レモンをはじめとした柑橘類の果樹は冬に肥料と水を与えてはいけません。厳密には肥料は一切与えず、水やりは極力少なくします。肥料と水やりについてそれぞれ解説します。
冬のレモンの肥料
冬場のレモンは寒さをしのぐために成長を止め、肥料や水の吸収が極めて緩やかになります。そのため寒さが厳しい時期に柑橘類の果樹は肥料を一切必要としません。
日本の冬は多くの柑橘類にとっては防寒対策が必要なほどに厳しいものです。柑橘類は元々温暖な気候の地域の植物ですから、多少耐寒性に優れた品種であっても寒さに弱いことに変わりません。柑橘類のみならず植物全般において耐えられない寒さに当たると成長を止め枯れ死を防ごうとします。人が極寒の地で無理に活動すると指先から凍傷を起こすように、木も先端の方から徐々に枯れ始めます。具体的には葉が落ち、細い枝先から順々に枯れ始めます。
肥料を吸収しないのであれば肥料を与えても与えなくても変わらない、とはいきません。植物は水を肥料を取捨選択して根から取り入れることはできないため、成長しない時期に肥料を与えると不要な肥料まで吸収して負担を増やし肥料やけを起こす原因になります。
冬の寒さに当たって葉が落ちるなど枯れ死の前兆を見せた際に肥料を与えると、それが決定打になって枯れ死を決定づけてしまう可能性があります。レモンが冬に調子を崩した場合には防寒対策を行い、肥料は与えてはいけません。
冬のレモンの水やり
冬は寒く土中の乾燥が緩やかなことに加えて、レモン自体も水を吸収しませんから水を与えすぎても良いことはありません。根腐れはもちろんのこと、土中の水分量が多いと寒さで霜が生じたり土中温度が低下しやすくなります。
そのため冬は水を減らして土を乾燥気味に保ちます。地植えであれば雨だけで十分ですし、鉢植えでも1週間~2週間に1回程度で十分です。土を軽く掘り返してみて中までカラカラに乾燥しているようなら水をやってください。