エレコムから販売されているカメラバッグ「off toco ハイグレード(Lサイズ)」を購入しました。
これが非常に良い製品でしたので紹介します。
メーカーサイト:2STYLEカメラバックパック(ハイグレード・Lサイズ) – DGB-S037GY
off tocoとは?
off tocoは、パソコンの周辺機器やバッグなどを手掛けるエレコムが立ち上げたカメラユーザー向けの商品ブランドです。
読み方は「オフトコ」で、名づけの理由は以下の通りです。
「オフの日にトコトコと思わず出かけたくなる」というターゲットシーンを表した直接的な意味と、「off to〜」の訳としても「〜へ出かける」という意味をもった造語になっています。
出典:https://www.elecom.co.jp/pickup/elecom_bag_japan/off-toco/designer/designer.html
この名づけの由来からもわかる通り、カメラバッグとしてはややカジュアル寄りのブランドと言えます。
主に以下の5つのタイプの製品を展開しています。
- カメラバックパック(バックパックタイプ)
- カメラメッセンジャーバッグ(斜め掛けするメッセンジャーバッグタイプ)
- カメラショルダーバッグ(ハンドバッグとしても使え、肩にかけるショルダーバッグタイプ)
- カメラトートバッグ(手に下げたり肩にかけられるトートバッグタイプ)
- カメラボディーバッグ(コンパクトで体にフィットするボディーバッグタイプ)
いずれもカジュアルでカメラバッグとしてでなくても使えるようなデザインの仕上がりです。
特に今回私が購入したバックパックは、カジュアルな「スタンダード」と、機能性を高めた「ハイグレード」の2つが展開されています。私は「ハイグレード」を選択しました。
この選択の理由も含めて、レビューしていきます。
良い所
デザインが良い
まず始めにデザインが良いという点が挙げられるでしょう。
カメラバッグはデザインが良い商品も多い反面、「誰が使うんだ?」というくらい野暮ったくダサいデザインのバッグも非常に多いです。
もちろんカメラの運搬が第一目的ですから、デザインについての評価は甘いです。
この「off toco ハイグレード」は、見ての通りライトグレーのポリエステル製で、見た目はそこそこ良いです。カメラバッグとしては90点くらいを与えても良いデザインです。
▼生地の質感はこんな感じ
大柄でも似合う大振りなサイズ
今回購入した「off toco ハイグレード」はLサイズと言う表記からもわかる通り大振りです。
私は身長が180cm、体重が75kgほどありやや大柄です。
そのためカメラバッグに多い小振りなバックパックでは、見た目のバランスが非常に悪いのです。大人がランドセルを背負っているかのような、非常に見苦しい見た目になってしまいます。
その点でこの製品は幅315mm×奥行190mm×高さ470mmということで、190cmくらいまでの方であれば違和感なく背負えるサイズ感であると思います。
私の身内がほぼ同サイズのバックパックを背負っていて、身長は170cm少々ですが違和感はありません。
しかし、同クラスのバックパックに比べるとカメラバッグのためかやや奥行きがあります。そのため縦横の寸法以上に大きく見えます。
機能性重視であれば全く関係ないポイントですが、見た目のバランスを重視するのであれば、小柄な方にはMサイズ(商品ページを開く)をオススメします。
バックパックとしての高い機能性
私はカメラバッグをカメラの運搬道具としてではなく、普段の移動や活動の相棒として選びました。
歩くのが好きで、よくブラブラと10kmくらい平気で歩き回ります。
10kmを1時間~1時間半程度のペースでかなり速く歩くので、バックパックもスポーツに適したものでないと体が痛くなってしまいます。
バックパックにはショルダーバッグやウェストポーチタイプも存在しますが、それらを選ばなかった理由はここにあります。荷物の負荷を体に均等に分散させるバッグでなくては、散歩(ガチなウォーキング?)には向かないのです。
「off toco ハイグレード」には、「off toco スタンダード」(下図)にはないバックパックとしての高い機能性があります。もしアウトドアや山登り、ハイキングといったタフな環境で使うのであれば、間違いなくハイグレードをオススメします。
一つ目のポイントは肉厚で幅広なショルダーベルトです。
肩の負担をグッと抑え、重量感も和らげてくれます。これに加えて「ロードリフトストラップ」と呼ばれる構造を採用しています。これはバッグの位置を高く引き上げることができる機能で、特に重量物を背負っている場合には重量感をより一層和らげてくれます。
二つ目のポイントはチェストベルトとヒップベルトです。
バックパックでタフな環境に挑んだことがある方なら、誰しもこの2本のベルトの有無で大きな違いがあることを知っているはずです。そう断言できるほど、この2本のベルトでバッグを体に縛り付けることによって得られる恩恵は大きいです。
バッグが揺さぶられることで受ける体の負担を大幅に軽減してくれます。
特に邪魔になりがちなヒップベルトはバッグ内に収納できるのも嬉しいポイントです。
三つ目のポイントは背面クッションです。
大きく凹凸したEVA素材のクッションが、体への負担を和らげるとともに通気性を確保します。
カメラの収納力が高い
バックパックとしてだけでなく、カメラバッグとしても高い機能性を有しています。
まず始めにバックパック型のカメラバッグとしては定番と言える、バッグを下ろさずにカメラを出し入れすることができるカメラ収納部がバッグ底面にあります。
両サイドにそれぞれダブルファスナーがあり、バッグをずらしてカメラを出し入れすることができます。
