【園芸】殺虫剤・殺菌剤の使用回数制限対策には「ローテーション」がおすすめ!

ガーデニング

家庭菜園の野菜やガーデニングの草花につく害虫にお悩みではありませんか?

既に農薬をお使いの方も、「使用回数制限にすぐに達してしまう」「あまり効き目がない」と困っていませんか?

家庭菜園やガーデニングで厄介な害虫対策をするには農薬の使用が欠かせません。

「農薬」と言うと忌避感を抱く方も居られるかもしれませんが、天然由来の成分で出来た薬剤や有機農産物として認められる薬剤も一括りに「農薬」と表現しています。

そんな害虫対策に有効な農薬の活用方法を紹介します。

農薬は複数種類をローテーションして使う

一般家庭でよく使われる農薬には大きく分けて2つの種類が存在します。

1つがそのまま使えるスプレータイプの薬剤。もう1つが水で薄めて使う乳剤や粉末タイプの薬剤です。

そのまま使えるスプレータイプは園芸コーナーで誰もが見たことがあるであろうベニカなどが有名です。

水で薄めて使うタイプとしては、同名のベニカの水溶剤が販売されています。

スプレータイプは手軽さが魅力ですが、コストパフォーマンスが悪くたくさんの成分を含んでいるため使用回数制限が厳しいです。コストパフォーマンスの面でも使用回数制限の面でも、極めて小規模な園芸環境(※)を除いて適していません。※ベランダ栽培など、プランターが数個程度なら適している

一方で、薄めて使うタイプは噴霧器や水に溶く手間がかかるものの、コストパフォーマンスに優れ、ローテーションすることで害虫への高い効果と使用回数制限を超えた頻繁な薬剤散布が可能になります。

害虫への高い効果

害虫のなかには、特定の成分への耐性が高く効果が薄い害虫が存在します。

そうした害虫に幅広く対応するために、違う成分の薬剤を散布するローテーションが有効です。

今月はスミチオン、来月はモスピラン、再来月はベニカのように違う薬剤を順々に使うことで、幅広い害虫に高い効果を発揮することができます。

使用回数制限を超えた頻繁な薬剤散布

薬剤には必ず使用回数制限があります。

これは生産・販売する農家の方に向けた制限であり、自身で消費するだけの家庭菜園であれば超えてもすぐに健康に被害がでることはまずありません。

とはいえ、あまり回数制限を超えて農薬を使用したくないものです。

その一方で害虫は次から次へと現れて、作物を食い荒らしたり病気のもとになったりします。

そんな時に有効なのがローテーションです。

農薬の使用回数制限は、その農薬の成分に対する使用回数制限です。

例えば「ベニカ」の有効成分は「クロチアニジン」です。

ベニカ」の説明を見ると、トマトに対して3回まで使用可能と記載されています。

これは「クロチアニジン」を有効成分とする農薬の使用回数制限です。

つまり、「クロチアニジン」以外を有効成分とする農薬であれば、この使用回数制限は関係ないということになります。

例えば「フェニトロチオン」を有効成分とする「スミチオン」という農薬は、トマトに対して2回まで使用することができます。

「ベニカ」で3回、「スミチオン」で2回の合計5回まで薬剤を散布することができるわけです。

更に「アセタミプリド」を有効成分とする「モスピラン」という農薬は、トマトに対して3回まで使用することができます。

先ほどの2種類の農薬とあわせて、合計8回も散布できます。

これだけ散布できれば十分ですね。

スプレータイプはローテーションが難しい

手軽で便利なスプレータイプの農薬。

コストパフォーマンスが悪いと言っても、やっぱりスプレータイプが便利で良い!という方は多いと思います。

しかし、スプレータイプの農薬でローテーションをするためには厄介な問題があるのです。

例えば2つの農薬を例にとって説明します。

「ベニカXファインスプレー」にはクロチアニジン・フェンプロパトリン・メパニピリムという3種類の成分が含まれています。

「GFモストップジンRスプレー」にはアセタミプリド・フェンプロパトリン・チオファネートメチルが含まれています。

フェンプロパトリンが重複しています!

これでは、この2つの農薬でローテーションすることができません。

スプレータイプの農薬には、基本的に複数種類の有効成分が含まれています。

高いスプレーになればなるほど有効成分は多くなる傾向があり、例えば「ベニカXネクストスプレー」に至っては5種類の異なる有効成分で構成されています。

薄めて使うタイプのスタンダードな農薬は、基本的に1種類の有効成分しか含まれていません。

だからローテーションも比較的簡単に行うことができます。

それがスプレータイプでは最初から複数の薬剤がすべて混ぜ合わせてあるので、ローテーションする場合には成分がひとつも重複しないものを探し出さないといけないのです。

噴霧器を手に入れて一歩先の園芸を始めよう

スプレータイプを否定するような内容になってきましたが、決してスプレータイプが悪いというつもりはありません。

しかし、極めて小規模の園芸環境を除いてコストパフォーマンスが悪いです。

コストパフォーマンスが悪いということは、容器やパッケージの消費も激しく環境にも悪いということです。

また、状況に応じた薬剤の使い分けが出来るという点においても、スプレータイプではないスタンダードな農薬に軍配があがります。

なんとなく敷居の高いイメージがあるかもしれませんが、噴霧器をゲットして是非より効果的な農薬の使用を始めてみましょう。

噴霧器は1000円程度でホームセンターや通販で手に入れることができます。

選び方のポイントは「蓄圧式」で「ロングノズル付き」の商品を選ぶということです。

「蓄圧式」は、最初に何度かポンピングをすることで容器内に圧を蓄え、後はボタンを押せば噴霧することができます。

スプレータイプは指が疲れますし、電池式は湿度に弱く扱いが面倒くさいです。

「ロングノズル付き」は、葉の表面・裏面に散布する時に楽なだけでなく、茂った植物の内側などに散布する時に手に農薬が付く心配がなくなります。

ロングノズルがあるだけで散布が非常に楽になるので絶対にあった方が良いでしょう。

噴霧器の容量は一般的なお庭であれば2Lで十分です。

小規模なお庭なら1L、大きなお庭では4L以上の肩掛けタイプが必要になります。

手持ちで使用する時に2Lでは少し重さを感じるため、あえて1Lタイプを選んでも良いでしょう。

ローテーションする薬剤の例

ローテーションする薬剤の選び方は、有効成分が重複しなければ良いので適応する植物の種類や効果で選択すると良いでしょう。

我が家はレイズドベッドを使って野菜全般を栽培しています。

イチゴは毎年必ず育てていますが、それ以外はその時の気分で根菜類から葉野菜まで幅広いです。

また、果樹(柑橘類)を植えているのと、花壇には草花もあります。

そんな私が選んだ薬剤は以下の通りです。

殺虫剤

  • ベニカ水溶剤
  • スミチオン乳剤
  • モスピラン液剤

殺菌剤

  • GFベンレート水和剤
  • サンケイオーソサイド水和剤80

いずれも幅広い病害虫に効果を示し、なおかつ適応する植物も多い薬剤です。

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