10年を超える在宅勤務→フリーランスエンジニアとしての仕事を支えるオフィスチェアとしてハーマンミラー社のアーロンチェアを選択しました。これまで多くのオフィスチェアを試し、つい最近まで写真にあるように3台をオフィスにおいて日々取り換えながら使い続けていました。
私は何度もぎっくり腰を繰り返すような腰痛持ちでルーズショルダー、首や肩コリに頭痛持ちとデスクワークにおける悪い部分を寄せ集めたような身体をしているのですが、やはりアーロンチェアが正解だったようです。
最終的に手持ちに残った3台のオフィスチェア
我が家に残る3台のオフィスチェアが左から左右に分割された可動式の背もたれが特徴的なデュオレスト、そしてスタンダードなゲーミングチェアをクロスで仕立てたイトーキ・クロスフォーカスチェア、右がハーマンミラー・アーロンチェア(クラシック)です。
デュオレスト
デュオレストは見るからに人間工学に基づいて設計された高機能なチェアであることを主張する見た目をしています。モデルはDR-7501SPで、現在はNEXT1にモデルチェンジしています。
可動式の背もたれ以外にも座面にも立体的な起伏があり購入した当初は好んで使用していました。しかし座面が硬く滑りやすいためにスウェットなどのだらしのない格好で作業をする際にはお尻が前に滑って悪い姿勢になりがちでした。それでも腰が辛くなることもありませんでしたが、ある程度しっかりと意識して姿勢を正さないと本領を発揮しないというのが個人的な印象です。ただし、調整代があまりなく比較的大柄な体形の私には少し合っていないと感じました。座面は一番高くしてもやや低く、肘置きも同様に低めです。身長が170cm後半を超えると小ささを感じるでしょう。またフル装備のアーロンチェアにあるような前傾チルト機能はなく作業に集中して猫背気味・首が前に出るような姿勢になることも時折ありました。
価格は実売で5万円程度と、高機能な割に安価なこともあって見た目の安っぽさや座面の滑りや硬さ、操作系のスムースさのなさなど気になる点は多いもののコストパフォーマンスは優秀で、特に小柄な方には向いていると感じました。
イトーキ・クロスフォーカスチェア
イトーキ・クロスフォーカスチェアは事務用品メーカーであるイトーキ製のゲーミングチェアです。この手の形状のゲーミングチェアとして取り立てて特徴はないと思いますが、長時間座り続けることが多いゲーマーに支持されるゲーミングチェアなら在宅勤務環境にもピッタリではないか?と思い購入しました。
イトーキ ゲーミングチェア オフィスチェア ファブリック 布 クロスフォーカスチェア X FOCUS CHAIR 可動肘…
このクロスフォーカスチェアの搭乗前もゲーミングチェアに興味はあったものの下品な見た目が多く敬遠していましたが、インテリアにマッチするクロス張りの本品が登場してようやく購入した経緯があります。座り心地はというと、正直言っていまいちです。座面はフラットで奥行きがおおきすぎる上、腰回りのサポートも甘いです。デスクワークではヘッドレストが邪魔で姿勢を制限されることも多かったです。
また大柄な体形の私でもサポートは甘く感じるほどで、付属するサイズの調整ができないネックサポートやランバーサポートに支持を頼るなど特段考え抜かれた設計の良さは感じませんでした。それでもたまにこうしたゲーミングチェアに座ると楽な時もあって、今まで長くサブのチェアとして保有し続けてきました。
ハーマンミラー・アーロンチェア
最後の1台がオフィスチェアの定番であるハーマンミラー・アーロンチェアです。
後継モデルであるリマスタードが登場したのが数年前だったと記憶しています。これにともなって型落ちとなったモデル1が少し安価に手に入るようになりました。公式オンラインショップなどではオプションをすべて選択して自由にオーダーできますが、それ以外のオンラインショップや店舗では既にオプションがすべて選択された出来合いのアーロンチェアがあって、特に私が使用しているランバーサポート仕様は安価になっていました。
【正規品】Herman Miller (ハーマンミラー) アーロンチェア オフィスチェア Bサイズ グラファイト(ブラック…
