【DIY】分岐水栓の取り付け手順と固着したカバーナットの外し方

DIY

食器洗い乾燥機などを取り付けるために水道を分岐するには「分岐水栓」の取り付けが必要です。分岐水栓の取り付けをDIYで行う場合には、「カバーナットの固着」が難関として立ちはだかります。

この記事では、DIYによる分岐水栓の取り付け手順に加えて、カバーナットが固着していた場合の外し方も解説します。

水栓の確認と分岐水栓の選定

今回例として使用する水栓はINAX SF-C420SXです。

よく見かけるタイプのシングルレバー式の水栓です。ネットではカバーナットが固着して苦戦されている方の情報が散見されます。なお、このモデル以外の水栓であっても手順はほぼ同じです。

分岐水栓はパナソニック CB-SXH7を使用します。分岐水栓の型番の調べ方はこちらの記事を参考にしてみてください。

水栓交換に必要な道具

分岐水栓を取り付けるために必要な道具を紹介します。

レンチ

まず始めに、必ずレンチが必要になります。

水栓は大きな「カバーナット」あるいは「固定ナット」と呼ばれるナットで固定されています。このナットの直径が40mm前後(水栓によって異なる)ありますから、モンキーレンチであれば40mm以上の口が開く必要があります。ホームセンターなどで市販されているモンキーレンチは大きくても36mmくらいの口開きですが、これでは足りませんので購入前に注意して確認する必要があります。

通販であれば口開きの大きなモンキーレンチも見つかります。例えば安価なものだと以下のような商品があります。

このレンチであれば46mmまで口が開きますから水栓交換に利用できます。

モンキーレンチより安価な選択肢としてモーターレンチと呼ばれるレンチもあります。 

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見ての通りモンキーレンチとは異なる形状をしています。モンキーレンチのように口の開き幅を調整できますが一般的にモンキーレンチより大きく口が開きます。こちらの商品で60mmのナットまで対応できます。

価格もモンキーレンチよりお手頃なので特段のこだわりがなければモーターレンチの使用をおすすめします。レンチの代わりに大きなプライヤーを使うという手もありますが、もし固着していた場合には力不足です。また、価格もモンキーレンチやモーターレンチより高額なことが多いためここでは省略します。

ドライバー

一般的なプラスドライバーとマイナスドライバーがあればOKです。

水栓ドライバー

水栓ドライバーは、分岐水栓の交換前に止水栓を締める時に使う道具です。マイナスドライバーや10円玉なんかで代替できますがここも固着の可能性があります。万が一固着していた場合にはマイナスドライバーや10円玉ではうまく力がかからず止水栓が締めることができません。

ただし、止水栓にはいくつか種類が存在します。水栓ドライバー不要で手で開閉できるタイプも存在しますから、まずは交換手順を参考に止水栓の形状や開閉可能かどうかを確認してみてください。

カバーナットが固着していた場合に必要な道具

続いてカバーナットが固着している場合に必要な道具を紹介します。固着していない場合には必要ありません。なお、似たような道具を持っていれば代用可能です。

クランプ

100mm程度の口の大きさがあるCクランプがあると良いです。

使い方は後述しますが、形状によってはうまく機能しない場合があります。

分岐水栓の取り付け手順

分岐水栓の取り付け手順を解説します。カバーナットの固着対策だけが知りたい方は、手順2.5までお進みください。

手順1:止水栓を閉める

「止水栓」とはその名の通り水の元栓です。止水栓を閉めることでガスの元栓を閉めるように蛇口から水が出なくなります。この工程は各家の環境によって作業手順が異なります。一般的なの方法としては戸建て・マンション共通して屋外にある止水栓を閉めることです。

屋外にある止水栓を閉めると、基本的に家のすべての水が止まります。

一方で、手軽な方法はキッチンのシンク下にある止水栓を閉める方法です。システムキッチンの下の収納スペース(水道の真下)にこのような水が通るパイプと止水栓が確認できるはずです。

