農薬を散布して間もない野菜を食べても大丈夫?オーソサイドを散布して7日のイチゴが食べごろに!

ガーデニング

我が家での家庭菜園の主役といっても過言ではない「イチゴ」。

4月現在、早いものであれば収穫が始まり非常に楽しいシーズンです。

今日もヘタまで真っ赤に染まった食べごろのイチゴを1粒発見。

収穫しようとして、大きな失敗に気が付きました。

灰色かび病対策に、殺菌剤である「オーソサイド水和剤80」を先週散布したばかりなのです!

イチゴの灰色かび病対策については以下の記事でまとめています。

【灰色かび病】イチゴのカビに使える薬は「オーソサイド」がオススメ!ベンレートとのローテーションも。 – ドリリウム

なぜ気が付かなかったのか

イチゴのよくある病気のひとつである「灰色かび病」の予防・殺菌薬として有名なのが「オーソサイド水和剤80」です。

その他にも灰色かび病に効果がある薬剤はありますが、なぜかイチゴの欄には灰色かび病の文字がないことも多いです。

そんななかで「オーソサイド水和剤80」はしっかりとイチゴについて明記されているありがたい薬です。

農薬には使用期限という項目があります。

収穫前〇〇日前まで使えます」というやつです。

オーソサイド水和剤80の場合、イチゴには収穫30日前まで使用できると記載があります。

つまり、4月に収穫が始まるイチゴの灰色かび病対策には、3月中に薬を散布しておくべきだったのです。

これを私はうっかり忘れてしまい、4月に灰色かび病が発生。

脇芽取りもして通気を良くしていたつもりでしたが甘かったです。

灰色かび病を始めとしてカビ系の病気は容易に周囲に広がるため、すぐにカビの生えた実を除去し、薬を散布しました。

そうです。その時は何の迷いもなく散布したのです。

30日後まで収穫できなくなるとは考えもせず。(というか使用期限のことを完全に失念していた)

使用期限前の作物を食べても大丈夫か?

農薬は、一部の葉や根から吸収するものを除けば実の表面に付着しているだけです。

展着剤を使うのも、しっかりと付着させるためですよね。

だから、理屈から言えばよく洗えば大丈夫なはず。

しかし、本当に大丈夫なのでしょうか?

代表的な農薬メーカーであり、オーソサイドの製造元でもある「住友化学園芸」さんに問い合わせてみました。

返信内容を要約すると以下の通りです。

  • 使用時期(収穫30日前まで)を守れば安全性に間違いがない
  • 使用時期は作物残留試験データと毒性データに基づき、国が決める(農薬取締法)
  • 「オーソサイド水和剤80」の薬効期間は最大で約14日間のため、14日以降に収穫する場合は、健康上問題は無いと考えられる
  • ただし、使用時期を守らないことはメーカーとして推奨できない(法律違反)
  • 散布した薬剤は水洗いで、そのほとんどは洗い流される
  • 販売目的ではなく、自家使用なさるのであれば、自己責任となります

ポイントは以下の通りです。

販売する場合には農薬の表記を厳守する

農家さんのように販売を目的として栽培をしている場合、表記を厳守する必要があります。

収穫前〇〇日前まで使えます」という使用期限の表記は、国の専門家たちが農薬の残留量を基準に判断しています。

国が安全だと認めた水準の農薬残留量を下回るのがこの使用期限というわけです。

つまり、この使用期限を守ったところで農薬は健康に影響がないと判断された量は残留しているということです。

また、使用期限を守ったとしても適切な分量で希釈できていなければ農薬残留量が多い・少ないということにもなります。

薬剤の有効期限と使用期限は別物

今回問い合わせるなかで初めて知りましたが、農薬には薬効期間というものが存在します。

その名の通り、薬が効果を発揮する期間です。

説明書や裏書にある使用期限=薬効期間だとばかり思っていましたが、違うようです。

オーソサイド水和剤80をイチゴに使用した場合、農薬の残留量が安全基準に達するまでに30日かかるものの、薬の効果自体は最大14日程度でなくなるそうです。

つまり、この薬効期間を過ぎていれば基本的には健康に影響がなくなっていると考えて良いようです。

もちろん、自分で育てて自分で食べる場合に限りますし、100%自己責任です。

薬剤によっては洗い流すことができる

当初予想していたように、オーソサイド水和剤80に代表される「表面に付着して効果を発揮する薬」は洗い流せばほぼほぼ落ちるようです。

もちろん自己責任ですが、農薬を使って間もない野菜・果物であってもよく洗えば基本的には問題なさそうです。

繰り返しになりますが、自己責任です。

まとめ

うっかり使用期限のことを考えず農薬を散布してしまった結果、いろいろと新しい学びを得ることができました。

最も大切なことは、薬剤は予防に使うということです。

病気が発生してから薬を使ったのでは、病気が出た実や葉を除去することになるだけでなく、使用期限前に収穫期を迎えた野菜や果物をみすみす捨てることになってしまいます。

もちろんよく洗って食べることもできますが、農薬の心配をしながら食べるよりも気持ちよく食べたいですよね。

  • 野菜・果物の主要な病気をチェック
  • その病気に効果のある農薬をチェック
  • 使用期限前に病気が発症していなくても散布

これを守ってこれからも楽しく家庭菜園に励みたいと思います。

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