バイクや自転車のツーリングのお供に、カメラが欲しいと思ったことはありませんか?特にバイクにおいては「モトブログ」という走行中の映像を共有する文化が浸透してきています。しかし、バイクや自転車の走行環境は動画撮影には過酷であり、カメラの選択肢は限られてきます。
多くの人がアクションカムを選択します。一般的に選択肢は大きく分けて以下の3つに大別されるでしょう。
- GoPro
- SONY HDR-AS300/FDR-X3000
- 中華GoPro(格安のGoProモドキ)
しかし、「動画撮影」という観点ではハンディカムやデジカメ(高級コンデジやミラーレス、一眼レフ)あるいはスマホも検討の余地はあります。
そこでこの記事では以下の6種類の撮影機材を比較してみたいと思います。
なお、この比較の中では4Kを重視しません。
なぜなら現在多くの人が4K動画を閲覧できる環境を有していないためです。そのため例えばSONYのアクションカムはFDR-X3000ではなくHDR-AS300を比較対象としています。
バイク・自転車に最適なカメラとは?- バイク・自転車における「GoPro」の良い点と悪い点
- バイク・自転車における「SONY HDR-AS300」の良い点と悪い点
- バイク・自転車における「中華GoPro」の良い点と悪い点
- バイク・自転車における「ハンディカム」(HDR-CX680)の良い点と悪い点
- バイク・自転車における「デジカメ」(DSC-RX100)の良い点と悪い点
- バイク・自転車における「スマホ」(iPhone 8)の良い点と悪い点
- 比較一覧表
- まとめ
- SONY HDR-AS300買いました。
バイク・自転車に最適なカメラとは?
まず始めに、バイク・自転車に適したカメラには以下の6つのポイントが求められます。機材の比較のみを知りたい場合には飛ばしてください。
ポイント1:強固にマウント(取付)が出来ること
バイク・自転車は路面の振動をダイレクトに車体・運転者に伝えます。体が揺さぶられ、遠心力に晒され、風に煽られ、雨に降られ、運が悪いと虫が激突することもあります。
路面からの振動と言うのは非常に厄介で、特に高速で移動する車やバイクでは、一見強固に見えるボルトですら振動で徐々に緩んでしまいます。そのため、特に振動の影響が大きな部位ではボルトナットの緩み止め(接着剤のようなもの)を使用したり、ばねの力で緩みを止める特殊な部材を使用したり、楕円のボルトを使用したりします。
走行映像の撮影用カメラにそこまで厳重な緩み止めは不要です。しかし、強固にマウント(取付)できることは必須条件と言えます。現在、多くのカメラは下部にネジ穴(三脚取り付け用)を備えていますが、これはバイク・自転車への車載を考えた場合貧弱です。
ネジ穴+何らかの対策が望ましいです。
例えばアクションカムの代表、GoProは一般的な三脚用のネジ穴ではなく、以下のような特殊なマウント形状をしています。
強固なマウントが不可能な場合、脱落の危険があるだけではありません。マウントの上のカメラがマウントを支点にぐらぐらと揺れて、ただでさえ激しい振動が更に増幅されてしまうことになります。
ポイント2:振動・揺れに強いこと
次に、振動に強いことが重要です。
先述の通り、バイク・自転車の振動は非常に激しいものです。強固なマウントは大前提としても、手振れ補正機能があると良いでしょう。手振れ補正には大きく分けて「電子手振れ補正」と「光学式手振れ補正」があります。
ここでは専門的な説明はしませんが、非常に簡単に説明すると「電子手振れ補正」とは、撮影した映像を後から無理矢理補正します。一方で「光学式手振れ補正」とはレンズの動きを揺れに合わせて調整することで、揺れを抑えた映像を撮影することができます。
そのため「電子手振れ補正」ではどうしても映像が不自然になったり、劣化することがあります。
ポイント3:重量が軽いこと
次に重量の軽さが重要です。これには大きく分けて2つの理由があります。
1つ目は、重いと揺れの影響が大きくなる点です。
カメラを固定する場合、車体や体にマウントを取り付け、そこにカメラを設置します。するとマウントの剛性が弱い部分を中心に、カメラがぐらぐらと揺れてしまうわけです。例えば以下のマウントはわかりやすい例です。