アーロンチェアの快適性は言うまでもありません。サイズやオプションなど多くの選択肢があり、自身に合うサイズを好きなオプションで購入することができます。見たり触れたりしても価格から想像するような高級感はありませんので、身体の不調を気にしてチェアを選ぶ方以外は実物を見てから考えた方が良いかもしれません。見た目だけでいえば安価なハーマンミラー・セイルチェアやオカムラ・コンテッサなどの方が良いように感じます。
私自身もコンテッサと悩みましたが、最終的に実物を試してアーロンチェアを選択しました。コンテッサは国内メーカー故か大柄な私にはイマイチ思ったようなフィット感やサポート感が得られず、短時間座っただけでも座面の体圧分散性がいまいち良くないためにお尻が痛くなりそうな前兆を感じました。(長時間座っていないので実際に痛くなるかはわからない)
何よりアーロンチェアの前傾チルトにあるようなきちっと体がサポートされ良い姿勢が取れる感覚をコンテッサでは得られませんでした。短時間の試用ですから実際に長時間作業に使うとそれ以上の違いがあったのかもしれませんが、今では知る由もありません。
腰痛と前傾・後傾姿勢
作業時の姿勢には大きくわけて前傾と後傾があります。背筋を立たせてピシっと座る前傾姿勢と、背もたれにもたれかかって作業する後傾姿勢です。冒頭で紹介した3台のオフィスチェアを見てみると、デュオレストはピシッと座る前傾寄りで、クロスフォーカスチェアのようなゲーミングチェア類は寄りかかる後傾姿勢が多いようです。
腰痛やぎっくり腰を経験したり、猫背・肩こり・首こりなどを経験して姿勢を意識しだすと 1つの正解の姿勢 を見つけようとしがちです。しかし実際には1日の作業のなかでも前傾でがっつりと作業する時間と後傾でゆったりと作業する時間があるもので、常に1つの姿勢にこだわる必要はありません。姿勢を時折入れ替えることで作業の姿勢や身体への負担も軽減されるものです。
前傾では背筋がピンと真っすぐ立ち、その上に自然と首と頭が乗ります。猫背や首が前に出るような不自然な姿勢は改善され、頭の重さを感じることがありません。またデスクやキーボードとの位置関係も自然と整うことで作業の疲れが軽減されます。前傾チルト機能があるアーロンチェアであればお尻が前に滑り出すこともなく、太ももの痛みもなく、姿勢を維持するために足を踏ん張る必要もありません。2
またコーヒーを飲みながらリラックスして作業をしたり、資料を眺めるあいだは後傾姿勢で体の力を抜いてリラックスすることができます。前傾姿勢でもアーロンチェアであれば特に身体がこわばるようなことはないのですが、姿勢を切り替えることで軽くストレッチでもしたかのようなリラックス感を得ることができます。レバー操作ひとつでこれを切り替えられますからアーロンチェアが人気の理由もわかります。
ただし、後傾姿勢では首を支えるためのヘッドレストがあると楽なものです。アーロンチェアには残念ながらそれはありませんので、首までだらりと力を抜きたい時にはヨギボーのネックピローを使用しています。ただ一般的なオフィスチェアでリクライニングするとヘッドレストがないと首が疲れるのですが、アーロンチェアで軽くリクライニングするくらいであれば不思議と首が疲れることはありません。ただし、後傾姿勢メインで作業する方はコンテッサやハーマンミラーでいえばコズムチェアなどのハイバック仕様を選択するとより快適かもしれません。
オフィスチェアは妥協しない方が良い
様々なオフィスチェアをころころと買い替えて使い続けてきた経験から、オフィスチェアで悩まれている方は妥協をしない方が良いです。特に首・肩・腰といった身体の不調を抱えているのであればなおさらです。中途半端な価格帯のオフィスチェアを買うくらいであれば、試しに座ったうえで納得のいくチェアを中古で買うと良いです。
私の使うアーロンチェアクラシックは今の中古価格は5~10万円程度です。ランバーサポートモデルであればランバーサポートにヒビが入る不具合がよく知られていますが、これは元々消耗品に近いので補修部品や安価な互換品を購入して対応することができます。
高価な椅子はメーカーのサポートも長く補修部品や互換部品が手に入りやすいです。また情報も多く問題が発生しても修理が可能です。必ずしも中古をおすすめするわけではありませんが、中途半端な椅子で妥協してしまうのであれば中古の高機能チェアも良い選択になると思います。