柑橘類の育て方 病気や落花の原因にも!最適な「水やり」の方法

ガーデニング

美味しいレモンを収穫し、木の状態を良く維持するためにも「水やり」は非常に重要です。時期やシチュエーションごとに水やりの頻度や方法、そして水やりの時に気にかけたいポイントを解説します。

▼レモンの育て方全般について、季節ごとに作業項目をまとめた記事はこちら。

このほかにも、一般家庭における自家栽培レモン(鉢植え/地植え)の育て方や栽培手法など、様々な知見をまとめています。

レモンの栽培方法に関する記事一覧

なお、レモン以外にもミカンやユズなど柑橘類全般に適用できる育て方のポイントとなっています。

最適な水やりの頻度

レモンは水やりに関してそれほど繊細な果樹ではありません。

しかし、不適切な水やりをすることで果実の出来が悪くなったり、木が枯れてしまうこともあります。

最適な水やりの頻度を守ることで木の生育を促し問題を未然に防ぎましょう。

庭植えの場合

庭植えの場合は水やりの必要がありません。

しかし、気温が30度を超える日がちらほらと増え始める7月ころになると注意が必要です。

基本的に高温になっても水やりは不要ですが、雨が1週間以上降らない場合には水やりをしてやりましょう。

暑さのピークもすぎて朝晩は涼しさを感じ始める9月ころになると、また水やりは不要になります。

逆に、不必要に水を与えてしまった場合には庭植えとはいえ根腐れの危険もあります。

特に土質が粘土質で水はけが悪い場合などは要注意です。

鉢植えの場合

鉢植えの場合には時期によって水やりの頻度を変えてやる必要があります。

水は足りなすぎるよりやりすぎる方が危険度が高いです。

絶対に守らなければならないポイントは、土の表面が乾く前に水をやらない、ということです。

最低限これさえ守っていれば、レモンが枯れてしまうことはありません。

基本的な水やりの頻度は以下の通りです。

  • 涼しい春・秋は3日に1回
  • 暑い夏は毎日
  • 冬は1週間に1回

先述の通り、土の表面が乾いていない場合には水をやらなくて構いません。

レモンは乾燥よりも過湿に弱いです。

受け皿に水を溜めない

鉢植えの場合、鉢の下に水が溜まる受け皿を置いているかもしれません。

受け皿と鉢はセットで売っていることもあるためなんとなくセットで使っている方も居られるでしょう。

しかし、基本的に受け皿は使わないでください。

受け皿は旅行などで水やりが出来ない時に、一時的に水を溜めておくために使用します。

普段から受け皿を使うと根腐れを起こす可能性があります。

鉢植えは雨に晒さない

水やりとは直接関係がありませんが、鉢植えしている場合には直接雨のかかる屋外に置くべきではありません。

レモンがかかるいくつかの病気は雨を媒介としてレモンに移ります。

室内に置く必要はありませんが、軒先の下など真上に屋根がある場所に置くと良いでしょう。雨ざらしの方が水やりの手間が減りそうなものですが、乾燥は防げても過湿は防げません。

先述の通りレモンは過湿に弱く、根腐れを起こせば枯れてしまう可能性も高いです。

くれぐれも雨ざらしは避けましょう。

レモンの水やりが足りないと起きる問題

レモンの水やりが足りない場合、カラカラに乾燥しきってしまえばもちろん枯れて木が死んでしまいます。

しかし、水やりの頻度が少ない程度であれば木の生育にはそれほど影響はありません。

落花・落果が増える

水やりが適切にできておらず、乾燥気味の場合には花や果実が落ちやすくなってしまう場合があります。

特にレモンは肥料を多く必要とする果実です。

基本的に緩効性の肥料を使いますが、水やりの際に肥料が水に溶けだして根から吸収されるタイプの肥料が多いです。

この場合には肥料不足に陥る可能性もあります。

実がブヨブヨになる

レモンの果実が育っている間に乾燥が起こると、実の中の水分が減って実のハリがなくなりブヨブヨとしてしまう場合があります。

1年かけて育ててきたレモンの実ですから、実の味が落ちるのは避けたいものです。

レモンの水やりが多すぎると起きる問題

水やりが多すぎた場合、根腐れの恐れがあります。

根腐れとは、その名の通り根が腐ってしまう現象です。

なぜ根が腐るかというと、土のなかの水分が多すぎて根が空気を吸えなくなって窒息死してしまうからです。

レモンを始めとして植物は根から水だけでなく空気も吸っています。

土の中は水分が必要ですが、水分が多すぎてもいけないのです。

基本的に水のやりすぎは控え、鉢植えの場合には「土の表面が乾く前に水をやらない」という点だけは守りましょう。

また、受け皿も基本的に使わないようにしてください。

根腐れの対策

根腐れが発生した場合の対策は難しいです。

進行状況にもよりますが、そのまま枯れてしまうことも珍しくありません。

初期の段階では土が腐臭を放ち始めます。次に葉や枝が元気なくなり、最後に枝がなかから腐り始め倒れます。

基本的に対策と言う対策はなく、初期の段階であれば水やりを止めて土を乾かすという対策が有効です。

もしそれ以上進行している場合には、植え替えをする必要があります。

土は水はけの良い新しい土に置き換え、根は腐った部分を完全に切り取ります。

腐った部分はよく見ると色や状態で変化がわかりますが、正確に判別できないことも多いので大きめに切り取ります。

その後、長い枝を切り落とすなど越冬に失敗した時と同様の対策を施し、木を小さくします。

もし持ち直した場合でも、2年ほどは収穫は見込めません。

さいごに

レモンの水やりについて解説しました。

それほど難しいものではありませんが、特に園芸初心者の場合には水やりをしすぎて枯らしてしまうことがよくあります。

適度な水やりを覚えれば、どのような植物でもそれなりに育てることができるようになります。

▼レモンの育て方全般について、季節ごとに作業項目をまとめた記事はこちら。

▼その他の自家栽培レモンの育て方や栽培手法などは【レモンの自家栽培方法】カテゴリーからご覧ください。

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なお、レモン以外にもミカンやユズなど柑橘類全般に適用できる育て方のポイントです。

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