赤い三角で指したあたりはどうにも貧弱に見えますよね。こうした貧弱な部分が路面からの振動を受けてぐらついてしまうのです。
この影響の大きさはマウントの形状とカメラ本体の重量に依存します。どれだけ強靭なマウントを使っても、カメラが重くては意味がありません。
2つ目は、体への負担です。
カメラを車体にマウントする場合には関係ないのですが、チェストマウントやヘッドマウント等、体に固定する場合には僅かな重量の差でも影響が大きいです。特にヘッドマウントする場合には数十グラムの差であっても、疲労に大きく関わります。
短距離走行がメインであれば構いませんが、長距離走行する場合にはこの差は顕著に現れます。
ポイント4:前方投影面積が小さいこと
前方投影面積とは、カメラを正面から見た時の面積のことです。
以下の写真はGoPro(左)とSONY HDR-AS300(右)です。ご覧の通り真正面から見るとSONY HDR-AS300の方が小さいことがわかると思います。
前方投影面積が大きいと風の抵抗を強く受けます。
些細なことだと思われるかもしれませんが、特に速度域が高いバイクにおいては、マウントが甘いと風の抵抗だけでカメラが揺れてしまうこともあります。
※実際に購入・使用した結果、前方投影面積が小さいSONY HDR-AS300でさえ、風の抵抗が強く、長時間の運転では明らかに疲労が大きくなります。特にヘッドマウント(ヘルメットマウント)では前方投影面積が重要です。
ポイント5:防水・防塵性に優れること
バイク・自転車での走行中には、埃や砂が舞ったり、排気ガスを長時間浴びたり、雨に降られることがあります。雨天の走行を避けたとしても、トンネルに入れば晴天であっても水が滴ることもありますし、路面に水たまりがあって飛沫が飛んでくることもあります。もちろんふいの雨にやられることだってあります。
そのため、防水・防塵性が優れることは重要です。
もしカメラ本体に十分な防水・防塵性がない場合には、防水ケースなどを利用する手もあります。
ポイント6:落下防止策が取りやすいこと
いくら強固にマウントしても、万が一の落下に備える必要があるのはみなさんお分かりになると思います。この落下防止策は、とにかく頑丈にしておけば良いというわけではありません。
まず、落下防止策が取りやすい必要があります。
滅多にカメラを使わないのであればともかく、カメラを使うたびに面倒くさい落下防止策を施すのは手間です。ワンタッチに、手軽に落下防止策が施せることが望ましいでしょう。
そして、落下防止策は強すぎてはいけません。
例えばカメラと車体をワイヤーでつなげば、カメラが落下してどこかへ行く心配はまずないと言えるでしょう。しかし、強固過ぎる落下防止策は事故を誘発します。もしワイヤーにつながれたカメラが何かに引っかかったり、ぶつかったらどうなるでしょうか?車体の安定性がいきなり崩れ、転倒は避けられません。つまり、落下防止策は適度に弱い強度で行う必要があります。
ポイント7:ヘッドマウントもしくはボディマウントができること
バイク・自転車の走行中の振動を直接受ける車体にカメラをマウントした場合、どれほど優れた手振れ補正機能があっても映像のブレが生じてしまいます。
その為、車体からの振動をある程度シャットアウトできるボディマウント=体へカメラをマウントする方法が求められます。その中でもヘッドマウントは高い位置から自身の向いている方向を写すことができる、バイク・自転車における最良のマウント方法です。
次点でチェストマウント=胸元にカメラをマウントする方法もありますが、前傾姿勢になることが多いバイク・自転車では理想的な映像を撮ることは難しい場合もあります。
バイク・自転車における「GoPro」の良い点と悪い点
始めにアクションカムの代表「GoPro」の良い点と悪い点を見ていきましょう。
なお、GoProには「GoPro HERO」と「GoPro Session」の2つのモデルがあります。「GoPro HERO」(商品ページ)は、一般的に多くの人が知るGoProで、上に掲載している写真の商品です。カメラとディスプレイを備えています。
