【レビュー】OGK Kabuto EXCEED – 迷ったらこれを選べ!隙のない優等生ジェットヘル

レビュー

先日、主要なヘルメットメーカーのフィッティングに対応した公認のショップへ行ってきました。ヘルメットサイズへの不満が募り、ようやく重い腰を上げたというわけです。その時の話はまた今度紹介するとして、結果的にはこれまでXXLサイズを使っていたもののLサイズが適正でした。

ただ、これまで長くXXLサイズを使っていた感覚から、どうしても本当にLが適正なのかと信じることが出来ませんでした。そこで、サイズが合わなければ諦める前提で安価なヘルメット(実売3万円以下)をターゲットに新しいヘルメット探しを始めました。

その結果、最終的に選択したのがOGK Kabuto EXCEEDだったわけです。

当記事のタイトルにある通り、私はOGK Kabuto EXCEEDを「隙のない優等生」と評しました。これはつまり、ヘルメットを評価する様々な観点において平均を上回る性能を有しているということです。

ポイントごとに解説していきます。

ポイント1:価格

あらゆる性能に先立って、多くの方が気にする点が価格ではないでしょうか?

まともなヘルメットを買おうと思えば、実売価格で3万円を下回るモデルは少ないです。逆に3万円を下回るとどうしても見た目が悪くなったり、帽体が大きかったり、機能が損なわれたり、重量が重くなる傾向があります。

しかし、OGK Kabuto EXCEEDはそうした要素を犠牲にすることなく定価にして26,500円、実売価格で23,000円程度の非常にお買い得な価格を実現しています。もちろんヘルメットは年々進化しており、3年前の上級モデルより現在の通常モデルの方が多くの点において優秀です。

高価なヘルメットを買ったとしても4年、5年を使い続けるのであれば、通常モデルを2~3年で買い替える方が賢明です。(そもそもヘルメットの使用期限が3年程度です

ポイント2:外観

価格に続いて多くの人が気にするであろう外観です。

3万円を下回るような手に入れやすいモデルは、どうしても外観が見劣りすることがあります。実際に私も3万円以下のジェットヘルメットを探すなかで「これはあんまりだ」ということで候補から外したモデルも多いです。

そんな中でOGK Kabuto EXCEEDは非常にスタイリッシュで、外観はとてもよくまとまっています。外観に関しては好みの要素が大きいものですが、OGK Kabuto EXCEEDは特に尖った要素もなければ、野暮ったい要素もない、ネガティブな要素が少ない外観であるといえるでしょう。

良い意味で普通であると思います。

ポイント3:安全性

ヘルメットを選ぶ上で本来最も重要な点である安全性です。

しかし、実際にヘルメットの安全性を正確に評価することは出来ません。極端な例を除いて、AraiやSHOEI、そしてOGK Kabutoといった主要なメーカーであれば最低限の安全性は確保されているであろうというのが多くの人の「印象」だと思います。残念ながらヘルメットの安全性を絶対評価して比較することは一般の利用者には不可能です。

ヘルメットにはJISやSNELLといった規格も存在します。

しかし、これは目安でしかなく、そもそも規格を取得していないだけで規格を上回る性能を有する製品も珍しくありません。また、残念ながら4輪車の衝突安全性試験のように、これら規格が実際の事故での安全性を直接示すものではないのです。

結論として、OGK Kabutoというメーカーおよび下記のような謳い文句を信頼するのであれば必要十分以上の安全性はあるだろうと考えられます。

  • 優れた耐衝撃性の高性能樹脂原料(T.P.S)を使用した熱可塑性プラスチック帽体
  • FEM構造解析の活用で安全性と軽量化を両立
  • チークパッド内側に衝撃吸収ライナーを配置し、ワンクラス上の安全性を実現

ポイント4:メガネの付け心地

次に、メガネユーザーにはもしかすると価格・外観・安全性以上に気になるかもしれないメガネの付け心地です。

OGK Kabuto EXCEEDはメーカーが公式ページで謳うほどにメガネの付け心地に対して気を使って作られています。具体的にはメガネのつるが差し込まれる場所にかなり大きめのスペースが設けられており、太く幅があるメガネでも余裕で収まるだけのスペースがあります。

▼これがメガネようのスリットです。

入り口はチークパッドのクッションと立体的に入り乱れており狭く見えますが、実際には余裕があります。奥にいくとかなりの余裕があることが見て取れるでしょう。

ポイント5:重量と帽体のコンパクトさ

次にヘルメットの重量と帽体のコンパクトさです。

必ずしもこの2つが一致するわけではありません。特に重量はフィッティングの良し悪しにより体感重量が大きく変動します。そのため、計測した重量の重要度はあまり高くありません。