▼ここにお湯と水の2つの止水栓があります。

金属の2本のパイプはそれぞれお湯と水を供給するパイプです。グレーの塩ビパイプは排水を流すパイプです。お湯は給湯器、水は水道管から供給されます。

拡大するとこうなっています。

赤がお湯で、青が水ですね。

ここは先ほど紹介したマイナスドライバーや10円玉、水栓ドライバーで開閉することができます。ネジと同じで右回し(時計回り)に回すと閉めることができます。右回し(時計回り)に回らなくなるまで回すと、水が止まります。逆に左回りで徐々に水が出始めます。

止水栓を閉めたら蛇口をひねってみて水・お湯が出ないことを確認しましょう。

お湯側の止水栓が固着している場合

お湯側は給湯器から温められたお湯が供給されています。つまり、シンク下の止水栓が閉められなかった場合でも給湯器の止水栓を閉めてやることで同じ効果が得られるわけです。

給湯器はベランダや玄関の外の壁に取り付けられていることが多いです。一戸建ての場合はお風呂場付近の外壁に取り付けられていることが多いです。給湯器のカバーをあけて栓を閉めることでお湯側の供給を止めることができます。

手順2:水栓の取り外し

水が止まったことを確認したら水栓を分解していきます。

まずはレバーを外します。レバーを固定するネジはレバー根本にあります。ネジはキャップで隠されているので、キャップをマイナスドライバーなどでこじって外します。

▼レバーの根本にキャップがあります。

▼キャップをあけると、プラスねじが確認できます。

プラスねじを外すとレバーが外れます。

そして、こちらが固着しがちなカバーナットあるいは固定ナットと呼ばれるものです。

丸い部品ですが工具をかけるために2カ所切り欠きがあります。写真だと丸いカバーの手前と奥側に切り欠きがありますので、ここにレンチをかけて回してやります。

今回取り外すINAX SF-C420SXのカバーナットのサイズは38mmです。

これを冒頭で紹介したモーターレンチで回そうとしますが、案の定動きません。完全に固着しており水栓本体がまわってしまいます。水栓本体が動くと接続されている水のホースに負担がかかって損傷させてしまう可能性があります。水栓本体を回らないように手でつかみ、レンチでカバーナットを頑張って回そうとしますがうまくいきません。

通常、カバーナットは手で回せる程度の力で締め付けてあります。つまり、手で回せなければ固着と考えて良いでしょう。DIYに不安があれば、その時点で業者に依頼するのが良いでしょう。

もし業者に依頼する場合には、大手の見積無料を謳う会社に依頼しましょう。注意点や相場をこのブログの末尾で紹介しますので、参考にしてみてください。

手順2.5:固着したカバーナットの取り外し(自己責任)

固着したカバーナットが外れない原因は、カバーナットと一緒に水栓本体が回ってしまい、うまく力をかけられないためです。解決策は非常にシンプルで、水栓本体を固定し、しっかりと力をかけてカバーナットを緩めれば良いわけです。

ここで必要になってくるのが冒頭で紹介したクランプです。100mm程度のC型クランプが望ましいです。DIY好きなら持っていると思います。買っても数百円です。

まずはじめに、このクランプで水栓本体を挟み込んでガッチリ保持します。

  • そのままクランプを使用すると水栓に傷がつきます。
  • 水栓はメッキ加工が施してあり、滑りやすいです。

以上2点の理由から、滑りにくいゴム系のものをクランプと水栓の間に挟み込んで使うと良いでしょう。滑り止め付きの手袋やゴム手袋など、手持ちの柔らかく薄いゴム製品を探してみてください。