一方で「GoPro Session」(商品ページ)はディスプレイを排して小型化したモデルです。「GoPro Session」は現行ラインナップから消えているためここでは紹介しませんが、基本的に特徴は似通っていますのでこの項を参考にしてください。
ここでは最新の「GoPro HERO 6 Black」を見ていきます。
「GoPro」の良い点
本体に防水性が備わっている
GoProの何より素晴らしい点は、本体に防水性が備わっている点です。
余計な手間や煩わしさなく、普段の撮影から水の中の撮影までこなすことができます。防水ケースを取り付ければ良いじゃないかと思う方も居られそうですが、防水ケースがあるとそれだけで外部マイクが接続できなかったり、バッテリーの交換ができなかったり、SDカードの交換ができなくなってしまいます。
防水ケースが必要ないため、手間なく様々な撮影環境に対応可能
ディスプレイがある
アクションカムにはディスプレイが備わらないものも多く存在します。
もちろん撮影中に小さなディスプレイを見ることはまずないのですが、撮影を開始する時や、ちょっと持ち運んだ時に写したいものがしっかりと収まっているか、角度やホワイトバランスは適切かを確認することができます。
ディスプレイがないということは、都度WiFiなどで接続したスマホなどを操作して確認する必要があるのです。
ディスプレイがあるからが画角やホワイトバランスの確認の手間が少ない
マウントが強固で豊富
GoProはアクションカムを代表する製品です。
その為、マウントも豊富で様々なスタイルに合わせたマウント方法を選ぶことができます。また、一般的な三脚用のネジ穴を利用したマウントに比べて強固であれば、揺れに大して有利です。
マウントが豊富で色々なマウント方法が選べる。スタイル自由自在。
平べったい形状
平べったい形状をしていることから、チェストマウントがしやすいのはポイントです。バイク・自転車におけるもっとも理想的なマウントはヘッドマウントですが、ヘッドマウントは疲労が大きいというデメリットがあります。そこでチェストマウントをすることで、車体からの振動をシャットアウトしつつ、それなりに良い角度で撮影することができるわけです。
ヘッドマウントに次いで良い映像が撮れるチェストマウントに最適な形状
軽量・コンパクト
GoProの重量は僅か117gと非常に軽量です。
現在国内で最も普及しているであろうiPhone 8の重量が148gですから、かなり軽量であることがわかっていただけると思います。
また、寸法は横62.3mm、縦44.9mmです。横幅はiPhone 8の横幅より狭く、縦はiPhone 8の3分の1ほどです。
「GoPro」の悪い点
外部マイクが取り付けしづらい
GoProには外部マイクが接続できるのですが、非常に残念なことに外部マイクを接続するために以下のようなアダプタを使用する必要があります。
見てわかる通りあまりコンパクトとは言えず、かさ張ってしまいます。音声だけ別に録音するのは手間ですし、後から音声と映像のタイミングを合わせる手間も増えてしまいます。
前方投影面積が広い
平べったい形状ゆえに前方投影面積が広いです。
そのため、風の抵抗を受けやすくなります。チェストマウントであればあまり影響はありませんが、バイク・自転車で最良の映像を撮ることができるヘッドマウントをすると、想像以上の風の抵抗感に驚く人も多いでしょう。
この抵抗感は予想以上に運転者を疲労させます。
光学式手振れ補正がない
GoPro Hero 6 Blackは光学手振れ補正が備わらず、電子手振れ補正のみです。
先述の通り、電子手振れ補正ではどうしても映像の劣化が起こります。GoPro Hero 6 Blackの電子手振れ補正の弱点を非常にわかりやすく解説してくれる動画がありましたので紹介します。
やや高額
GoProは定価で52,000円、Amazon等の実売価格を見ても48,000円程度とやや高額です。
GoProの特徴まとめ
GoProはバイク・自転車に適したカメラと言えると思います。
