葉を強い日射から守る地上部の対策と、根を高温から守る土中の対策があります。

地上部の対策

クレマチスは高温に弱いといっても強い夏の太陽光で弱ることはほとんどありません。しかし、クレマチスの栽培場所が白い壁や打ちっぱなしのコンクリート壁の前など太陽光だけでなく反射光も強烈に浴びる場合には対策をした方がクレマチスを弱らせる心配がなくなります。特に白い壁やコンクリートに囲まれたベランダなどは注意が必要です。

クレマチスの上方にすだれなどを掛けて屋根のようにしてやることで日を適度に遮って強い日射や高温を防ぐことができます。すだれなどを掛ける場所がない場合にはクレマチス自体に寒冷紗を被せたり巻き付ける対策も有効ですが、せっかくのクレマチスを覆い隠すことになるため景観は悪くなってしまいます。ベランダであればサンシェードなどでベランダ全体の日よけをする方法も有効です。

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土中の対策

クレマチスの高温対策と言えばこちらの根を高温から守る対策を指すことが多いです。

土中の対策はシンプルで「マルチング」を施すことで株本を高温からまもります。既にクレマチスの株本が背の低い草花で覆われていたり、ウッドチップや砂利で覆ってしまっている場合には追加の対策は不要です。

もし土がむき出しの状態であれば、ウッドチップや砂利で覆うことでおしゃれに仕上げつつ高温対策や雑草対策をあわせて行うことができます。とりあえず安価に済ませたい場合には腐葉土やバーク堆肥などを敷いておくと良いでしょう。

多湿対策

日本の夏といえば高温多湿。そのなかでも多くの草花にとって厄介なのが多湿です。

多湿環境では水分過多で成長が阻害されたり病害虫の発生の原因になります。水分過多は先ほど説明したように水やりを加減することで対処しますが、多湿による病害虫に関しては農薬に頼る必要があります。

発生しやすいのはアカダニやコナジラミ、ナメクジ、ヨトウムシなど園芸では定番となるような害虫類やうどんこ病や灰色カビ病などこれまた定番の病気にかかることがあります。クレマチス特有の弱点のようなものはないので、一般的な草花用の殺虫殺菌剤を使うと良いでしょう。

クレマチスが被害を受けるような病害虫はこうしたよく見かける殺虫殺菌スプレーを使えばほとんど対処可能ですが、唯一ナメクジだけは対処できません。ナメクジ自体は葉を食べるくらいで大量発生でもしない限りは大きな被害がでることはないのですが、もし被害が出た場合には専用の薬剤が必要になります。ナメクジに直接使用するタイプや予防薬タイプなどいくつか種類がありますが、食用の野菜や果物にも使用できて効果も確かなこちらがおすすめです。

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花がら摘みと剪定

春から引き続き花が咲き終えてしおれてきたら花がらを摘みます。

開花が一段落したら剪定を行います。剪定は品種によって様々ですが購入時のラベルに「強剪定」あるいは「弱剪定」の記載があります。どちらの剪定方法でもよく育つタイプも存在します。強剪定の場合は、花をつけた枝の根元を2節か3節くらい残して剪定します。弱剪定の場合には花の2節か3節前くらいを選定します。

この剪定はどのタイミングで行うか悩ましいと思いますが、弱剪定であれば花が終わって花がらを摘んだらその場で弱剪定してしまって構いません。同じタイミングですべての剪定を終える必要はないからです。強剪定の場合も、1本の枝に付く花が減ってきたと感じたタイミングで大丈夫です。

剪定後は切断した個所から勢いの良い枝が伸びてまた花をつけてくれます。また花をつけるまで少し空白期間ができるため、あえて剪定するタイミングをずらすことで花を絶やさずに咲かせ続けることもできます。剪定を多少失敗したところで枯らしてしまう心配はないので試行錯誤してみるのがクレマチス栽培の醍醐味かもしれません。

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