もちろん軽いに越したことはありません。基本的に重量と帽体のコンパクトさは、登場が新しければ新しいほど小さくなる傾向にあります。メーカーごとの差は多少あるものの、極端に大きい・重い場合には他メーカーに顧客が流れてしまいますから、メーカーとしても他メーカーに大きく負けない程度には年々技術を磨いています。

OGK Kabuto EXCEEDは、2018年に発売された新しいモデルです。

旧モデルにあたるASAGIに比べてよりコンパクトかつ軽量化を果たしています。

例えば、ヘルメットの実測重量を掲載しているヘルメットショップであるpapa-martさんのデータによると、ジェットヘルメットの定番SHOEI J-CRUISEの実測重量は1500gであるのに対し、OGK Kabuto EXCEED は1570gです。

個体差が100g程度ある場合があるそうですから、OGK Kabuto EXCEEDは1.5倍以上の価格差がある中でかなり健闘していると言って良いでしょう。

登場年が新しいというだけで、大きな有利です。

ポイント6:優しいフィット感

続いて気になるであろうポイントがフィット感です。

もちろん全体をしっかりとホールドしてくれなくては困るわけですが、当たりがきつい・痛い・一部だけきついというヘルメットはフィット感が優しいとは言えません。

しっかりと優しくホールドしてくれるヘルメットが理想的です。

OGK Kabuto EXCEEDは、全体的に厚めでソフトな内装を採用しており、分厚いクッションでむらなく均一に頭全体を優しくホールドしてくれます。

現実問題として、ヘルメットのサイズを個々人に最適化させることは困難ですから、このようにキャパシティの広い設計のヘルメットは、多くの人にとって高いフィット感・満足感につながるはずです。

その他のポイント

ベンチレーション

OGK Kabuto EXCEEDは、ベンチレーション機能を備えています。

ベンチレーションはイン・アウトを後方にスライドして開放することができます。感覚的には柔らかく空気が抜けていく感じで、激しく頭を冷やしてくれるような感覚ではありません。個人的にはほどよく優しく自然で好ましいです。

また、ベンチレーションの空気の取り入れ口と出口のデザインはシンプルで控えめです。

ベンチレーションの口が極端に先鋭化された、幼稚ともとれるデザインが多い中で好印象です。

走行風の影響

OGK Kabutoのウェイクスタビライザーと言う特許技術により、ヘルメット周辺の気流は適切にコントロールされています。

横風や横を振り向いた時の影響も軽微で、頭が持っていかれることが少ないです。

また、あごの下まで覆う縦に長いバイザーは下端に補強があって剛性が高く、ヘルメット自体との密着性も高いです。

上端に関してはシールのようなものが配置されており、密着性を更に高めています。

インナーバイザー

大型のクリアバイザーの内側にインナーバイザーが用意されています。

これはヘルメット側部のスイッチで開閉させることができ、非常に利便性が高いです。

アクションカムやインカムの装着性

OGK Kabuto EXCEEDにはアクションカムやインカムを装着するためのスリットが設けられており、クリップタイプのマウントが取付けやすくなっています。

【追記】インカムを買って取り付けてみました。

>>>【suaoki T9S】格安インカムを使ってみた感想と設定手順 – OGK Kabuto EXCEEDとの相性もチェック!

まとめ

OGK Kabuto EXCEEDの評価をまとめると、価格、安全性、外観、メガネ、フィット感などすべての面で優秀であると言えます。

その他のベンチレーションやバイザーなどの装備も充実しており、一番最後に紹介したアクションカムやインカム用のスペースもあります。

価格に至っては、発売から間もなく定価との差が少ないものの2万円台前半とヘルメットとしては安い部類です。

外観も含めたコストパフォーマンスに優れる非常に競争力の高い商品だと感じました。

バイク用ヘルメットの使用期限は約3年です。

加えて、記事内で言及している通りヘルメットの進化は早く、「3年前の上級モデルより現在の通常モデルの方が優秀」です。

高価なモデルを買っても定期的(2~3年ごと)に買い替えが出来ないのであれば、あまり意味があるとは言えません。

その点で、OGK Kabuto EXCEEDは無理なく買い替えが出来る価格設定です。

今後、モデルチェンジで名称が変わることがあるかもしれませんが、買い替えながら長く使いたいと思えるヘルメットです。

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