しかし、外部マイクの装着が難しく、手振れ補正がやや弱く、高額であるという弱点があります。特に手振れを抑えつつ良い映像が撮れるヘッドマウントをするには前方投影面積が広いという弱点もあります。
しかし、総じてアクションカムとして非常に優れた性能を有しており、防水性やディスプレイがあることで様々な環境に余計な手間をかけずに飛び込んでいけるというメリットがあります。
バイク・自転車における「SONY HDR-AS300」の良い点と悪い点
続いて、SONYの誇るアクションカム「SONY HDR-AS300」を見ていきましょう。
冒頭に書いた通り、SONY HDR-AS300には4K録画に対応した上位モデル「SONY FDR-X3000」が存在しますが、現在4K動画を閲覧できる環境を有した人は限られているため「SONY HDR-AS300」を比較対象とします。
「SONY HDR-AS300」の良い点
光学式手振れ補正がある
SONY HDR-AS300の何より素晴らしい点は、アクションカムとしては唯一の優れた光学式手振れ補正があるという点です。先ほど紹介した動画でも比較されていますが、とにかく手振れ補正の性能は最新のGoProと比較しても抜群に良いです。
振動に強いということはバイク・自転車に適していると言えるでしょう。
とにかく振動に強い。現在これ以上の手振れ補正付きアクションカムはない
非常に軽量・コンパクト
SONY HDR-AS300はとにかく軽いです。
軽いと評価したGoProより軽量な109gの重量を実現しています。
寸法については平べったいGoProと奥行きがあるSONY HDR-AS300では純粋な比較はできませんが、容積でいうとGoProの方が小さいです。
アクションカム最軽量でとにかく軽い
細長い形状で前方投影面積が小さい
GoProとの1番の違いがこの奥行きのある形状です。
前方投影面積が小さいことで風の抵抗を受けにくく、ヘルメットなどに添うように目立たずにヘッドマウントすることができます。その一方でチェストマウントがしづらいと思われそうですが、SONY純正のチェストマウントハーネスがありチェストマウントも全く問題ありません。
マウントがそこそこ豊富
GoProほどのマウントのバリエーションはないものの、GoProに次ぐ人気があるだけのことはあって、マウントの種類は比較的豊富です。おおよそのマウント方法は純正アクセサリーで実現できるでしょう。また、一般的な三脚用のネジ穴を備えているため三脚用のネジ穴に対応した一般的なカメラアクセサリー全般を使用することができます。
例えば以下のようなマウントが純正アクセサリーとして用意されています。
- SONY フィンガーグリップ AKA-FGP1
- SONY キャップクリップ AKA-CAP1
- SONY ユニバーサルヘッドマウントキット BLT-UHM1 自転車ヘルメットに最適
- SONY ヘルメットサイドマウント VCT-HSM1 バイクヘルメットに最適
- SONY バックパックマウント VCT-BPM1 リュックのベルトに
- SONY リストマウントストラップ AKA-WM1
- SONY ハンドルバーマウント VCT-HM2 バイク・自転車のハンドルに最適
- SONY サクションカップマウント VCT-SCM1 吸盤式
バイク用振動低減マウントが純正販売されている
非常に面白いことに、SONY HDR-AS300にはバイクや車のエンジン振動によるブレを防ぐための専用マウントが純正アクセサリーとして販売されています。
効果の程は使ったことがないためわかりませんが、興味深いアクセサリーです。
SONY モーターバイブレーションアブソーバーの商品ページを開く
比較的安価
性能が近く比較検討されることが多いGoProと比較した場合には、値段は1万7千円ほど安くなります。発売から時間が経過しているおかげでしょう。
「SONY HDR-AS300」の悪い点
本体に防水性がない
SONY HDR-AS300の一番の弱点は、本体に防水性がないことです。
防滴性は備えているため、軽く雨に降られたり水の飛沫を浴びる程度なら問題ありませんが、バイク・自転車の走行中に雨が降ってくるたびに不安になるのは溜まったものではありません。
