レビュー | タカショー・ベジタブ – 待望のスチール製レイズドベッドを試す

ガーデニング

ガーデン用品メーカーのタカショーからスチール製のレイズドベッドが登場しました。海外ではよく見かける波板鋼板を使用したスタンダードな形状で組み合わせ次第でいろいろな形やサイズのレイズドベッドとして使用することができます。

バリエーションは高さ29cmの「VGT-VT01」と高さ45cmの「VGT-VT02」で、色はチャコールグレーのみの設定です。幅は最大で183cmで、表面仕上げはメッキではない焼付の粉体塗装です。

ベジタブを買わなかった理由

タカショーからベジタブが登場したのは1年以上前のことです。レイズドプランターや木製のレイズドベッドのキットを販売していたタカショーがようやくスチール製を販売してくれた!と喜んだのも束の間、いくつかの理由で購入の候補に入りませんでした。

買わなかった理由1.高さが最大45cmしかない

高さは29cmと45cmでいずれも地植えに比べれば高さがあるものの作業時に屈む必要があります。あまり高くても良いことばかりではないのですが、60cm~80cmあたりの設定が欲しかったです。

昨今すこしは普及が進んだように見えるレイズドベッドですが、まだまだ国内では情報も少なく海外の園芸系YouTuberを見てレイズドベッドを知った人は多いと思います。斯くいう私もその一人ですが、レイズドベッドと言えば腰くらいの高さを想像してしまうため45cmはすこし低すぎるように感じました。特に自作するわけでもなく、せっかく既製品を買うのであれば理想的なイメージ通りの高さにしたいという思いが強かったです。

しかし、実際に高さ75cm程度の自作のレイズドベッドを使用してみるといろいろと不便な点も気になり始めました。まず始めに高さがある植物を育てるには手入れのために脚立が必要になります。つる性でなくても背が高いトマトなどは手が届かない高さになってしまいます。2m程度の高さまで育つトマトを例にとると高さが合計で3m近くなります。菜園と割り切ったスペースであれば構わないかもしれませんが、庭の一部の菜園として利用している場合には3mのトマトは主張が強すぎて景観やバランスを崩してしまいます。

あらためて海外のYouTuberを見返すと、背の高くなる植物はアーチや支柱を使って横方向に広げることで手入れしやすい高さにしていることがわかります。我が家の狭い庭ではあまり現実的ではないことに気が付きました。

買わなかった理由2.表面仕上げが塗装

2つ目の理由はスチール製のレイズドベッドを錆から守る表面仕上げがメッキではなく塗装だった点です。

レイズドベッドに使用される鋼板は錆に非常に弱く、表面仕上げがなければ極めて短い時間で錆が広がってしまいます。レイズドベッドの表面仕上げといえば亜鉛メッキや亜鉛とアルミニウムなどを混ぜたいわゆるガルバリウム鋼板をイメージしていたため塗装ではちょっと弱いのではないか?と疑問に思いました。レイズドベッドはスコップなどを使って土を耕したり植え付け作業をしたりしますから、強い力で金属同士がぶつかり合うことも珍しくありません。高品質な焼付粉体塗装であれば高い強度があることはわかっていましたし、メッキの犠牲防食作用も限度があることはわかっていましたが錆の不安があって購入の候補から外れていました。

しかし、実際にはメッキでも耐食性には限度があることや国内で手に入るメッキの品質が怪しいレイズドベッドへの品質の不安、そして最終的にトタン用の塗料でメンテナンスをすれば良いことに気が付いてこの不安は解消されました。

買わなかった理由3.幅が最大183cmしかない

タカショーのベジタブは波板鋼板をボルト固定でつなぎ合わせるシンプルな構造です。鋼板自体は非常に薄いためレイズドベッドを大きくするには補強が不可欠です。ベジタブではこの補強がなく、サイズは標準で販売されている183cmが最大となります。もちろん自己責任でベジタブを2つ購入して連結させても良いと思いますが、土の重みで膨らんで不安定になることが容易に想像できます。

ベジタブを2つ並べて設置することも考えたのですが、1つで大き目のレイズドベッドが欲しかったこともあって購入の候補から外れていました。しかし、最近では多く出来過ぎた野菜の処理で困ることも増えてきたため小さめで無駄なく育てて、余ったスペースはガーデニングを楽しもうと決め購入に踏み切りました。

開封と組み立て

ベジタブは想像以上にコンパクトな梱包で届きます。構成部品が板とボルト・ナットだけなので当たり前ですが届いたときにはサイズを間違えたかと思ったほどです。今回購入したのはVGT-VT02で、幅183cm・奥行き92cm・高さ45cmの最大サイズです。

内容物は本体を構成する波板とボルトナット、そしてエッジモールの3点で、塗装面が傷つかないように波板1枚ごとに緩衝材が使用されていました。ケガの恐れがある波板の端部はしっかりとバリが取られており滑らかで、角は折り返しが入っており触っても痛くありません。

エッジモールは通販サイトなどで10m1000円~1500円くらいで手に入る車のドアに取り付けるエッジモールと全く同じ構造で金属の補強入りのタイプでした。このゴムモールが劣化した際には通販サイトで適当なエッジモールを購入すれば代替できそうです。ボルトはステンレスのトラスボルトですが、ナットはユニクロメッキか亜鉛メッキの蝶ナットでした。

ボルトナットの固定は合計48か所で、手作業では少し時間がかかりますがインパクトドライバーがあればそれほど時間はかかりません。穴位置のずれもなく作業は簡単ですが手作業だとちょっと疲れそうです。波板は思ったより剛性があってふにゃふにゃと安定しないこともなかったです。

ただ鋼板を塗装仕上げしたものなので、インパクトで締め付けると塗装に傷が入ると思います。インパクトの設定を弱めるか、仮止めだけして最後は手作業で締めると良いと思います。気付かずに塗装を傷つけてしまうといつの間にか錆が進行してしまうと思うので注意が必要そうです。

設置

地面に置くだけの簡単設置ですが、無理な力がかかると簡単に歪んでしまうためある程度平面をだした上に設置して水平を水準器で確かめました。

土の容量は540L入る計算ですから、市販の20L入りの培養土が27袋必要な計算です。我が家では元々のレイズドベッドからの置き換えなので土を一度どかして設置後にまた土を戻しました。せっかくの機会なので、根などのゴミや小石を取り除き堆肥やバーミキュライトを混ぜ込んで土壌の改良をしておきました。

まだ冬の真っただ中なのであまり植えるものもありませんが、来年のためのイチゴと白菜を1株植えました。本格的な稼働は春以降になりそうです。

木と違って穴をあけたり加工したりすることはできませんが、クランプなどを活用すればいろいろな活用ができそうです。イチゴには早速支柱とクランプを使って寒冷紗をかけてあげています。

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