このカメラ収納部には、インナーバッグがスッポリと収まっています。
インナーバッグの寸法は幅270mm×奥行110mm×高さ190mmで取り外すこともできます。私の使うCanon EOS Kiss Mなどレンズ付きで6~7台は入りそうです。
インナーバッグは分厚いクッション性の高い素材でできており、中にはマジックテープで自由に区分けができる仕切りが4枚入っています。
また、ショルダーベルトには小さなポーチが付属しており、レンズカバーなどの小物を収納しておくのに便利です。
もちろん三脚を固定する三脚ベルトが付属しています。
カメラ以外の収納力も高い
カメラを収納する底部のスペースの上にはメインの収納スペースがあります。
寸法は幅300mm×奥行100mm×高さ245mmで、これ以外に15.6インチまでのノートパソコンを収納可能な独立したスペースがあります。
更に、上部のメインスペースと底部のカメラスペースは仕切りを取り払うことで1つのスペースにすることが出来、シンプルなバックパックとして使用することもできます。
また、前面には大きさの違う2つのポケットがあり、更に背面側に小さなポケットが付属します。
個の背面側の小さなポケットは、背負ったまま出し入れすることができます。(ヒップベルトもここに収納可能)
慣れるには少し時間がかかりますが、慣れてしまうと非常に便利なポケットです。
防水性
バッグ本体はポリエステル製で、撥水加工が施されています。
しかし、この類の撥水加工は長く強くもつケースは少ないです。ファスナーも簡単に水が浸入しない構造になっていますが、強い雨のなかでは頼りないです。
これはどの製品でも変わらないことです。
メーカーとしてもそれをわかっており、本体に収納可能なレインカバーが付属しています。
更に、底面にはハイパロンゴムを採用しています。
耐摩耗性や対候性、耐熱性が高く建材などにも採用されています。多少濡れた地面に置いたところで水が浸透することはないでしょう。
悪い所
底部はゴミが付きやすい
こちらがハイパロンゴムを採用した底部です。
まだ使用期間は短いのですが、非常にゴムやホコリが付きやすいです。
実用上全く問題はありませんが、手で払ってもなかなか落ちません。
チャックの動きが悪い
チャックの動きがやや渋いです。
軽微な点ではありますが、非常に高機能で全方位において作り込んでいる割に、少し残念なポイントです。
私の場合は、手持ちのシリコンスプレーを吹いて改善しました。
シリコンスプレーは滑りを良くするスプレーで、割とよくもちます。高いものでもなく、家庭内の滑りが悪いところには大抵使えるので買って損はないでしょう。
ファスナーに添って軽く吹いてやれば一発で動きが軽くなります。
コンパクトなミラーレスカメラユーザーにはカメラの収納部が大きすぎる
これは我が儘な話ですが、私が使う「Canon EOS Kiss M」はAPS-Cセンサーのミラーレスカメラです。サイズはとってもコンパクトで、大柄な私にとっては手のひらサイズ(ちょっと言いすぎ)です。
ご覧の通り、カメラの収納部に横向きに置いたとしても上下左右にスペースができてしまいます。
仕切りを上手く使って動き回らないようにすれば解決しますが、なんともスペースがもったいないです。
このような使い方をすると、カメラの収納部にあたるインナーバッグのほんの2割くらいしか使いません。
残り8割を自由に使えばいいのですが、インナーバッグ内は仕切られているとはクッション1枚の仕切りです。当然残り8割に濡れたものを入れればカメラが濡れるかもしれません。乾いたものであってもなかで動き回るようだとカメラへの衝撃が心配です。
例えばタオルとか、旅行時の着替えとか、それ自体が緩衝材になるようなものを入れるのであれば良いでしょう。
しかし、それ以外の用途ではこの8割の残りスペースが無駄になってしまいます。
もちろんoff tocoブランドにおけるハイグレードのLサイズという位置づけから、EOS Kiss Mのようなちっちゃいカメラ+せいぜい1本のレンズというコンパクト構成のユーザーを想定していないのでしょう。それでもバックパックとしての性能を考えるとこの「off toco ハイグレード」以外にあまり選択肢がないのです。
コンパクトなミラーレス用のインナーバッグが発売されて、この8割の残りスペースをうまく活用できるようになったらもっといいのになぁという我が儘です。
総評:至れり尽くせりな高機能カメラバッグ。なのに安い!
「off toco ハイグレード」は、エレコムが開発したカメラバッグの最高峰です。
エレコムからはガチなカメラバッグとしてGRAPH GEAR NEOというカメラバッグが販売されており、正しくはそちらが最高峰です。しかし、カメラの運搬に特化しすぎていて私のようなライトカメラユーザーには逆に使いにくくなっています。
スタイリッシュで普段使いからアウトドア・スポーツまで幅広く対応するカメラバッグということで「off toco ハイグレード」はライトカメラユーザー向けの最高峰と言って良いでしょう。
機能は不足なく、全方位において高い次元の完成度を持ったカメラバッグです。
これだけの完成度ですから、定価は¥24,900といいお値段です。
しかし。2019年3月15日時点のAmazon.co.jpの販売価格は¥8,878と半額以下の価格設定です。
プロやガチなカメラユーザーのように、撮影を主目的にして大荷物で出かける人には向かないかもしれません。
しかし、私のようにカメラを楽しんだり、お出かけのプラス要素としてカメラを持ち出すライトユーザーには最適なカメラバッグだと思います。
▼機能性を省いて、もっとスタイリッシュ&ライトなバッグを求める方には同じoff tocoブランドの「スタンダード」モデルがオススメです。