そのたびにマウントから外して防水ケースを取り付けるのは非常に大きなストレスになるでしょう。また、防水ケースを取り付けた場合には、外部マイクが接続できないほかバッテリーの交換なども行うことができません。
防水ケースが標準で付属し、防水ケースにも三脚用のネジ穴があることがせめてもの救いでしょうか。
SONY HDR-AS300の特徴まとめ
GoProと並んで比較検討されることの多いSONYのアクションカムです。
特に手振れに強く、GoProに比べるとぐっと価格が安い点が有利なポイントです。マウントの数もGoProには劣るものの必要十分です。風の抵抗を強く受けるバイク・自転車での走行には前方投影面積の小ささもありがたいです。一方で、最大のデメリットは本体の防水性がない点です。防滴性があるため、防水ケースなしで使用しているユーザーも多いようですが、ふいの雨に備えて防水ケースを持ち運んだり、防水ケースを取り付けると外部マイクが使えないという大きなデメリットがあります。
バイク・自転車における「中華GoPro」の良い点と悪い点
多種多様な製品がある「中華GoPro」です。
価格は5000円程度から1万円あたりまで様々ですが、一様にGoProそっくりの見た目をしており、マウントもGoProに互換性のある形状となっています。
基本的に形状はGoProに近いためGoProと同様の特徴がありますが、異なる点を評価してみます。
「中華GoPro」の良い点
とにかく安い
まずなんといっても価格の安さです。
モノによっては5000円を切る商品もあります。特に売れ筋の商品は8000円台の商品のようですが、それにしても安価です。
マウントがGoPro互換で豊富
マウントはGoProと互換性があり、種類は豊富です。
「中華GoPro」の悪い点
本体に防水性がない
オリジナルのGoProとは違い、本体に防水性がありません。
そのため、防水のためにはケースを使用する必要があります。GoProの大きな利点のひとつは防水性があることで使い勝手が良い点にありますが、この点で中華GoProは劣っています。
4Kを謳っていても画質は悪い
最近では4Kを謳っている商品も見られますが、画質は悪いです。
画素数がすべてではないことを如実に表しています。色味もあまり良くなく、もし綺麗な映像を残したいと考えるのであれば避けた方が良いレベルです。一方で、記録や確認用の映像であれば必要十分と言えるでしょう。
手振れ補正を謳っていても性能はかなり低い
GoPro同様に電子手振れ補正を搭載していますが、その性能はGoProに全く及びません。中国メーカーはアクションカムを含め、多種多様な製品で宣伝のためにYoutuberに商品を無償提供してレビューを依頼します。そのため、Youtubeで様々な製品の様々な環境における映像を確認することができますが、手振れ補正は最新のスマホに劣る程度に見えます。
耐久性は未知数
GoProやSONY HDR-AS300と比べると、無名のメーカーが製造している商品ですから、絶対的な品質差は存在するでしょう。また、サポートの程度もわかりません。
低照度に弱い
アクションカムはコンパクト故に暗い場所に弱いです。そんな中でもGoProやSONY HDR-AS300は検討している方なのですが、残念ながら中華GoProは暗所に弱いです。
「中華GoPro」の特徴まとめ
中華GoProと一言に言っても、対象商品は多種多様です。
しかし、GoProやSONY HDR-AS300、あるいはその他のまともなカメラ類と比較してしまうと映像の一点において大きく見劣りします。
映像に関しては最新のスマホやコンデジ等の方が明らかに良く感じます。ここはYoutubeなどで実際の映像を確認することができますから、気になる人は確認してみると良いでしょう。
バイク・自転車における「ハンディカム」(HDR-CX680)の良い点と悪い点
あまり検討されることのないハンディカムの特徴を挙げてみます。
ハンディカムと呼んでいますが、家庭用のビデオカメラ全般を指しています。ここでは標準的なSONYのハンディカム「HDR-CX680」を例にとって評価してみたいと思います。価格がGoProとSONY HDR-AS300の中間あたりに位置します。
