ジグサビキやぶっこみサビキなどの遠投系サビキ釣りでは、ハリスや幹糸に太いラインを使わなければなりません。しかし、太いラインを使った遠投用のサビキ仕掛けやジグサビキはラインナップが充実しておらず、コストパフォーマンスも悪いです。
また、自身の通うポイントにあわせてハリスや幹糸、針自体の号数も自由に選びたいものです。
例えば「幹糸6号、ハリス短めの4号、チヌ針5号3連のジグサビキが作りたい!」というような希望にあったサビキ仕掛けが自作できるわけです。必要な材料も少なく、難易度も決して高くありませんから是非挑戦してみてください。
必要な材料
必要な材料は5つです。
- 幹糸用のライン
- ハリス用のライン
- 針
- サバ皮などの装飾品
- 糸(PEラインや裁縫用の糸など)
幹糸用のライン
幹糸はサビキ仕掛けのメインライン部分です。ハリスよりも太いラインを選択します。また、使用するオモリやジグなどラインにかかる負荷に応じて号数を選択します。
ジグサビキの場合にはショックリーダーと同じ太さ(強度)を選択すると間違いがありません。私は主に30号の投げ竿を使用し、20~30号のオモリを遠投するため6号のナイロンラインを幹糸に使用しています。
特に投げ竿を使ったフルキャストでは、上手な人ほどロッドの初速が遅く、徐々にトップスピードまで到達するため細いラインでも切れなくなるそうです。ラインが細い方が魚に見切られにくく警戒心を抱かれにくいと言われますが、サビキ釣りはコマセで魚を狂わせて数を釣る釣りです。コマセに狂った時点でラインの太さは関係ないように思うので、サビキ仕掛けにおいてはラインの太さをあまり気にしていません。
むしろ最適な針の号数を選択することに重きをおいた方が良いです。
ハリス用のライン
幹糸からちょんちょんと飛び出す針に接続されるラインです。基本的に幹糸より細いラインを選択します。細ければ細いほどサビキ針が自然な動きをします。キャスティング時の負荷もかからないため、対象となる魚のサイズや針の号数にあった太さを選ぶと良いでしょう。
例えば40cmまでの青物であれば2号で十分です。3号もあればよほどのことがなければ切れません。心配性な私でも太くても4号です。また、太いハリスであっても硬いフロロカーボンラインと柔らかいナイロンラインでは事情が異なります。
私はこちらのナイロンラインをハリスに使用しています。安くて太くても柔らかいです。
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同様に低価格帯のダイワ・ジャストロンもおすすめです。一方で最安値クラスで販売されているデュエル・カーボナイロンラインはいまいちです。コシが強すぎて仕掛けを巻いて収納していると、使う時に癖がなかなか取れません。
なお、針とハリスの接続に自信がない場合や面倒くさい場合にはハリス付きの針を選択しても構いません。
針
サビキ仕掛けで最も悩ましいのが針選びです。
針の種類としては流通量もバリエーションも豊富なチヌ針が基本です。特にこだわりがない限りはチヌ針を選んでおけば間違いありません。特に小型の青物を除けば、チヌ針5号あたりが基本となります。チヌ針5号であれば30cmクラスのアジや40cmクラスのサバなどサビキ釣りで対象となるなかでは大型の魚にも対応可能です。
また、針掛かりは悪いもののチヌ針5号で10cm台前半のアジなどもかかることがあります。私は対象となる魚が10cm台なら3号、20cm台なら4号、30cm台なら5号、40cm台なら6号というざっくりとした認識を持っています。小物を対象とする場合にはサヨリ針など違った形状の針が有効かもしれません。
私は遠投やジグサビキでは基本的に良型の青物を狙うのでチヌ針5号を使用しています。
こちらの「かわせみ針」はとにかく安くて100本入りでサビキ仕掛けの自作にはピッタリです。
ちなみにこのかわせみ針の100本入りは店舗だと1000円越えで販売されていることも多く、3分の1近い値段で手に入る通販との差が謎です。
サバ皮などの装飾品
サビキ仕掛けには、針に白やピンクのヒラヒラがついていますよね。
まさにこれのための装飾品が必要です。
「サバ皮」と検索するとたくさん商品が見つかりますし、大きめの釣具店ではこうした装飾品がずらりと並んでいます。自分でカットするものからカット済みのもの、色やサイズなど多種多様です。釣具に限らず、工作用のセロファンやテープ類、ラメ入りの糸など色々なものがサビキ針の装飾として使用可能です。(特にコストパフォーマンスが良いのがセロファン)
また、本物の魚の皮を乾かして使っても問題ありません。更に言えばアジングやメバリング用の小さなワームを針にかけたり、サバ皮を単純に針にかけるだけでも釣れます。ただ、もちが悪いため折角自作するのであればおすすめはしません。
釣り仕掛け用のサバ皮が販売されているのでこちらを使用するのが基本です。いろいろなバリエーションがあるので実店舗で見てみるのも面白いです。
サバ皮などのヒラヒラ系の装飾以外でおすすめなのが小さなワームです。コストパフォーマンスは悪いですが、最近はこうした激安で大量にまとめ買いできる商品もあるのでサビキ仕掛け作りには助かります。
糸
サバ皮などの装飾品を針に固定するために使用する糸です。
ナイロンラインやフロロカーボンラインでは滑ったりコシがあって使いにくいので、余っているPEラインや100均で手に入る裁縫用の糸などがあると最適です。
もし手持ちがなければ、細めのナイロンラインやフロロカーボンラインでも問題はありません。
