レビュー | ヒツジのいらない枕 至極 & 極柔を3か月使い続けてわかった違いを徹底比較

レビュー

首や肩の痛み、そして中等度の頭痛持ちに加えて暑がりということもあって長年枕に悩んでいた私が辿り着いたひとつの答えが「ヒツジのいらない枕」です。手頃なオーダーメイド枕と変わらない2万円程度の価格設定ながら、特徴的な構造によりへたらず蒸れず長持ちするうえ、柔らかいながら体圧分散性に優れており沈み込みも適度に抑えられている非常に優秀な枕です。

至極を購入時のレビューはこちら

大きく分けてスタンダードな「至極」とボリューミーな「極柔」の2つのバリエーションが存在しますが、いずれも夫婦で取り換えながら使い続けましたのでレビューしたいと思います。

意外と変わらないサイズ感や厚みの違い

至極はスタンダードなサイズである幅54cmに対して極柔は大き目な65cmですが、付属のカバーをしてパッと見るとそれほど大きさに差がないことに気が付くと思います。これに加えて実際に頭を預けてみるとむしろ極柔の方が小さく感じることもあります。これは立体的な構造と厚みによるものなのですが、そちらは後述するとして大き目の枕がいいからといって極柔を選ぶ必要はありません。

左:極柔/右:至極

同様に厚みもパッと見はそれほど差がないことに気が付くはずです。至極は向きによって8cmと10cmを切り替えられるのに対して、極柔は9cmと11cmですから向きによっては至極の方が高くなります。またこちらも立体的な造形によりサイズ以上の差を感じますので後述します。

左:極柔/右:至極

ちなみに重さは極柔の方がズシリと重いですが、至極も一般的な枕に比べると断然重いです。重くてずれない点はメリットですが、枕の位置をずらしたい時に力を入れないといけないうえ、立体的で柔らかい構造をしているため端っこを引きずるように動かすと枕の形状が崩れてしまうのが難点です。また重いと言ってもシーツが滑りやすい素材だと簡単にずれてしまって、ベッドの構造によってはベッドからずり落ちてしまうこともあります。

コットン系などすべりにくい素材のシーツと組み合わせ、接触冷感シーツのようなスベスベ素材は避けると使い勝手が良くなります。

立体的な構造が劇的な違いを生む

ここまで見たように、ぱっと見では意外と大きな差がない至極と極柔ですが実際には非常に大きな違いがあります。

万人向けの「至極」

至極は横方向に立体的な高さの差がないスタンダードな枕です。

このお陰で、枕の真ん中で寝ても右寄りや左寄りで寝てもほぼ同じ感覚で快適に眠ることができます。へたりにくい構造のお陰もあって、頭が傾いてしまうこともありません。その一方で左右方向のサポートがないとも言えます。頭をしっかりとホールドしてほしい人にとっては物足りないかもしれません。

とはいえ柔らかい素材のお陰で適度な沈み込みがありますから、サポート性が皆無ということはありません。横向きになったりうつ伏せになっても常に一定のサポート感を得られるため万人向けで、私自身もこちらがお気に入りです。

サポート性の「極柔」

一方で極柔は柔らかさや厚み、大きさが強調されていますが実際に際立っているのはサポート性です。

至極と違って横方向にも立体的な造形があって、中央部がへこんだような形状をしています。これは公式サイトにもあるこちらの画像を見るとわかりやすいです。

枕の前端部(首があたる場所)の高さは至極と極柔で1cmしか違いはありませんが、このへこみの大きさと枕全体の柔らかさ、沈み込みの大きさ、左右方向にも傾斜がある点などがかみ合って非常にサポート性が高く頭がホールドされる感じがして安定します。

その一方で、枕の左寄りや右寄りでは傾斜があるため寝づらく、自然と常に枕の中央に頭を置く形になります。これが人によって合う・合わないがあります。短時間横になるには極柔のサポート性が嬉しいのですが、長時間寝返りを打ちながら寝る際にはいつの間にか枕の真ん中からずれて不自然な位置で寝ているせいで首が痛くなることが何度かありました。

至極と極柔の選び方

至極は極柔と比べてやや厚みが薄いため、寝ているときの頭の角度が少しだけ上を向くようになります。一方で極柔は高さとサポート性のお陰もあって少し顎を引いたような姿勢になります。至極の方が楽な方も多いかもしれませんが、睡眠中に口が開いてしまう場合やいびきをかいてしまう場合は極柔を使うと劇的に改善するため、頭のサポート性以上に睡眠の質が向上します。

枕の厚み自体は違いはあるものの、極柔は沈み込みが大きいため結果的に高さはそれほど変わらないように感じられます。そのためサポート性や包み込まれる感覚、いびき対策を考えているなら極柔を、そうでなければ至極を選ぶと良いと思います。

ただし、顎を引いたような姿勢だと息苦しく感じることもあります。私は基本的に至極を使って、寝ているときに口が開きがちな妻が極柔を使用していました。

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