「ハンディカム」(HDR-CX680)の良い点
映像が美しい
まずはじめに、映像の美しさではアクションカムと比較になりません。特にアクションカムの苦手とする暗所にも比較的強く、ズームにも対応しています。
手振れ補正が優秀
手振れ補正は光学式手振れ補正を採用するSONY HDR-AS300と比較してなお優秀です。映像と合わせてアクションカムでは絶対に追いつけない領域にあります。
ディスプレイが大きい
アクションカムとしての用途を想定していないため、確認用のディスプレイは大きく操作性も良いです。
「ハンディカム」(HDR-CX680)の悪い点
画角が狭い
画角の広さが特徴として挙げられるアクションカムと比べてしまうと画角が狭いです。逆に言えば湾曲のない綺麗な映像を撮ることができますが、広く周囲の景色などを写すことを目的にするのであれば物足りないでしょう。
本体が大きく重い
本体はアクションカムの3倍近くの重量があり、大きさは比べるまでもありません。前方投影面積ではGoProを上回ります。
マウント方法が限られる
三脚用のネジ穴はあるものの、本体が大きく重いため振動や揺れのあるバイク・自転車で使用を続けると破損や脱落の恐れがあります。また、その重さ故に市販のマウントを使っていてはどれほど強固に取り付けても、車体の揺れ以上の揺れがカメラ本体に伝わってしまいます。
重量は300gを超え、投影面積も大きいことからヘッドマウントは不可能と考えた方が良いでしょう。
防水性・防塵性がない
最低限の防塵性は備えているものの、防水性はありません。
防水ケースなども市販されていないことから、ふいの雨に降られて故障してしまうリスクがあります。
振動を想定していない
バイク・自転車のように長時間・大小さまざまな振動に晒され続けることを想定していないため、バイク・自転車で長期間使用した場合には故障のリスクが大きくなるかもしれません。
「ハンディカム」(HDR-CX680)の特徴まとめ
映像に関しては素晴らしいものがありますが、大きさと重量の点で絶対的に不利です。
マウント方法は、市販のマウントを使用した場合ハンドルマウントくらいしか現実的に採用できないでしょう。ハンドルマウントをする場合には、ハンドルとカメラの間のマウント分の高さが生まれます。マウントの剛性はそれほど高くないため、重いカメラのせいで走行中の振動が増幅されてカメラに伝わってしまうでしょう。
三脚用のネジ穴の耐久性も考えるとあまりお勧めできる方法ではなさそうです。
一方で、マウントの方法さえ解決できれば最も美しい映像を撮ることが出来るでしょう。バイク・自転車の車体と完全に一体になるほどの剛性あるマウント方法は、市販アクセサリーでは対応できませんが、パニアケースや車体などにうまく取り付けが出来れば可能性はあるでしょう。
バイク・自転車における「デジカメ」(DSC-RX100)の良い点と悪い点
デジカメと言っても多種多様にありますが、今回はGoProやSONY HDR-AS300などのアクションカムと価格が離れすぎない「SONY DSC-RX100」を例にとってみたいと思います。
SONY DSC-RX100はいわゆる高級コンデジと言われるカテゴリーに入ります。
「デジカメ」(DSC-RX100)の良い点
映像が美しい
ここまで紹介してきた中で最も映像が美しいです。
最近では映画やCMの世界でもデジタル一眼レフやミラーレスを使用した独特のぼかしの効いた映像が使われることが増えています。
光学式手振れ補正がある
SONY HDR-AS300にも搭載される光学式手振れ補正が備わっています。
しかし、残念ながらあまり効きは良くないとの評価が多いです。デジカメの世界では映像に強いと呼ばれる数十万円のモデルもありますが、Youtubeで映像を見ている限り、それほど手振れに強そうには見えません。
恐らく一定以上の手振れについてはジンバルを使用することを想定していると思われます。
暗所に強い
これまで紹介してきたなかではセンサーサイズが最も大きく、暗所にも強いです。
「デジカメ」(DSC-RX100)の悪い点
画角が狭い
