昨年夏、夏場の高水温対策としてファンを導入しました。
しかし、効果が不十分だったため今年はエアコン付けっぱなし作戦を決行しました。夏の間の約3か月間はエアコンを26度設定で24時間稼働させ続けました。このお陰で魚たちは元気で過ごすことができました。
電気代を記録していたので、水槽用クーラーを購入した場合と比較してみたいと思います。
8畳間・常時26度設定でプラス1250円
結論から言うと、通常時に比べて約5000円電気料金が高くなりました。
電気料金 | 使用量 | |
---|---|---|
2月 | 5,263 | 217.00kWh |
3月 | 5,868 | 238.00kWh |
4月 | 5,106 | 201.00kWh |
5月 | 5,607 | 219.00kWh |
6月 | 5,994 | 234.00kWh |
7月 | 11,128 | 415.00kWh |
8月 | 10,439 | 391.00kWh |
9月 | 7,390 | 287.00kWh |
10月 | 9,144 | 349.00kWh |
11月 | 10,095 | 382.00kWh |
エアコンを使用しなかった2月~6月は約5000円であるのに対して、常時エアコンを付けていた7月~8月は10,000円を超えています。(10月~11月は別の事情で高くなっています)
また、この時は水槽のある部屋だけではなく2LDKのすべての部屋を2台のエアコンで26度に維持していました。
- LDK:14畳
- 寝室:8畳
- 水槽と趣味の部屋:8畳
部屋の構成が以上の通りでしたので、単純に広さだけで考えると水槽がある部屋は全体に占める26%。
約4分の1です。つまり、5,000円の4分の1なので1,250円となります。
以下の3点を加味していただければ、多くても1,250円だとお分かりいただけると思います。
実際にはもっと安いかも①
今回の我が家の例では、14畳と8畳の部屋をエアコン1台でカバーしていました。
かなり負担をかけていたと思います。
おそらく8畳程度の部屋を冷やし続けるだけなら、1250円未満になるはずです。
実際にはもっと安いかも②
全くエアコンを使わない場合に比べて1,250円高くなります。
夏場はエアコンを使う方が多いでしょうから、その場合の差額はもっと小さくなります。
実際にはもっと安いかも③
我が家は夏場の外気温が40度を超える平野のど真ん中のコンクリートジャングルの家です。
風や緑のある地域、新しいRC造のマンションなどであればもっと安くなるはずです。
水槽クーラー1台あたり月840円
水槽クーラーは、ゼンスイの最もコンパクトなコンプレッサー式クーラーであるゼンスイ ZR-miniを例にとって比較したいと思います。
スペック表を見る限り、室内温度35度で120Lまで25度維持が可能なようです。
つまり、60cm水槽ならある程度余裕をもって冷却ができることになります。
メーカー公称の1ヶ月の電気代目安は840円(50Hz)となっています。
コンプレッサー式クーラーなので、水温が高まると電気代は高くなります。
また、排熱があるため室温の上昇を招きます。
関東近郊に何カ所か住んでいた経験から、緑の多い地方を除けば、締め切られた夏場の室内は平気で40度を超えます。35度を下回るのは夜間くらいのものでしょう。
インターネットで検索すると、60cm水槽であってもゼンスイ ZR-miniより上のモデルを勧められているケースもあることから、メーカー公称値を鵜呑みにすると痛い目に遭いそうです。
更に、水槽用クーラーを使って魚たちは快適になったとしても、我々人間が快適に過ごすためには結局エアコンの利用が必要です。
ただでさえ暑い夏に、水槽用クーラーを稼働させると排熱で室温が上がります。
エアコン常時稼働であれば、生活のための空調代も含まれます。
しかし、水槽用クーラーを使った場合にはそれとは別途空調代がかかります。
結論:エアコン使った方が良い
比較した結果を以下に示します。
エアコン | 水槽用クーラー | ||
---|---|---|---|
電気代 | 1250円/月 | 840円/月 | エアコンでは水槽が何台あっても関係ないが、水槽用クーラーでは水槽の数に比例して電気代も乗じられる |
初期費用 | なし | 約50,000円~ | エアコンは大抵備え付けられており、水槽のために購入するケースはあまりないと思われる |
騒音 | 〇 | × | 水槽用クーラーはエアコンでいう室外機が室内にあるようなもので、多少の騒音がある |
排熱 | 〇 | × | 水槽用クーラーはエアコンでいう室外機が室内にあるようなもので、排熱がある |
レイアウト | ◎ | × | 水槽用クーラーの設置には水槽に吸排水ホースの設置が必要かつ水槽用クーラー自体を風通しの良い場所に設置する必要がある |
この結果を見るに、どうしても水槽用クーラーの利点がわかりませんでした。
結局エアコンを使う
水槽用クーラーを使っている場合でも、夏場であれば在宅時はエアコンを使うでしょう。
そうすると水槽用クーラーの仕事量が減りますが、それ以上にエアコンによる電気代が加算されます。
例えば1日8時間エアコンを使用したと想定すると、1250円の3分の1(※)の約400円の電気代がかかります。
この400円を840円に加算すると、もうエアコンを使用した場合と毎月の電気代が変わりません。
※実際にはエアコンを稼働するたびに1から冷却する必要があるため、常時稼働の3分の1より電気代は高額になる
電気代で元を取れない
仮に水槽用クーラーの電気代がメーカー公称値通りだったとしましょう。
それでも最低ラインで50,000円程度するコンプレッサー式水槽用クーラーのもとを取るためには約120カ月(10年)かかる計算です。
夏場の使用だけであれば、30年以上かかります。
ゼンスイのメーカー保証期間が1年であることを考えると、少し現実味のない数字です。
まとめ
この比較では、以下のような水槽用クーラーのデメリットばかりに目が行く結果となってしまいました。
- 水槽周りの景観を損なう
- 水槽内の景観を損なう
- 排熱がある
- 騒音がある
- 初期費用が高額
- 電気代は大差ない
逆に、水槽用クーラーを選ぶ場合は以下のようなケースになるのではないでしょうか。
- 夏でもエアコンを使わない
- 涼しい地域に住んでいる
- 水槽が少ない
- エアコンがない
- 家にほとんど帰らない
なんだかとても消極的な結論ではありますが、水槽用クーラーの利点を見出すことができませんでした。
その結果として、水槽用クーラーがあまり流行っていないのかなぁと考える次第です。
ゼンスイの製品ページを見ていても、基本的に大きな水槽をターゲットにした商品ばかりで、個人が一般家庭で使うことはあまり想定されていないのではないのかもしれません。
あれ?そもそも家庭用エアコンの方が初期費用も安くない?
流石に初期費用は安い水槽用クーラーに敵わないだろうと思って、念のため確認してみました。
すると、ヤマダ電機にて、取付工賃込みで50000円を切っているエアコンを発見(執筆当時の情報です)
コロナ RC-2218R(取付工賃込み) ¥49,315
うーん、安いコンプレッサー式水槽用クーラーを買うのとトントンです。
ちょっと良い水槽用クーラーを買おうものならエアコンを買った方が初期費用も安くなります。やっぱりエアコンの方が良いね。