クレマチスは人気の園芸植物でフェンスや支柱につるを伸ばしながら成長し美しい花を咲かせます。つる性であることを利用して様々なスタイルのお庭にマッチさせやすく、花や葉の付け方まで異なる様々な品種がある点が大きな魅力です。また病害虫や寒さにも強く手入れを怠っても早々枯れてしまうことはありません。
そんなクレマチスも適切に手入れすることでたくさんの美しい花をつけてくれます。本記事では特に暖かくなってきた「秋」のあいだに必要な手入れについて解説します。
秋はクレマチスの成長のピーク
秋はクレマチス栽培において最も重要なシーズンです。
高温多湿に弱いクレマチスが夏越えを終えて成長を再開するシーズンです。基本的に春と同様に肥料と水やりを行いますが、しばらくすると気温が冷え込み冬が到来します。寒さに強いクレマチスも冬のあいだは成長を止め養分を次の春に向けてため込みます。
秋は成長期でもありますが株をよく成長させるだけでなく十分な肥料を与えることで冬越えの準備をさせてやる必要があります。
肥料と水やり
基本的に春と同様に肥料と水やりを行います。
ハイポネックスなどの液体肥料であれば500倍に希釈したものを週1回あたえ、専用の固形肥料であればパッケージに記載のある説明に従って肥料を与えます。しかし、春とは違って冬に備えるために株(特に根や茎)をよく成長させるためにカリウムの多い肥料を与えると良いです。草木灰やリンカリ肥料などが一般的で、カリウムだけを多く含む肥料というのは多くありません。リン酸も開花を促す役割があるので追加で少量与えると良いでしょう。特にこのシーズンに根を充実させることで、冬越えに備え翌シーズンにより一層綺麗にたくさん花が開花してくれます。
水やりも春と同じように土の乾燥具合を見ながら与えます。鉢植えの場合は水はけの良い土で通気性の良い植木鉢であれば1日1回程度が目安です。水はけの悪い場合やマルチングをしている場合は2日に1回でも良いでしょう。雨を浴びる場所では雨の日は飛ばすなど土の乾燥具合を日頃から確認するようにすると良いでしょう。地植えの場合はよほど晴天が続かない限り水やり不要です。
マルチングをしていて土がよく見えなかったり、乾燥具合をうまく把握できない場合には水やりチェッカーを使用するのも良い方法です。
紅葉して葉を落とす
秋も終盤になると、葉は黄色く紅葉して品種によっては葉を落として枯れ枝のようになります。
特に梅雨以降に花を咲かせるような遅咲きタイプのクレマチスは11月ころまで花をつけますのでまだポツポツと花が残ります。剪定の方法は品種によって様々ですが、基本的に秋も深まってきたら剪定はせずに冬の剪定を待ち、クレマチスは枯れたようになったままにしておきます。