▼ここではゴムの滑り止め付き手袋を挟みました。

このようにクランプで保持すると、クランプが水栓の後ろは壁に引っかかり水栓本体が回らなくなるわけです。壁に強くクランプが食い込むと壁を傷つける可能性があるので、壁とクランプの接触面にもゴムやクッションになるものを挟むと良いです。アイランドタイプや対面タイプのキッチンでは、クランプが壁に引っかかりませんがクランプを手でしっかり持つことで水栓本体が回ってしまうのを防ぐことができます。

クランプを使用する場合は、あまり強く締め付けてしまうと水栓本体を破損させる恐れがあります。クランプの締めこむ力は非常に強いため少しずつ締めこんでカバーナットを外してみてください。クランプが滑る場合にはクランプを更に強く締めこまずに滑り止めに使うゴム手袋などを工夫してみてください。

ここまでくれば、あとはカバーナットを全力で緩めればいいわけです。

なお、一度動いてしまえば後は手でするすると回ります。

▼なんとか外れました。

最後にカートリッジと呼ばれる部品を取り外します。これは特に力を入れずともスポッと外れます。

手順3:分岐水栓の取り付け

もうここまでくれば、難しいことは何もありません。

分岐水栓にある説明書を読みながら分岐水栓を取り付けます。取り付けるには向きがありますが元の水栓と分岐水栓の凹凸が噛み合うようになっており間違えることはありません。締め付けは手で締めるだけで十分ですが、カバーナットは一応レンチで軽く締めておきます。

このような形で完成です。

業者に依頼する場合の注意点

最後に、どうしても外せない場合やDIYに自信がない場合の業者への依頼時の注意点を紹介します。水道工事では時折 ぼったくり が話題になります。そのため、水道工事の業者を警戒している方も居られるでしょう。現実には悪質な業者はごく一部ですが、そのごく一部に当たらないための方法を紹介します。

良い業者の見つけ方その1:購入店に相談する

最も簡単な方法は、食器洗い乾燥機を購入した購入店に相談する方法です。

新品で買った場合はもちろん、購入から時間が経ってからの引っ越し時であっても依頼を受けてくれるケースがあります。特に購入店が大手の家電用品店であれば心配はいりません。水道工事業者にとって、大手家電用品店は貴重な取引先です。ぼったくりに合うケースはまずないでしょう。

良い業者の見つけ方その2:管理会社に相談する

もしあなたが賃貸物件に住んでいるのであれば、管理会社に相談して業者を紹介あるいは仲介してもらうことができます。

賃貸物件の管理会社には必ず提携している水道工事業者がいます。なぜなら、賃貸物件で水道の水漏れなどがあった場合には協力業者に修理を依頼するからです。特に管理会社が大手の不動産会社であれば心配はいりません。

良い業者の見つけ方その3:事前見積もりが可能な業者に依頼する

本来であれば、上記2つの方法のいずれかで対応したいところです。

しかし、インターネット通販で食器洗い乾燥機を購入して、購入店が対応してくれない場合や、戸建てに住んでいる場合など、どうしても対応できない場合があります。

その場合には、直接水道工事業者に依頼する必要があります。

基本的にぼったくりに合うケースは少ないわけですが、最低限の条件として見積無料を謳う業者へ依頼してください。基本的に大手の聞き覚えがあるような水道工事業者であっても、実態としては下請けである地域の水道屋さんが派遣されてきます。

業者に依頼した場合の現実的な費用と作業内容

最後に、業者に依頼した場合の作業費用の例を紹介します。

水栓の取り外しと分岐水栓の取り付けは、慣れた業者であれば10分程度で終えられる内容です。また、固着していた場合には、止水栓から上の水栓ユニット全体を取り外し、カバーナットを取り外します。

迎え入れてから作業を終えて会計を終えるまで、1時間以内の作業です。費用としては、実質的には作業時間と交通費、そしてもちろん業者の利益も必要ですから1万円~2万円程度ということになるでしょう。

なお、家電量販店で水栓の取り付けを依頼した場合には、もう少し安い価格で取り付けができます。し自信がない場合には、購入時に取り付けもあわせて依頼するのが望ましいです。

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