画角の広さが特徴として挙げられるアクションカムと比べてしまうと画角が狭いです。逆に言えば湾曲のない綺麗な映像を撮ることができますが、広く周囲の景色などを写すことを目的にするのであれば物足りないでしょう。
本体が大きく重い
本体はアクションカムの2倍以上の重量があり、前方投影面積ではGoProを上回ります。
マウント方法が限られる
三脚用のネジ穴はあるものの、本体が大きく重いため振動や揺れのあるバイク・自転車で使用を続けると破損や脱落の恐れがあります。また、その重さ故に市販のマウントを使っていてはどれほど強固に取り付けても、車体の揺れ以上の揺れがカメラ本体に伝わってしまいます。ハンディカムほどの重さはないため、三脚用のネジ穴+ベルトなどで締め上げることで三脚用のネジ穴への負担は十分軽減できるでしょう。
重量は200gを超え、投影面積も大きいことからヘッドマウントは難しいと考えた方が良いでしょう。
防水性・防塵性がない
最低限の防塵性は備えているものの、防水性はありません。
防水ケースなども市販されていないことから、ふいの雨に降られて故障してしまうリスクがあります。
振動を想定していない
バイク・自転車のように長時間・大小さまざまな振動に晒され続けることを想定していないため、バイク・自転車で長期間使用した場合には故障のリスクが大きくなるかもしれません。
「デジカメ」(DSC-RX100)の特徴まとめ
映像に関しては素晴らしいものがありますが、ハンディカム同様に大きさと重量の点で絶対的に不利です。また、手振れ補正自体も期待するほど優秀ではありません。
マウント方法は、市販のマウントを使用した場合ハンドルマウントくらいしか現実的に採用できないでしょう。チェストマウントが出来ればかなり綺麗な映像は撮れそうですが、画角が狭くチェストマウント用のアクセサリーが市販されていないため、自作する必要があります。
一方で、マウントの方法さえ解決できればかなり美しい映像を撮ることが出来るでしょう。ただし、ハンディカムほどの手振れ補正がないため、中途半端な位置づけです。
価格的にも「デジカメ」(DSC-RX100)をなんとかマウントするのであれば、「ハンディカム」(HDR-CX680)をなんとかマウントする方法を考えた方が良さそうです。
バイク・自転車における「スマホ」(iPhone 8)の良い点と悪い点
最後に、最近画質の向上が著しいスマホについて評価してみたいと思います。
より美しい写真や映像が撮れるモデルも存在しますが、特に国内で普及しているiPhone 8を例にとってみたいと思います。
「スマホ」(iPhone 8)の良い点
映像が美しい
まずはじめに、映像の美しさではアクションカムと比較になりません。特にアクションカムの苦手とする暗所にも比較的強く、ズームにも対応しています。
手振れ補正が優秀
光学式手振れ補正を採用しています。
しかし、これまたYoutubeなどで実際の映像を確認することができますが、電子手振れ補正のGoProと比較してなお手振れが気になります。あまり優秀な手振れ補正ではないと言えるでしょう。
ディスプレイが大きい
そもそもがスマホであるため、ディスプレイは大きく映像の確認は容易です。
誰でも持っている
誰でも持っているというと語弊がありますが、現在多くの人がスマホを所有していますから、追加投資なしで映像が撮れるという点は大きなメリットです。
「スマホ」(iPhone 8)の悪い点
画角が狭い
画角の広さが特徴として挙げられるアクションカムと比べてしまうと画角が狭いです。逆に言えば湾曲のない綺麗な映像を撮ることができますが、広く周囲の景色などを写すことを目的にするのであれば物足りないでしょう。
本体が大きく重い
本体はアクションカムの1.5倍ほどの重量があり、何より前方投影面積が広いです。
マウント方法が限られる
三脚用のネジ穴はなく、三脚に設置するためのマウントは販売されているもののバネの力でスマホを固定するだけなので心もとないです。
こうしたマウントを利用して、自作でチェストマウントなどをしているケースもありますが、市販アクセサリーでは対応できません。
「スマホ」(iPhone 8)の特徴まとめ
