大物釣りに最適な「塩イワシ」。
身持ちが良いことから遠投する投げ釣りにも適しており大物釣り全般に効果的です。その遠投性からイワシミサイルなどと呼ばれますが、魚種はイワシに限らず臭いが強めの小魚類全般が釣り餌として適しています。
生き餌には敵わないものの生き餌を除けばトップクラスの集魚力と遠投性、扱いやすさを備えた万能釣り餌だと思います。また塩締めしているため自宅の冷凍庫で臭いを出さず長期保管ができる点もうれしいです。ヒラメやマゴチ、根魚などのフィッシュイーター全般やクロダイ、マダイも対象魚になり得ます。
しかし、近年の不漁の影響か需要の変化によるものかわかりませんが程よいサイズのイワシの入手が困難になってきています。そこで今回は業務用スーパーで安定して入手可能な「バルト海いわし」を使って「塩イワシ」を自作してみたいと思います。
通販でまとめ買いすると少しお得に手に入りますが業務用スーパーに比べると割高になります。
ちなみに業務用スーパーのバルト海いわしなら500g198円と激安。
バルト海イワシはキビナゴの仲間
まず始めに、この「バルト海いわし」を見た釣り人は「なんていう種類のイワシだろう?」と疑問に感じるはずです。
その答えはパッケージに記載があるのですが「ヨーロピアンスプラット」という種類の魚です。別名を「ヨーロッパキビナゴ」と言います。詳しくはWikipediaを参照してみてください。
ヨーロピアンスプラットはニシン科スプラット属、一方でマイワシはニシン科マイワシ属、カタクチイワシはニシン科カタクチイワシ属です。ニシン目ニシン科までは合っていますが、キビナゴに近い魚のようです。ただし、イワシと訳されたりイワシとして流通することもありますし、そもそも見た目からして日本でよく見かけるキビナゴとはずいぶん違います。
重要なのはこのヨーロッパキビナゴが塩イワシに適しているかどうか?です。(塩ヨーロッパキビナゴと呼ぶべき?)
キビナゴは釣り餌や食用として広く流通しており、イワシに比べて入手性が良い魚です。しかし、あえて塩イワシを選ぶ釣り人からするとキビナゴは身が柔らかいため身持ちが悪く、更に臭いもイワシの方が強いです。
結論から言ってしまえば、この業務用スーパーのバルト海イワシ(ヨーロピアンスプラットあるいはヨーロッパキビナゴ)は塩イワシに適しています。臭いは一般的な食用のキビナゴより強くサイズも10cm台前半で程よく、塩締めすれば身もしっかりしています。
塩イワシへの加工工程は後で紹介しますが、適切に処理することで身をしっかりと塩締めできます。
生のマイワシを塩締めした場合に比べてやや柔らかいかもしれませんが半分くらいの力でキャストするちょい投げ釣り(せいぜい50mくらい)には十分使うことができます。(生のマイワシから作った塩イワシもフルキャストしたら流石に身切れします)
【重要】バルト海イワシの解凍工程
業務用スーパーのバルト海イワシは冷凍品です。塩イワシに加工するために一度解凍する必要があります。しかし魚(特に小魚)を解凍したことがある方ならご存じの通り、冷凍の魚を何も考えずに解凍すると身から水が出てぐずぐずになってしまいます。
この身がぐずぐずになる理由はこちらのサイトが非常にわかりやすく解説されていますので、気になる方はチェックしてみてください。
マルコ水産が語るまぐろの小咄・こんなに違う!かつお・まぐろの美味しい解凍方法
さて、冷凍されたバルト海イワシを解凍するにはぬるま湯程度の塩水(3%)を使います。あまりシビアになる必要はありません。私は給湯器から出る40度のお湯に塩を入れて混ぜてから「バルト海いわし」を投入しています。
塩の量は1Lあたり大さじ2杯(大体でOK)です。このぬるま湯の塩水が出来たら、「バルト海いわし」を投入します。写真は1.5Lの水に大さじ3杯の塩を入れて「バルト海いわし」を1袋(500g)投入した様子です。
軽く手でかき混ぜてやると、1分もすればプニプニとした感触になってほぼ解凍が完了します。ザルに移して水を切ったら、そのまま塩漬けにしていきます。
もちろんキッチンペーパーなどで水分を拭き取った方が良いと思うのですが、面倒くさい上あまり違いが出ないためペーパーで水分を取る工程は省略しています。
塩ヨーロッパキビナゴ、塩ヨーロピアンスプラット、塩バルト海いわし
ヨーロッパキビナゴあるいはヨーロピアンスプラットあるいはバルト海いわしを塩漬けしていきましょう。
大きめのタッパーにキッチンペーパーを敷き、塩をたっぷり入れてイワシ(ヨーロッパキビナゴ)を塩にまぶして並べていきます。想像以上に水分が出るのでキッチンペーパーは5枚重ねを半分に折りたたんでいます。もし余っていれば新聞紙や段ボールを厚めに敷いても構いません。
更に塩をかけて、2層目、3層目と積み上げていきます。このまま冷蔵庫で2~3日も置けば塩イワシの完成です。塩漬けにしたまま放置しすぎると硬くなって干からびたようになるので、2~3日で取り出してジップロックや小さめの容器に小分けにすると良いです。もし塩締めの具合を調整したい場合は1日おきに指で触ってみて好みの硬さになるまで待つと良いです。
このとき軽く塩は払いますが綺麗に塩を取り除かなくてOKです。その後の保存は冷蔵でも構いませんがしばらく使う予定がない分は冷凍すると良いです。
さいごに
業務用スーパーの「バルト海いわし」を利用した釣り餌用の「塩イワシ」の作り方を紹介しました。
非常に安価で大量のイワシが安定して手に入るため大物釣りや投げ釣りをする方には是非おすすめしたい方法です。最近なぜか程よいサイズのイワシが近年手に入りづらくなっており、このバルト海いわしを発見できたのは不幸中の幸いでした。良型のウルメイワシ(大きすぎ)やキビナゴ(小さい、柔らかい、臭いがない)はよく見かけるのですが、10cm台前半のイワシはさっぱり見かけていません。
同じようにスーパーでイワシが手に入らずに困っている方やエサ代を節約したい方に是非おすすめしたい方法です。