車内に入り込む排ガス臭の対策 | 高機能フィルターと快適な車

カーライフ

排気ガスを始めとした車外の臭いの対策は大きく分けて2点あります。

昨今の快適性が高められた車では車外の臭いが気になる機会も減ってきていますが、古い車や新しい車であってもコストパフォーマンス重視で作られた車などではドライバー自身による対策が必要です。

1.外気導入と内気循環の切り替え

最も基本的な対処方法が外気導入モードと内気循環モードを切り替えて車外の空気を取り込まないようにすることです。車内は気密性がそれなりに確保されているため内気循環モードでは急激に車内のCO2濃度が上昇します。また新鮮な外気を取り込めないため汚れた空気が循環され続けることになりますから車の空調は外気導入モードが原則です。

しかし、外気導入モードではエアコンフィルターで濾過された車外の空気が入り込んでくるため排気ガスを始めとした臭気を取り込む原因になります。大型トラックやバスの後ろについたり、トンネルに入った際には内気循環モードに切り替えるのが車の正しい運用です。

昨今の快適性に配慮された車であれば、臭気の原因になる微粒子1をセンサーで検知して自動的に内気循環モードに切り替えてくれます。しかし、コストパフォーマンスを優先した車ではこうした快適装備は省略されていることが多く手動での切り替えが必要です。手動で切り替える際にもステアリングホイールなど視線移動や操作の手間がかからない場所に切替スイッチが備わる車種もあるものの、やはりコスパ重視の車ではセンターコンソールまで手を伸ばさないと切替スイッチがないことも珍しくありません。

10分で1000ppm超え?急速に上昇するCO2濃度

車酔いやパニック障害の一種など車が苦手な方は内気循環モードの常用によるCO2濃度上昇に体が過敏に反応することがあります。結果として不調や不快感の原因になるため外気導入モードを適切に利用する必要があります。車内のCO2濃度は1人乗車であっても10分程度で1000ppmを超えて頭痛や眠気、倦怠感を始めとした各種不調の原因になります。

安価なCO2濃度計は2000円程度で入手可能なので自身の車の状態を知りたい場合には一度計測してみても良いでしょう。安価なCO2濃度計は校正や精度に問題がある場合がありますが、相対的な比較には十分に使用できます。屋外で計測した数値を覚えておいて車内に持ち込み、内気循環モードにして計測してみると信じられないほど早くCO2濃度が上昇することに驚かされるはずです。

2.高機能エアコンフィルターの使用

2番目の対策は外気を取り込む際に通過するエアコンフィルターを高機能・高性能なものにすることです。フィルター程度で臭いが取れるのか疑問に思われるかもしれませんが確実な効果が得られます。ただし完全に臭いを取りきることはできず、長いトンネルや渋滞、大型トラックの真後ろを走行している場合などはどうしても臭気が入り込んでしまいます。

高機能エアコンフィルターの代表的な製品といえば、多くの国産車でも純正採用されるデンソー社の「クリーンエアフィルタープレミアム」や輸入車用のフィルターとして定番のマン社の「フレシャスプラス」が有名です。価格はいずれも3000円から3500円ほどです。安価なフィルターは1000円ほどで入手可能なのでやや高価ですが、臭い対策としては安いものだと思います。

脱臭効果のある活性炭フィルターは安価なものからありますが、単に活性炭といっても量や配置が重要です。これに加えて臭いの原因物質である排ガスに含まれる微粒子物質をキャッチできる高価なエアコンフィルターには確かな価値があります。

デンソー製のエアコンフィルターとしてはスタンダードな「クリーンエアフィルター」と高機能な「クリーンエアフィルタープレミアム」が存在しますが、その差は歴然です。私が毎日通る長いトンネルがあるのですが「クリーンエアフィルター」では臭いがひどく必ず内気循環に切り替えていましたが、「クリーンエアフィルタープレミアム」にしてからは渋滞時を除けば切り替える必要がなくなりました。

同様にフレシャスプラスも同じ効果が得られるのですが、フレシャスプラスは少し割高なのでこだわりがなければ「クリーンエアフィルタープレミアム」がおすすめです。

臭い対策なら頻繁な交換が必要

高機能なエアコンフィルターを使用すると最初は臭いがそれなりに低減できることを実感できますが、その効果は1年もちません。使用している環境に寄りますが臭いを取り除くための活性炭は消耗品ですから空気が良くない環境でたくさん運転をすると早く効果がなくなってしまいます。

少しコストパフォーマンスが悪いですが私の場合には半年程度で交換するようにしています。

エアコンのカビ臭さや湿気た臭いは安価なフィルターを高頻度で交換することで解消できますが、車外の臭いをシャットアウトしようとすると高価なフィルターを高頻度で交換しなければなりません。

  1. 多くの場合は微小粒子状物質(PM2.5としてよく知られている)を検知するセンサーを使用しており、これ自体は空気清浄機などにも使用されており安価ですが安さ重視の車ではなかなか採用されないのが現状です。電子工作が得意な方ならスイッチをうまく連動させて自作できそう。特に臭いの気になる大型トラックなどの排ガスは粒子の直径が1マイクロメートル程度と言われており、PM2.5の一種と言えます。 ↩︎
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