雨水マス・汚水マスの高さを上げる方法

ガーデニング

お庭にあるプラスチック製のマンホールのようなものの正体は「排水マス」と言います。主に「雨水マス」と「汚水マス」に分類されており、雨水マスや家の雨どいから流れる雨水やお庭の水道の排水溝とつながっており、雨水桝は家のなかのキッチンやお風呂から接続されています。

排水マスはメンテナンスや排水の機能上必要なもので撤去や移動は基本的にできません。しかし、パイプを嵩上げしてフタの位置を高くすることは簡単に行うことができます。砂利を敷きこんだりお庭造りをDIYで進めているときに、排水マスのフタが埋まってしまうという時には高さをあげる方法がおすすめです。

排水マスの高さの調整

排水マスはフタの位置が地面とほぼ同じ高さに設置されています。

地面より高いとつまづきやすく危険ですし、逆に低いと土や砂利に埋もれてしまいます。穴つきのフタの場合にはマス内に土や砂利が流れ込むことになり詰まりの原因になります。こんな時に便利なのが「嵩上げアジャスター」です。嵩上げは「かさあげ」と読み、高さを上げることを意味します。

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嵩上げアジャスターは排水マスの高さを上げるための専用の製品です。既存の排水マスの上に差し込むだけのシンプルな構造をしています。排水マスメーカーから比較的安価(1,000円前後)で販売されていますが、小さなホームセンターなどにはおいていないことも多いです。素材はプラスチックの一種で好きな高さに合わせてカットして使うこともできます。また、ひとつで高さが足りなければ重ねて2段、3段と高さを上げることもできます。

内径250mmの250型や内径300mmの300型など規格でサイズが統一されており、一般家庭でよく使われるのは250型か300型です。お庭の雨水マスをメジャーで測って外径が約300mm弱なら250型の製品を、外径が約350mm弱なら300型の製品を選べばピッタリです。もし近くに大きなホームセンターがあれば実物を持って行けば確実です。製品によって取り外し方には差がありますが大抵の場合、排水マスのフタは取っ手を引っ張れば抜き取ることができます。

汚水マスの場合には規格が異なりこちらの嵩上げパイプを使用します。

汚水マスは塩ビパイプで出来ており、嵩上げパイプの規格も呼び径150や200といった塩ビパイプと同じ表記がされています。

排水マスの嵩上げ手順

ここまで紹介した嵩上げパイプを施工する手順を紹介します。

雨水マスの場合

雨水マス用の嵩上げパイプは専用のシール材や接着剤が必要なのですが、ここではそうした道具を使用しないお手軽な手順を解説します。

必要なのは防水性に優れた接着剤あるいはシール材です。

扱いやすい超多用途シールなどのチューブ状のシール材や防水性を謳っている弾性接着剤がオススメです。コーキングガンがあればシリコンシーラントでもOKです。嵩上げパイプを差し込んだ継ぎ目部分は土や砂利に埋まるためそれほど強い接着力は必要ありません。

1.接着面の掃除

はじめに雨水マスのフタを外します。

既に周りに砂利や土を敷き詰めてしまっている場合は、雨水マス周辺だけ掘り返しておきます。フタは基本的にはまっているだけなので取っ手を引っ張れば外れます。

普段掃除しない場所ということもあって土などの汚れが溜まっています。最低限フタがはまっている縁部分だけでもブラシと水で掃除しましょう。この雨水マスのなかには流れ込んだ砂やゴミなどが溜まる構造になっているため、底の方にゴミが溜まっている場合はついでに掃除しておくと良いです。

2.接着剤(シール材)の塗布

きれいになった雨水マスの縁と嵩上げパイプの嵌合部分に接着剤を塗布します。

ぴたりとはまるわけではなく1mm程度の遊びがあるので多めに塗っておくと安心です。嵌め込んだ後は、更に周りをシール材で覆うと補強兼ゴミが溜まりにくくなるためなおよいです。

3.乾燥

接着剤、シール材ともに乾燥後も弾性が残るタイプを使用しているため乾燥には少し時間がかかります。フタをして上に適当なブロックなどを置いて重石をして1日以上放置しましょう。

十分に乾燥すれば完成です。周りの土や砂利を戻して、しっかりと踏み固めておきましょう。

汚水マスの場合

汚水マスの場合には塩ビパイプ用の接着剤が必要です。

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実際のところ、雨水マスと違ってギュッとしっかり嵌め込む構造なので接着剤がなくても早々外れることはありません。しかし雨水マスとは違って万が一外れると悪臭の原因になったり、砂利や土が入り込んで排水を妨げる可能性があるため接着剤の使用をおすすめします。

塩ビ素材は通常の接着剤が効きづらいことがあるので専用の接着剤があると安心です。

1.フタの取り外し

雨水マスとは違って汚水マスのフタは少し開けづらいです。

雨水マスのように取っ手もありませんからマイナスドライバーなどを使ってこじって開きます。フタをよく見ると、マイナスドライバーを差し込める小さな隙間があることがわかります。

これで中を確認することができますが、汚水マスの嵩上げパイプを取り付けるにはフタが嵌っているベース部分も取り外す必要があります。塩ビパイプに嵌っているだけですが少し硬いです。軽く横からたたきながらジワジワと力を入れて抜き取りましょう。あまり強く叩くとパイプを破損する恐れがあるので注意して作業してください。

新築時やリフォーム時に交換する以外では外す機会がなく固着している場合も多いです。抜く方向に力を掛けながらゴムハンマーなどで衝撃をいれてジワジワと外すか、それでもダメな場合は硬いスクレーパーなどをつなぎ目に差し込んでこじるなど工夫が必要です。

フタをベースごと取り外すとこんな感じです。このフタもホームセンターなどで手軽に手に入るので汚れがひどい場合は交換しても良いでしょう。

2.嵩上げパイプの接着と取付

嵩上げパイプの内側に接着剤を塗布します。

雨水マスとは違ってピッタリとはまるので厚塗りする必要はありませんが、満遍なく塗ると差し込むときに潤滑剤代わりになってスムースです。

これを汚水マスのパイプにギュッと差し込みます。

ぴったりサイズなので、パイプの周りに土などの汚れがあるとうまくはまりません。

接着面を綺麗にふき取って全体的に力を入れながら差し込みます。樹脂製なのであまり強く叩くと割れてしまいますが、ゴムハンマーなどで軽く叩く分には問題ありません。

3.フタを戻して完成

最後にフタとベースを差し込んで完成です。

こちらも乾燥までしばらく放置します。丸1日くらいは力を入れたりせずに乾燥すると安心です。

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