映像に関しては良好で、誰もが既に持っているという大きなメリットがあります。しかし、手振れ補正はそれほど優秀ではなく、マウントの方法が限られます。
現実的な方法は、市販のチェストマウントハーネスを購入して、スマホ用に改造する方法ですが、いまいちな手振れ補正や広くない画角もあり、バイク・自転車用としては中途半端と言えそうです。
比較一覧表
以上、6種類の機材を比較した結果を表にまとめました。
GoPro | SONY HDR-AS300 | 中華GoPro | SONY HDR-CX680 | SONY DSC-RX100 | Apple iPhone 8 | |
---|---|---|---|---|---|---|
映像 | ◎ | ◎ | × | 〇 | 〇 | △ |
マウント | ◎ | ◎ | ◎ | △ | △ | × |
手振れ | 〇 | ◎ | × | 〇 | △ | × |
耐久力 | ◎ | ◎ | 〇 | △ | △ | △ |
重量 | ◎ | ◎ | ◎ | × | △ | △ |
投影面積 | 〇 | ◎ | 〇 | × | × | × |
防水防塵 | ◎ | 〇 | △ | × | × | × |
使い勝手 | ◎ | 〇 | 〇 | × | × | × |
価格 | × | △ | ◎ | △ | × | 〇 |
点数 | 22 | 23 | 16 | 7 | 6 | 5 |
まとめ
バイク・自転車用のカメラを選ぶならSONY HDR-AS300がベストな選択と言えるでしょう。ただし、GoProとの差は僅かです。GoProにするかSONY HDR-AS300にするかの決め手は使い勝手にあると思います。
SONY HDR-AS300を選んだ方が良いケース
バイク・自転車の走行中の動画撮影を主体にするなら価格も安価で手振れ補正に優れるSONY HDR-AS300が良いでしょう。
GoProを選んだ方が良いケース
バイク・自転車の走行中以外にも経由地や目的地でカメラを取り外して散策したり遊んだりする様子を撮影したいのであればGoProが良いでしょう。バイク・自転車から降りて、カメラを取り外して撮影を開始するまでの手間がかかりません。
中華GoProを選んだ方が良いケース
綺麗な映像を撮りたいのではなく、記録や確認用の動画が撮影したいのであれば価格も安価な中華GoProが良いでしょう。また、明るく振動が少ない場所では、色味さえ後から調整すれば、そこそこ綺麗な映像を撮ることができます。
走行中の映像はあまり重視せず、経由地や目的地でカメラを持って散策したり遊んだりする様子を撮影したいのであれば悪くない選択肢かもしれません。
ハンディカム・デジカメ・スマホは運用が難しい
調べているうちに利点も見つかるかもしれないと思いあれこれと調べ、実際の映像も見て回りました。
しかし、やはりこれらの機材は特にバイク・自転車での利用には向かないことがわかりました。頑張れば使いようはあるかもしれませんが、それだけの苦労に見合う結果は得られないでしょう。
光学式手振れ補正付きGoPro?更に映像を強化したSONYアクションカムが望まれる!
こうして様々な機種を比較検討し、Youtubeで実際の映像を見て回って感じるのは、
更に映像を強化したSONYアクションカムが望まれる!
という1点です。
SONY HDR-AS300やSONY FDR-X3000は、既に発売から2年以上が経過しています。
そろそろ新しいモデルの噂くらいは聞こえてきても良いころです。GoProは素晴らしいアクションカムですが、バイク・自転車という用途において最も重要なのは手振れ補正です。本気を出したSONYの手振れ補正は世界最強でしょうから、モデルチェンジで更に手振れ補正を強化し、映像や使い勝手の面で改善をはかったモデルが発売されればバイク・自転車乗りにとって最強の1台になるでしょう。
本体に防水機能が備われば、GoProの座を軽く脅かすことにもなりそうです。
SONY HDR-AS300買いました。
以上の比較検討をもとに、SONY HDR-AS300を購入しました。レビューしていますが、最終的に2台持ちが望ましいことに気が付きました。詳しくは以下のレビュー内で。