なお、接着剤の類でも問題ないのですが糸のほうがずっとコストパフォーマンスが良いので、サビキ仕掛けをたくさん作る予定なら100均などで安い裁縫糸を買っておくことをおすすめします。
ラメ入りの糸を使ったり、エビの目に当たる部分に黒い糸を使うなどこだわる余地は大いにあります。
サビキ仕掛けの作り方
サビキ仕掛けの作り方を解説します。
少し慣れが必要なのは幹糸とハリスの接続ですが、一度覚えてしまえば非常に簡単で時間もかかりません。
1.幹糸の長さを決める
始めに幹糸の長さ=仕掛け全体の長さを決めましょう。
仕掛け全体の長さを決めるには、ハリスの長さと針の数を決める必要があります。ハリスは長い方が自然にサビキ針が動くものの、仕掛けが絡まることが多くなります。遠投やジグサビキにおいては、出来るだけ仕掛けが絡まるトラブルは避けたいですから、ハリスは短めがおすすめです。
5cm程度でも十分釣れます。理屈上はハリスが長い方が自然な動きが演出できて釣果が上がるはずですが、むしろトラブルに悩まされることの方が多く短めで作るようになりました。私は外海に面したサーフから遠投することが多く、波や早い潮の流れもあって特にトラブルが起こりやすいと思います。穏やかな海で使うのであればハリスは長めでも良さそうです。
針の数も同様に少ない方がトラブルが減るため少なめがおすすめです。一般的に遠投やジグサビキの場合、針の数は2本か3本のことが多いようです。最後に針と針の間隔を決めます。正確には幹糸とハリスの接続部同士の間隔です。間隔が広い方がトラブルは減りますが、全長が長くなってしまいます。
20cm程度が一般的なようです。
ちなみに仕掛けの上端と下端(スナップやオモリ、道糸と接続される側)はハリスとハリスの間より少し長めにしておくと扱いやすいです。
下図の赤い矢印で示した部分です。
2.針とハリスを結ぶ
針とハリスを結びます。
色々な結び方があるのですが、外掛け結びが一番簡単だと思います。
私は外掛け結びで大型のマダイやシーバスも相手にしてきましたが結束が解けたことはありません。むしろ根掛かりなどすると太い環付き針ですら針が折れて帰ってくるので外掛け結びで十分です。
3.針を装飾してサビキ針を作る
続いて針を装飾していきます。
装飾品を針の軸にあててグルグルと巻いてかた結びでもすればOK。
写真ではハゲ皮を使っています。サバ皮、ハゲ皮、ナマズ皮からゴム製のスキンまで色々な専用の装飾品があります。
専用品でなくても文房具コーナーにあるセロファンやテカテカのテープ、ラメ入りの糸など色々なものが材料になりえます。
抜き糸を使って綺麗に仕上げることも出来ますが、ここは外れさえしなければいいので適当にぐるぐる巻いてキュッと結んでおけば問題ないです。
結び目がコブになっても釣果に影響ありません。
なお、装飾品の色は白、ピンク、緑など様々なカラーが存在します。
マズメ時~夜間の釣りが主な私は無着色?の白いハゲ皮やサバ皮を使用しています。ピンクや緑でも構わないと思いますが、私が住むエリアでぶっこみサビキをするベテランたちが無着色の白いサバ皮の仕掛けを使っているのを見て真似ています。
4.ハリスを幹糸に接続する
ハリスを幹糸に接続します。
一番簡単なのは直結びと呼ばれるこちらの方法です。
もし結束強度に不安がある場合にはこちらの胴突き仕掛けの作り方で解説されている結び方もおすすめです。
5.スナップやサルカンを付ける。
最後にお好みで仕掛けの上端・下端にスナップやサルカンをつけましょう。
私の場合にはサルカンの代わりにエイトノットで輪っかを作っています。
スナップやサルカンまで使うとコストパフォーマンスが落ちてしまううえ、エイトノットで輪っかを作ったり直結する方法でも不便を感じたことがないので私は使用していません。
奥が深いサビキ仕掛け
サビキ釣りと言えばファミリーフィッシングや釣り初心者の定番!なんて思われがちですが、ウキサビキやぶっこみサビキ、遠投サビキにジグサビキとバリエーションは豊富です。
そしてサビキ仕掛けの世界も奥が深いです。
当記事における説明のなかで、「装飾品はサバ皮でなくてもなんでも良い」というようなことを述べました。
ここが非常に奥の深い世界で、詳しくは以下の対談記事がおすすめです。
サビキの秘密(前編):https://heat-hayabusa.com/2014/08/20/secret-of-sabiki/
仕掛けの収納と運搬
自作仕掛けで最も困るのが収納や持ち運びです。
ジップロックなどの袋に入れると取り出すときに絡まるし、段ボールに巻き付けると癖がつくし意外とかさばる。
私は最終的にド定番の仕掛け巻きであるスプールシートに辿り着きました。
第一精工 スプールシート
結局これが一番使いやすいです。
まとめ
ジグサビキや遠投サビキなど太糸が必要とされるサビキ仕掛けの自作方法を紹介しました。
サビキ仕掛けの世界は奥が深く、手軽に自作して量産することも出来ますし、こだわる人はとことんこだわることができる工作です。
自分の通うポイントやターゲットとなる魚に合わせたサビキ仕掛けを自作してみたい方は是非挑戦してみてください。
最後にポイントをまとめると以下の通りです。
- 幹糸・ハリスは十分な太さを選ぶ
- 仕掛けの全長やハリスは短い方が扱いやすい(全長1m未満、ハリス3cm程度が良い)
- ターゲットとなる魚にあった針のサイズを選択する(良型アジ・サバなら5号が基本)
- 装飾に悩んだら無着色の白いサバ皮かハゲ皮
- 癖の付きにくい柔らかいナイロンラインを使用する