Panasonic製の食洗機では起こりがちな「ドア開エラー」の簡単な修理方法を紹介します。
「ドア開エラー」とは、食洗機のドアがきちんと閉まっているにもかかわらず「ピーピー」とエラー音が鳴って食洗機の動作が止まってしまう現象です。多くの場合ドアの開閉状態を検知するセンサーの異常ではないため簡単な調整で修理することができます。
分解してセンサーをショートさせドアの開閉センサーを常に「閉」状態と認識させる方法や、同じく分解してセンサー周りの部品を調整する方法もありますが、分解せずにセンサーを調整する方法もあります。また多くの場合はドアをギュッと押し付けるとエラーは止まるので使用時に都度クランプなどで固定する方法も意外と有効です。
今回は分解せずにセンサーを調整する方法を解説しますが内部構造を説明するために分解の様子もあわせて紹介します。
分解してセンサーを調整する方法
まず始めに分解してセンサーを調整する方法を紹介しつつ内部構造を解説します。意外なほどシンプルな構造になっているのがわかるはずです。なお分解は容易ですがネジの数がやや多いためDIYに苦手意識のある方にはハードルが高く感じるかもしれません。
必要な道具はプラスドライバー1本です。カバーを外す際に力が入れにくい部分があるためマイナスドライバーもあるとなお良いです。
①本体底面のネジを外す
始めに本体の底面前部にあるネジを外します。向かって右側に3本のネジがあります。
次に向かって左側に2本のネジがあります。底面前部はこの合計5本のネジを外す必要があります。
②操作パネルとパネル裏のネジを外す
次に操作パネルを外します。
操作パネルは上下の爪で引っかかっているため、先に下側を外してから持ち上げるように外します。操作パネル裏には2本のネジがあります。向かって右側に1本。
更に向かって左側に1本あります。
③前面のネジを外す
続いて食洗機のドアを開けて前面のネジを外します。合計9本あります。
④裏面のネジを外す
次に本体裏面にある6本のネジを外します。ネジを外す作業はこれで終わり!ネジを失くさないように気をつけましょう。
⑤カバーパネルを外す
本体のカバーパネルを外して行きます。
まずは本体の天面パネルを外しましょう。前後に揺すりながら持ち上げていくと外すことができます。もし外しにくい場合にはカバーのつなぎ目にマイナスドライバーを差し込んでこじってやると良いです。
続いて本体の側面と裏面をカバーしている大きなパネルを外します。
外したパネルはこんな感じ。簡単に歪むアルミ製なので丁寧に扱いましょう。
⑥センサーの調整
カバーパネルを外し終えると問題のセンサーが確認できます。
フタについているフック状の白いプラスチックパーツがピンクの矢印で示したパーツを押すことでセンサーを押し込みます。センサーがカチリと押し込まれるとドアが閉まっていると判断されます。よくあるドア開エラーの原因はこのプラスチック製のパーツが僅かに歪んだりすることで押し込み量が不足するために起こります。つまりセンサーを押し込みやすく調整すればエラーは出なくなります。
方法は色々ありますが、一番簡単なのは問題のパーツにテープを巻き付けてやる方法です。
こうすることで、センサーを押し込む量が増えますからドアが開いていると誤検知されることがなくなります。使用するのは粘着性が強く水にも強い防水気密テープや防水性や耐熱性もある程度期待できるダクトテープがオススメです。
このセンサーは左右の両側に1つずつあるので両側計2つの調整をお忘れなく。
分解せずにセンサーを調整する方法
さて、ここまでご覧になった方は「別に分解しなくてもいいんじゃない?」と思われたと思います。
その通りです。分解の必要はありません。要するにフタについたこの突起をもう少し出っ張らせてあげれば良いわけです。
ただ、ご覧の通りテープを巻きつけるには不都合な形状をしています。
フタの開閉時に擦れることも想定されます。素材はプラスチック製で接着材も付きづらいうえに熱や水がかかることもあります。おすすめの方法としてはUVレジンを使用したり、プラリペアで成形する方法が挙げられますが、個人的におすすめの方法は2液混合型エポキシ接着材を使用する方法です。
使うのはどの製品でも構いませんが、出来るだけ強力で多様な素材に接着するものが良いです。硬化時間は短い方が適しています。
注意点としては、自分でかき混ぜるタイプの製品はとにかくよくかき混ぜることです。
2液混合型エポキシ接着剤で強度が出ない原因の大半は混ぜ方が足りないためです。液剤が真っ白くなっても更にしつこく、それこそ5分か10分くらいひたすらかき混ぜ続けてください。
かき混ぜた接着剤を、問題の白いパーツを盛り上げるように塗っていきます。感覚としては塗るというかチョンチョンと置いていくイメージです。これで分解いらずの対策の完了です。
一度塗っただけでは1ミリ程度しか盛れないので、直らない場合には何度か重ね塗りして厚みを増してやる必要があります。一度に厚塗りしようとすると滴ってしまうので注意が必要です。
クランプで押さえつける方法
ここまで修理・調整する方向で説明してきましたが、カバーをギュッと抑えるだけならクランプを使う方法がおすすめです。食洗器を動かすたびに固定しなければいけませんが、2~3秒もあれば着脱可能なので対策としては本命です。
使いやすいクイックリリースタイプでサイズは450mmあれば十分です。